昼下がりの悪夢


 昼下がりの東方司令部は穏やかな時間を過ごしていた。
 大佐であるロイ・マスタングも、久しぶりに片付いた机の上で微睡んでいた。不意に、 カチリ…と小さな音がしたような気がして、ロイは目を開けたが特に変わった様子はなかった。
 誰も居なかった事にほっとしつつ再び目を閉じた。
「大佐」
「っ!?」
 突然の囁きにロイは飛び起きた。
「反応遅いよ、大佐」
「脅かすな、鋼の…。いつ帰ってきていたんだ」
 ロイは傍らに立つエドワード・エルリックに尋ねた。
「ほんのさっきだよ…アンタに…」
「ん?」
「アンタに会いに来てやったんだよ」
 エドの眼にロイは苦笑で答えた。
「だったらお茶の一杯くらいご馳走しようか」
「いらねーよ」
 エドは言うなりロイの唇に自分のを重ねた。
「っ!」
 舌が絡まり合い強く吸われると付根がじんと痺れるような感じがする。
「は、鋼の…」
 ロイは非難するような視線を向けたがエドは取り合わなかった。
「誰か来たらどうするつもりだ」
「来ねーよ。鍵かけてある」
 ロイは起きる前に聞こえた小さな金属音の事を思い出していた。
 どうするべきか思案している間にロイの服は脱がされていた。
「鋼の…その手際は見事なものだがな、こんな場所でする気か?」
「アンタのここが我慢できなそうだからだろ」
 エドの手が下腹部へと伸びる。
「っ!」
 直接触れられたロイの体は小さく跳ねた。
「椅子に座ったままってのも面白そうだし…」
 言いながらエドは指を絡ませて扱き上げる。
「あ、は…待て、せめて」
 ロイの手が前に居るエドの肩の辺りを縋り付くように掴む。
「そんなに気持ちイイのかよ…?」
 エドは薄く笑って手を引き剥がした。
「鋼、の」
 ロイは上がる息を抑え切れずに喘ぐ。
「うるっさいなぁ。なんだよ」
「この体勢は、辛い…」
 ロイは椅子に座ったままのため、前に手をつかなければ体を支えられなかったが、 その手は剥がされ、行き場を失っていた。肘掛ではとても体は支えられないからだ。
「仕方ないな…。だったら下に座らせてやるよ」
 エドはロイの腕を掴んで引き摺り下ろした。その間もロイに絡めた指は離さない。
「濡らし過ぎじゃねぇの、大佐…?」
「あ、も、離せ…!」
「だーめ」
 先端に軽く爪を立てられると、ロイは呆気なく果てた。
「早いって」
 肩で息をするロイを嗤う。
 白く濡れた指を後口へと押しこむ。
「くぅっ」
 ロイの口からは呻き声が漏れるがエドは気にしなかった。
「ねえ、なんでこんなことするか聞きたい?」
 エドの問いにロイは首を横に振った。
「知りたくなどないッ」
「へぇ…まあいいや…」
 穿っていた指を更に増やし深く突き刺す。 それはロイの中に痛みと快感の両方を落とし込んでいた。
「ここがイイのは知ってる…ここもな…もっと擦ってやろうか?」
 ロイの中は既に赤くなっていた。何度も擦られて敏感になっているのだ。
「エ、ド…!そこは!」
 より敏感な所に爪を立てられロイは体を強張らせた。それでも前は張り詰めたまま、 先端から雫を零している。
 ぬるりとした物を纏った指が中でぐるりと円を描いてロイから出ていった。
「大佐、力抜いてな」
 ロイの小さな口にエドのものが宛がわれる。そのまま奥まで埋め込まれた。
「がはぁっ…く、ァ」
 指とは比べ物にならない質量に声が漏れる。床に爪を立て苦痛をやり過ごす事で精一杯だ。
「痛そうな声を上げるわりには感じてるよなぁ…ちっとも萎えてねぇしさ」
 エドの手がするりと撫でる。
 ロイのものはまだ硬さを保ったままエドの手の中でふるりと揺れた。
「アンタの中…熱くて気持ちいい」
 エドが深くまで突き入れるとロイの腰が揺れた。心地よい締め付けがエドを包む。
「あ、く…鋼の…!」
 何度目かの抽挿にロイは堪らず熱を吐き出した。 その反動で内で蠢く肉塊を強く締めつけてしまう。
「っつ!!」
 その強い締め付けにエドもロイの奥へと自身を解き放った。


 エドはロイの体を椅子に引き上げた。
 動けなさそうなロイに服を着せたエドだったが、床の汚れを片付ける気はなさそうだ。
「とっとと出て行きたまえ」
 疲れた様子で深く椅子に沈みこんだままロイは告げた。
「アンタに言われる筋合いはないよ」
「命令だ。出て行きたまえ。頭が冷えて自分のした事が分かるまで私の部屋には出入り禁止だ」
 もう一度告げて、ロイは目を閉じた。
「アンタは上官だからな。命令ってんなら従う。でも出入り禁止ってのは無理な相談だろ?」
「報告は文書で回せ。この部屋に来る必要はない」
 きっぱりと告げたロイにエドは嗤って答えた。
「何怒ってるか知らないけどさ、こういうのがしたいって言ったのは、 アンタだっての早く思い出せよな」
 ロイが眉根を寄せるのを見てエドは踵を返した。
「大佐、そこ、片付けとかないと誰か入ってきたら大変かもな」
 そう言って部屋を出ていった。
 一人残されたロイは考え込んでいた。
「……私が…?」
 記憶を辿っていく。
「前回、会ったのは半年前か…。ん…?」
 ロイは何事か思い出したのか真っ赤になった。
「あ、あれは、鋼の…!そう言う意味じゃ…あ、っ…」
 体の痛みに机に掻き付いた。
 ロイは次に会う時に、その話が誤解だというのはどう言えばいいのか考えを巡らせ始めた。




2006/01/21 UP
200打記念:礎 涼子 様リク。
リク内容:エドロイで黒エド。
コメント:礎 涼子 様、リクエストありがとうございました。
黒エドで悩みまくってたのですが…
こんな感じになってしまいました。黒エドなのか…?
文句も承りますよー(滝汗)

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