栄光の手 2
クラブの2階に恋人のフリをして辿り着いた2人は部屋に入るなり早速バスルームの換気扇を取り外し、ルゴシが通風孔へとディーンを押し上げた

「ここから3つ先の部屋の、警報付きの金庫の中だ・・・気を付けろよ、ディーン」

「・・・楽勝だ」

ウエスタンハットを投げ捨てたディーンは、這ったまま10数メートルの距離を進みやがてルゴシの告げた部屋に忍び込んで、楽々と『栄光の手』を盗む事に成功した

そしてその干乾びた手を布に包み、革ジャンの胸ポケットに仕舞ってから元来た狭い穴を戻る





「・・ふぅ・・・ほら、これだろ?」

「・・ああ、流石だな・・ディーン、お前は凄腕だよ」

通風孔から飛び降り再び部屋に戻って来て、埃だらけの服を叩きながら手を見せればルゴシが心底関心したように言ってくるから、ディーンも気分が良くなってニッっと笑った

「じゃ、さっさと行こう・・もう用は済んだだろ?」

「・・おい・・ちょっと待て、ディーン
 俺たちはここでヤってるって設定で忍びこんでるんだぞ?
 そんなに早く出て行ったら、不審に思われるじゃねぇか」

「・・ぁぁ、なるほど」

こんな所からは一刻も早く立ち去りたいディーンだったが確かに言う通りだとドアに背を向ければ、ルゴシは部屋に備え付けの冷蔵庫からビールを2本取り出し差し出して来た

「この部屋に入る時払った金に含まれてるからな、飲まなきゃ損だぜ・・ほら」

「・・ふぅん」

タダで有りつける食料は全て平らげろと父親に教育されて育ったディーンは、早速ルゴシの手から冷えたビールを受け取り、ソファに座るとそれを乾いていた喉に流し込む







だが


やがてディーンは自らの体の異変に気付いた

こんな量のビールで酔う筈も無いのに、なぜかクラクラと目が回り体に力が入らなくなってくる

「・・っ?・・なんか・・・変だ・・」

「変?、どう変なんだ、ディーン?」

見ればルゴシはニヤニヤといやらしい笑いをその顔に浮かべていて、漸くディーンは自分が愚かなミスをしたことに思い当る

「・・・・畜生・・・・この糞野郎っ、薬を・・」

事件もこれで解決だという思いで見せてしまった自分の一瞬の隙を、ルゴシが見逃すはずもないのに

「残念だよな、ディーン・・・その手は俺が頂く、だがその前に・・」

「なっ・・・何・・・っ」

ディーンの手からゴロンと床に転がった瓶を隅に蹴ったルゴシは、その体躯に任せてベッドに軽々と運んで大事に仕舞い込んでいた『栄光の手』も、デイーかの胸ポケットから奪い去る

「俺とちょっと楽しもうぜ・・・それにこの手も見つからないように隠さないと、な?」

「・・・っ・・」

最悪だと、ディーンは目を閉じた

何故ならサムの助けを期待しても一階の監視と爺さんの世話で忙しく、更に合図をするまで決して動くなと言いつけて来たからだ

「・・糞・・野郎・・・っ」

唯一自由になる口だけで、ディーンは虚しい気持ちながらも精一杯の悪態を、もう一度繰り返していた


































「・・っぁ・・ぅっ・・んっ・・」

やがて、ベッドの上に這った格好のディーンの中にはルゴシが侵入し、荒々しくその鎌首を振り回していた

ご丁寧にもコスプレプレイ気分かウエスタンハットを再び被せられ、一旦裸に剥いた下半身に本来ジーンズの上から尻の部分の無い革製のズボンだけを、履かされている

「・・このっ・・変態っ・・・・痛てぇ・・って・・っ」

「痛い?・・嘘付け、ディーン
 あの弟とお前が出来てるって事くらい、とっくの昔から分ってんだよ・・慣れてんだろ?」

「・・・っ」

「実の弟のデカイ物を毎晩受け入れて、ヒィヒィ善がってんだろ?
 慣らさないで突っ込むくらい・・・・・・・ほら、切れてもいねぇじゃねぇか」

確かにディーンは随分前からサムと肉体関係を持っていたがこんな男にそれを言って欲しくは無いし、だからと言って乱暴にしていいといういい訳になど論外だ

「・・それにしても・・こんな格好のお前は凄くセクシーだぜ
 ブロークバックマウンテンの某俳優なんかよりも・・ずっと、な」

「うるせ・・・・さっさと・・・済ませろ、短小・・っ・・」

ズクズクと円を描くようにして突かれながら悪態を付くことだけは忘れまいと努力するディーンだが、やがてルゴシの手が前に回ってズボンの中に消えれば、その声は甲高いものに変わった

流石に筋金入りのゲイ、手管が違う

「・・ぁっ・・ああぁぁっ」

先端をクルクル円を描くように刺激したかと思えば、尿道に容赦無く爪を立てられる

そしてその前を抜くリズムに合わせて後ろのポイントを巧みに突かれれば、すぐディーンは一度目の射精に導かれその内部のきつい締め付けでルゴシも又、奥深くに大量の白濁を注ぎ込んだ

「・・ふ・・ぅ・・・・・やっぱりお前、酷くされるのが好きなんだな
 初めて見た気からマゾだろうとは思ってたが・・」

誰がマゾだと、その自覚の無いディーンは言い返そうとするがまだ盛られた薬の効果が抜けず、上り詰めた直後のまだ微かに痙攣する体を淫靡な体位で固定されてしまう

腰の部分枕を敷かれ両膝を縄で括られベッドの頭部の鉄柱に繋がれて、さっきまでルゴシの怒濤を受け入れていた恥ずかしい部分が丸出しになる

「さぁて・・じゃ、後半戦を始めるか」

「・・?・・なに・・するんだよっ」

これ以上何をする気だと睨みつければ、ルゴシはディーンにさっき盗んで来た『栄光の手』を翳して見せた

「言っただろ?、この手を見つからないように隠すって
 ここを出る時オーナーのコレクション盗ってないかってボディチェックされるんだよ
 ・・・・だから、な?」

「・・まさか・・・っ」

干乾びた手に備えつきのローションを大量に降りかけるルゴシを見て、ディーンはまさかと目を見開いた

「そう・・そのまさかだ、ディーン・・・なかなか斬新なプレイだろ?
 だけど安心しろ、ここを出たら又俺が取ってやる・・たっぷり時間をかけて・・な」

やめてくれと叫ぶディーンを無視し、ルゴシは手を折り畳みその爪先からディーンの肛口に近づけてゆく

こんなのは嫌だった

異物を挿入されるというだけではなく、人の体の一部、ミイラ化した手を使われるなど生理的にも耐え難い

だがルゴシは嬉しそうに笑いながら、一本、また一本とその指をディーンの後ろの口に埋めて行く

「力を抜けよ、カウボーイ・・・お前のココが一番見つかり難い収容場所なんだから」




























やがて『栄光の手』は、半分程もディーンの体内に埋まっていた

「・・ぁっ・・あっ・・ル・・ゴシ・・もぅ・」

「もう?・・ああ、もう少しだぜ・・ほら、飲み込めよ」

もう無理だと必死に首を振って訴えるが、ルゴシに止める気配は全く無く最も太い部分で止まる手を更に力を込めて押し込んでくる

シワを伸ばしき切ってツルツルになった肛口が怖い程張り詰めて、ディーンはそこが裂ける恐怖に体を固くした

「・・・力を抜けって言ってるだろ?
 なんだよ・・サムとはフィストプレイは楽しんでないのか?、意外だな・・」

「っ・・やる・・かよっ・・そんなっ」

「・・ふぅん、ただ入れて動かして貰ってるだけ?
 そんなセックスじゃつまらないだろ、ディーン
 俺ならいろんなことを、お前に教えてやれるぜ?・・・こっちとか、こっちとかにも」

ルゴシの空いた手が胸の突起をイタズラし、次に恐怖で萎えていた性器にも絡みつく

「・・んっあっ!」

「いい声だ」

だがのんびりもしていられないと、ルゴシは傍らのワインボトルを手にとると、なかなか飲み込めないディーンの秘所へと改めて向き合った

「悪いが・・・少々手荒な事をさせてもらうぜ」

「?・・っ・・ゃ・・・やめ・・・・・・ぁ、ぁあああああっ!!」

メリメリという音とともに、ルゴシは栄光の手を固いボトルを使ってディーンの体内に無理矢理押し込んだ

そして大きな悲鳴を上げるのも知らぬ顔で、更に奥へとボトルの長さを利用し力任せに突き上げる

「そう・・・そうだ、ディーン・・・歩いても落ちてこないように、もっと腹の奥に仕舞っとけ」

「ぃ・・ひっ・・ぃあぁぁっっ」

「ふふ・・・ミイラ化した人の手も、ワインのボトルも、なかなかイイだろ?
 俺と一緒に来れば毎晩こんな夜を過ごせるぜ・・・どうだ、サムを捨てる気は?」

「・・っ・・・あっ・・ぁっ・・ああっ」



そのまま激しく異物をゴリゴリと前後されれば、抉らせる肉襞からこれまで味わったことの無い痺れが全身を走り抜け、その強烈な悦楽は必死に首を振るディーンの意思とは反してその肉体は何度も絶頂に押し上げる

そして、その美しい顔を、大量の白い粘液が汚した



その姿はまるで、こんな残酷な扱いに悦ぶ、淫乱な娼婦だった







































結局

体内に栄光の手を納められたディーンはボディチェックも無事すり抜け、激しいセックスをし過ぎて気分の悪くなった客を演じたまま、クラブを出る事には成功した

「ディーン、本当に大丈夫?
 それに・・・『栄光の手』はどこ?、ルゴシに盗られないようにしないと」

「っ・・わかっ・・てるよっ!、黙ってろっ、サム」

「・・?」

だが芝居とは思えない顔色に心配するサムは執拗に手の在り処と、ルゴシと2人きりだった時間に何が起こったのか聞きたがり、ずっとディーンはそれに対し黙ったままだった

何故なら何が起こったのか言おうものなら嫉妬に駆られたサムから必ず同じ行為を強要されるだろうし、それ以前に今体内にある物を怒りに任せて力ずくで引き摺り出されかねない

そんな目に遭うならまだ慣れているらしいルゴシにそっと取り出してもらった方が良いし、きつく彼に口止めする必要も有る

「・・これからちょっと・・・ルゴシと話が有る、お前・・は部屋に帰って・・ろ」

「・・ぇ・・?」

歩くたびに異物が前立腺をグリグリと刺激し、変な声が出てしまいそうになるのを必死で堪えて、ディーンは呆然としているサムに告げた

そしてニヤニヤと嬉しそうに笑うルゴシの腕の中に、糞ったれと心の中で悪態を付きながら、仕方なく自ら納まって見せたのだ











当然その後、『栄光の手』はルゴシに持ち去られ、ディーンも全てを知ったサムの手でお仕置きを受けたのは、言うまでも無い


end

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