懇願 1
大きくなったサムが一緒に狩りに出るようになってからというもの、父親はディーンが求めているものを決してくれなくなった
何をしても、何を言っても
だがそれでも、15歳のディーンは求め続けた
普段魔物との戦い方を習っている時も、彼に酷く叱られた後でさえ
「・・Dad・・」
そして今夜、機を窺っていたディーンは偶然コネクティングルームしか開きの無かったモーテルで、漸くサムが横にいない状況で父親を薄暗い部屋に誘い込む事に成功していた
だがその言い訳に、分かりきった魔物との対決方法についての質問を挙げたディーンは、長年の経験と人の顔色を見る確かな目を持つジョンの前に、それが子供じみた誤魔化しだと直ぐに見抜かれる
「そんな事はとうの昔に教えたはずだがな、ディーン」
「・・・・ん・・そうだけど・・・・・でも、それだけじゃなくて・・・・」
ディーンは父親の欲望を煽ろうと精一杯自分が妖艶だと思う表情をして近寄るが、ベッドに座り今日使った銃の手入れを始めたジョンは冷たい目で見つめて来るだけだ
「・・・・」
「・・Dad・・・お願い・・」
その端正な顔は活力に満ちていて、何より昔海兵隊として鍛え上げられた逞しい肉体から立ち昇る強い牡の香りは、日々ディーンの理性を刻々と削って行く
小さい頃から父親であるジョンに肉体的に愛され、受け入れる事に慣らされていたディーンにとっては、少しも触れて貰えない最近のこの状況は拷問にも感じるようになっていた
昔のように、ジョンに抱かれたい
抱かれるだけでなく目茶苦茶にされて、完全に支配され自分は彼だけの物だと再確認したい
そう思って疼く体が、ディーンをずっと苦しめていた
「そんな事よりさっさと寝て、明日に備えることが大切だろう?」
「・・・・俺だって・・早く寝たい、でも・・・・もう無理なんだ・・っ」
視線で訴えても無駄ならと早々に直接父親の肉体にそっと手を延ばし、ディーンは立派な股間の膨らみを揉みしだきながら気まぐれな鬼軍曹のご機嫌を伺うように、その顔色を覗き込んだ
すると触れる手を拒まずジョンは口角を僅かに上げてくれて、ディーンは今夜は何の気紛れか父親がそういう意味で自分の相手をしてくれる気分なのだと知り、とても嬉しくなった
以前にもジョンがこんな行為だけは許してくれた夜はあったが、同時にディーンは誘いを掛けた途端にこっ酷く叱られた記憶も持っていたから
「・・・Dad、今夜は・・してくれる・・のか・・?」
「・・・・・」
そ知らぬ顔で銃の手入れをし続けるジョンに対して、チャックを下げ取り出した太く長い父親の性器に釘付けになったディーンは、床に膝を付き頭を下げた
「・・っ・・頼むから・・・」
下手に出れば絆される、それが彼との行為の常套手段だ
そしてそのままディーンは溢れてくる唾液をゴクリと飲み込んで、ジョンから制止の言葉が出ないのをいい事に目の前のご馳走を口に含み、昔教え込まれた通り舌を巧みに使って舐め回す
「・・子供の頃からの癖っていうものは中々抜けないものだな、ディーン」
「・・っ・・」
だがジョンはそう言って銃を手にしたまま呆れたように溜息を付くばかりで、ディーンは我慢できずジリジリと先に反応し始めてしまった自分の股間に手を伸ばしてしまう
そしてその快楽に流されれば、床に這い父親のペニスを咥えながら股間を揉む自分の姿が横の電源の入っていないテレビの画面に映るのも気にならなくなる
「・・んっ・・・・Dad・・」
彼の先端を強く吸って懇願すれば、漸くジョンはこちらを見てくれた
それはきつく責めるような眼差しだったが、平然とされるよりずっといいとディーンは思った
「隣の部屋にはサミーが寝ているんだぞ、こんな事をして恥ずかしくないのかっ?」
「・・だって・・・も・・・我慢・・できなっ・・」
「呆れたな、ディーン」
ジョンは、折角開いたズボンの前を整えてしまうと蔑むような表情で見下し、ディーンの頭を硬いブーツで踏みつけた
「・・っ!」
床にディーンの頭蓋骨が当たる音が、静かなモーテルの部屋に大きく響く
「まるでお前は・・発情期の雌犬だ」
「っ・・・それはっ、ずっと・・・Dadがしてくれないからっ!!」
思わずディーンは叫んだ
本当にそうだったからだ
ずっとディーンは、精通さえする前からジョンとの性行為に溺れて育った
初めてのキスも、初めての射精も、フェラチオも、初めてアナルを使われたのも父親が相手だった
なのにここに来て突然、サムが一緒だからという理由でジョンはディーンを抱いてくれなくなった
そんなのは耐えられない
「困った子だ、どうすればその変な癖が治る?」
ディーンは頭の上のジョンの足が外され、傍の椅子を引いてまるで見物を決め込んだように座るのを呆然と見上げる
「・・Dad・・・治す、なんて・・・・」
「もうお前は大人と呼んでもいい歳になった・・父親との肉体関係が正しくは無いと分かっているだろう?」
「・・・・・」
自分で覚えさせたというのにまるで病気のような言い方に、その逞しい肉体を使って直接自分を抱いてくれると期待していたディーンだが、これではとても今夜も無理らしいと悟った
それだけでなくジョンは残酷に、ディーンに自分が覚えさせた筈の快楽を忘れさせるつもりだ
そんな事は不可能なのに
そしてもう、餓えたディーンの肉体は限界にきているのに
「ディーン、私はあんな事はもうしない」
「・・・っ・・どう・・してっっ!・・」
「これからは自分でその欲望をコントロールしろ・・出来るはずだ、動物じゃないんだからな」
「・・っ・・・・・」
無理だ、と、ディーン首を振った
だが次の瞬間、きつい眼差しとともに言われた言葉にゾクリとディーンの背中に痺れが走る
「これは命令だぞ、ディーン」
何よりもディーンを縛るもの、そして恍惚とされるもの、それは『Dadの命令』
直後途端に硬さと容量をグンと増してしまった股間の物を、オズオズとディーンは父親の前に晒していった
「・・で・・でも・・・Dadと二人になると・・・勝手に反応して・・」
ギュっと股間の物を握って、ジョンに翳す
「こんなに・・なるんだ・・っ・・・んっ・・」
「マスターヴェーションの仕方も早くに教えたはずだ」
指一本触れず命令だけするジョンに、ディーンはまるでポルノ女優のように脚をM字に開いて性器を扱き、喘いで見せた
もっともっと煽れば、もしかしたら父親が直接触れてくれるかもしれないと、淡い期待を抱いて
「・・ぁ・・っ・・・Dad、きて・・・・」
だが、その期待は早々に打ち砕かれる
「どんなに煽っても、もう私は二度とお前は触れないぞ、ディーン」
冷たく、ジョンは言い切った
「・・っ・・・・」
縋るような目でジョンを見ても、冷たい鋼のようなジョンの目は少しも緩まない
そしてディーンはジョンの命令通り、自分でその滾った欲望を解消する術を学ぶことになったのだ
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