倉庫の秘密


 人生、予想だにしないことってのは間々有るもんだ、と俺は思う…。
 単に国家錬金術師だとか、生意気で口の悪いガキだとか…その程度の認識がガラッと変わったんだ。 …というか変えられた…? いや、いつの頃からか気にはなって…。
「ハボック少尉。ちと一緒に来てくんね?」
「なんで俺が…」
「少尉に頼みたいことあってさ」
 …なあ、大将…目と口の語りに差がありすぎなんじゃないのか…?
「しょーがねえなあ」
 なんか仕事か…? 俺より錬金術の方がなんでもできんじゃないかと…。
と、ぼやいてみてもどこか喜んでる自分がいるのは否めない。思い出すだけでも恥ずかしいってのに。
 エドが喋らないので俺も黙ってついていく。
 歩いていくうちにどんどん人気がなくなる。
「どこまで行くんだよ…」
「もうちっとだって」
 エドの声がやたらと嬉しそうなのは気のせいか…?
「ここ」
 二分も経たないうちに立ち止まった、その先にあるのはえらくボロい倉庫だった。 …なんかちょっと嫌な予感がしてきたぞ…。
「少尉ー」
 呼ばれた俺は溜息をついて倉庫の中へと入った。
 中は電球がいくつか点いていて、予想したほどは暗くなかった。
「で…?頼みたい事ってのは…」
「じゃーん」
 その瞬間俺は絶句した。
 でん、と置かれた箱の中には様々な色や形のオモチャが入っていた。
「これ試させてよ」
「…エド…」
 ロクでもない…。
「怒んないでよ、少尉。おもしろそーな物見つけたらつい買っちまって…」
 ヘラッと笑うエドにどこか怒りのやり場を失くす。くそっ…どうせ俺は勝てやしないんだ。
「でも、まさか全部試す気じゃ…」
「まあ一回じゃ無理だろうけど順番に」
 いや、だから、そんな笑顔で…。
「とりあえず少尉には大人しくしてもらおうかなぁ」
「エ、エド…!」
 カシャンと手錠がかけられた。
 俺の抵抗なんてなんのその。床に押し倒されていた。
「安心してよ、ローションは変な物入ってないから」
 慰めにもならないって。
 あっという間に服を剥かれた。手際が良すぎるだろ、おい…。
「手始めに…こんくらいなら簡単に入りそうかなー」
 エドの手にあるのは細い棒状の物だった。
「じっとしててよ、少尉」
 ローションで濡れた指がクイッと中に入ってくる。
「ン…」
 思ったより冷たくはなかった。もちろん違和感は拭えないが…。
「もう一本くらいは楽勝?」
 二本目の指が入ってきて深く沈められる。
「ンゥ…!」
 指が蠢く。この間覚えさせられたばかりの敏感な所に指が触れて飛び跳ねた。
「気持ちいいんじゃね? なあ少尉」
 緩く勃ち上がった物を握られて思わず体を仰け反らせた。
「んじゃ入れるか」
 指が抜かれて棒状の物が入ってきた。指で慣らされたお陰か声を上げるほどの苦痛はなかった。
「あれ…なんだつまんないなぁ。じゃあ、もっと太いのにしよ」
「ア……ぐ…!」
 すぐに抜かれて今度はもう少し太い物が入ってきた。しかも…。
「エ、ド…!」
「こっちの方が気に入った? これ、疣付きなんだよねー」
 行ったり来たりするだけなのにその疣が中を擦り立てて行く。
「あ、あ、…は…」
 どんどん声が抑えられなくなる。
「いーい感じ」
 乱れていく俺を見ながらエドが笑う。くそ、どうしようもない。
「このままオモチャでイク? それとも」
 遠かった声が耳元で聞こえた。
「オレのでイキたい?」
 俺に答えさせるつもりか?
 エドの手が動きを止めた訳じゃない。
「くうぁ…」
「なんだったらもっと太いのとか、形の変わった奴とか」
 色々あるよと囁いてくる。
「イかせてくれ…!」
「このまま? それとももっと変わったオモチャ?」
 言わせなきゃ気が済まないのか? 分かった。俺の負けだって。いや、最初っから負けてるけどよ。
「エド、の、で…ぁ、ぅ…頼」
 達く…!ってところで塞き止められた。
 体の中を快感がぐるぐる回ってる。
「ふぅん…素直じゃん。んじゃお願いされた事だし、挿れようかな」
 ズルッと抜かれて、その感覚に体が跳ねた。
「少尉はまだ仕事あるだろうし…」
 エドの声がどこか遠い。大丈夫か、俺…。
「力抜いててくれよ?」
「!ぐ、かはッ…!」
 言葉と同じにエドの硬くなったものが押し込まれ、 オモチャとは比べ物にならない質量に息が詰まる。
 しかもさっきまで散々擦られて敏感になった箇所がまた擦れた。
「あぅっ!」
 もう限界だって…!
 俺はエドの服を無我夢中で掴んでいた。
「達っていいよ、少尉。実はオレも結構キてんだよね」
 俺のが強く擦られて、俺の声は声にならなかった。
 ただ、腰から拡がったものが体の隅々まで侵していって、エドの手の中で弾けた。
 キツク中を締めつけて、その硬さに俺の快感は尾を引いた。そのままゴム越しに熱が広がって、 エドの吐息が聞こえた。
 そこで情けなくも俺の意識は途絶えている。


「少尉、ハボック少尉!」
 頬がぴたぴたと叩かれていた。
「ん…」
 気が付いた俺が感じたのは強烈な腰の痛みだった…。
「いっつ…」
「あ、起きた。もうちょっと後で起こせば良かったかなー」
 えらく嬉しそうなエドの顔が目に入った。
「あ…?」
「いや、まだいっぱい残ってんのにさ」
「はっ!?」
 違和感に下肢に目を落とせば、未だ脱がされたままだった。
「おい…」
「やっぱ結構太くても全然平気。意識無くても締めつけてくるし抜くのが」
「!!」
 俺は慌ててエドの口を塞いだ。そんなの聞きたいわけあるか!
「…今何時だ…?」
 どれくらい意識がなかったんだ?
「そんなに経ってないって。一時間くらいかな?」
 俺の手を引き剥がしたエドが言う。おい…その間ずっとかよ…。
 溜息を吐くのさえ、つらい。
「残りはまた今度試すから」
「おい…」
 俺は脱力するしかなかった。
「少尉は先帰って良いよ。オレ、ここ片付けて帰るから」
 着衣しつつ改めて見回せば、酷い状態だった…。なんか俺、へこむ…。
「んじゃ、また付き合ってよね、少尉」
「…へいへい…」
 嫌だって言えないのが惚れた弱みってこと、か…?
 



2005/11/06 UP

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