お菓子の国から


 廊下を歩いていたエドは自分を呼び止める声に振り向いた。
「なんだよ、大佐…」
「なんだ、とは挨拶だな、鋼の。一緒に来たまえ」
 呼び止めたのはロイであった。
「ったく…」
 毒づきながらもエドはロイの後に続いた。
 二人はいくつもある資料室の一つに入った。
「資料室に何の用があるんだよ」
「部屋はどこでも良かったのだが…手を出したまえ」
 ロイの手がポケットから何かを出したようだった。疑問に思いつつもエドも手を出した。
「っと…」
 エドの手の上にアメやチョコレートが降ってきた。落ちそうになったのを危く捕まえる。
「大佐…なんだよこれ…」
 エドは呆れ気味にロイを見上げた。
「今日はハロウィンだろう? 君が悪戯しないように」
「はぁ? なんだよ、それ」
「知らないのかね? ハロウィン」
「いや、そうじゃなくて…」
 そうじゃないだろう、とエドは溜息を吐く。
「言った通りだ。君の悪戯防止だ」
「あのな…!」
 子供扱いに抗議しようとしたエドの唇が塞がれた。
「ン…は…」
 長く深い口付けにエドの目が潤む。
「君への悪戯は私の専売特許だ…」
「ばッ!」
 エドの手がロイを突き放す。
「これはアンタにやるよ! アンタの悪戯防止に!」
 オレより必要だろ! と怒鳴ってエドはドアを乱暴に閉めて行った。
「ふむ…どうせなら扮装させれば良かったか…」
 後に残されたロイはそんなくだらない事を想像しつつ笑みを浮かべたのだった。




2005/10/31 UP

Novel

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル