檻 7
「・・あっ・・ぁ・・もっとっ・・っ・・」
「まだご褒美が欲しいのか?、494・・呆れるな」
アレックの体内では、もう一時間も前からヘルマンの太く長い男根が暴れまわっていた
だが彼にこの廃材の上に突き飛ばされるまでの記憶がアレックには定かでなく、気付けば見知らぬ男に精を注ぎ込まれた汚れた体で、ヘルマンとその男が話すのをぼんやりと見ている自分が居た
そしてここでヘルマンの手が根元を塞き止めていたリングに掛かり鍵を外すに至って漸く、自分が武器庫の警備の男の一人と関係を持ち彼の命令通りの仕事を終えたのだと知った
「・・たのむっ・・から・・・・おく・・おく・・までっ・・」
しかしそれももう、今のアレックにはどうでもいい事
意識に有るのは尻の穴に深々と埋まったヘルマンの太い肉棒と、漸く開放を赦され壊れた蛇口のように白濁を垂らし続ける自分だけ
「ああ、突いてやる・・・あんな男の粗末なモノでは満足出来なかったのだろう?
だがあっちはもうお前に夢中らしい・・我慢してこれからも相手をしてやれ、協力させる為にな」
「・・ぁ・・あっ!・・ああっ!・・」
抱え上げられていた両足を更に肩に担ぎ上げられ、丁度赤ん坊がオムツを換えるような角度で掘られる
すると揺れる視界に我が物顔で出入りするヘルマンの怒濤と、もう何度目か分からない勃起を果たし無様に泣いている自分のペニスが見えた
「ほら、もう一度出して見せろっ・・ずっと出したかったんだろうがっ」
「ぁ・・・ああっ・・・・くっ・・うっっ!!」
ビュッビュッと、まだたっぷりの量がアレックの先端から放たれ、そしてヘルマンの手がその角度を変えていたため、アレックの顔は自らのものでベッタリと汚れる
「・・ふん・・いい顔だな、494
何処かシティの外に部屋を借りて、この体位のまま縛っておいてやろうか?
そして金を取って好きなだけ人間の相手をすればいい、物を盗むより沢山の金を稼げるぞ」
「・・ぁ・・・いぁっ・・っ・・・また・・・」
今や先程の見知らぬ男やヘルマンが放ったものでグッショリと濡れそぼった肉壺は、今は侮蔑の言葉を浴びせ掛けられながらゆっくりと掻き混ぜられているだけだというのに、再びアレックはムクムクと顔を擡げより激しい刺激を欲する
しかしもはや何回目かも分からないそれに通常の状態の者が付き合える筈も無く、やがて自らは満足したヘルマンは呆れ顔で服を整えると近くに落ちていた何かを拾った
「まだ足りないなら脚を開け、お前のような奴にはこんな物が似合いだ」
それは、空になったワインのボトル
ヘルマンはそれを手に、廃材の上で荒い息をつき横たわるアレックを振り返り、哂った
「・・っ・・・そ・・んなっ・・」
「不満か?・・萎えない物を挿れてやろうと言ってるんだ、遠慮しないで楽しめ」
精を吐き出して少しだけ冷静さを取り戻した意識ではそんな異物を受け入れることは耐え難いと、アレックは弱々しく嫌々と首を振る
だが、ボトルを掴んだヘルマンの手が容赦無く秘所に伸び、熱く熟れた肉にひんやりと冷たい感触を感じてしまえばもうダメだった
「あっ・・ぁっ・・・・そ・・んなっ・・」
ヌルッっと精液の助けも借りて、ボトルはその太さを増した中程まで一気にアレックの腹に納まる
「そのまま全部食べて見せろ、お前なら簡単だ」
そしてヘルマンに強引にその手でボトルの底を掴まされてしまえば、再び自分ではどうしようもないスイッチが入ってしまうのをアレックは感じた
「・・・ぃ・・あっ・・ぁんっ・・・ゃ・・あうっ」
途端に自分で乱暴に異物を出し入れしてしまい、グチュグッチュと出し入れするボトルが立てる淫靡な音に、更に体が熱く燃える
太いボトルの直径に信じられないほど自分の下の口が開いているのを自覚して、更に覗き込んだヘルマンにガラス越しに内部がよく見えると告げられれば、より大きく脚を開いてせがんだ
「ほ・・しいっ、ヘルマン・・っ・・俺・・・犯し・・っ」
だが残酷な支配者は発情期の雌猫には付き合いきれないと、冷酷な目で乱れ続けるアレックを見下した
「そのうち誰か通りかかるだろう、そいつに犯して貰え
・・それまでは一人で・・・コレで遊んでいろ、そらっ」
「あっ・ああああっ!!」
片手でボトルを掴んだヘルマンは渾身の力でそれを突き入れ、遂にはワインボトルが一本分全てアレックの体内に納まってしまった
そして傍らに落としていたアレックのジーンズからベルトを引き抜くと、ヘルマンはその脚をひったりと閉じさせそれできつく縛り始める
「・・ひ・・っ・・・・あっ・・な・・なにっ・・?」
「何って・・こうしておけばボトルを排泄せずに長く楽しめるだろうという私の思いやりだ、494
・・いいんだろう?、コレは」
確かにしっかりと閉じられ固定された太腿の奥では、抜け落ちる心配の無い異物が揺るがない強さでグリグリとポイントを擦り上げ、体の内部から大きく肉を拡げられる感覚に全身がジンっと痺れた
廃材のベッドの上でアレックはその度に内部の異物と肉襞の摩擦で上がりそうになる嬌声を必死で噛み殺し、だが震えて感覚の鈍くなった手はきつく閉められたベルトを容易には外せずに、虚しく掻き毟るだけ
「っ・・・あっっ・・は・・ぁ・・・」
やがてアレックはヘルマンがその場から姿を消してたっぷり半時間も苦しめられ、漸く身を捩り四つん這いになることに成功してほっと安堵の息を付いた
しかし、休む間も無く体内の圧力に押されてボトルは出口を求めて動き出し、下の口を内部からメリメリと拡げ始める
「・・ぃ・・ゃ・・あっ・っ・・ぁああっ」
異物の排泄にさえ射精しそうな今の自分に絶望しながらアレックは少しずつ少しずつ獣のポーズでワインボトルを産み落とし、やがて太い部分を過ぎればそれは直腸の滑りを利用してツルリと吐き出され、錆だらけの廃材が散らばる地面に落ちてガシャンと音を立てて割れた
同時に少しの精液を吐き出したアレックのものは漸く萎え、震える手でどうにか太腿を戒めていたベルトを外してジーンズを拾い上げると、地面に転がりながらなんとかそれを履く
「・・・っ・・は・・はぁ・・」
そして、アレックはフラフラと壁伝いに歩き出す
だが、発情期の衝動はアレックから完全には去ってくれていなかった
「アレック、どうしたっ!?」
気付けばアレックは逞しい腕に抱えられ、声と葉巻の匂いでそれがモールだと分かる
「・・っ・・ん・・」
「探してたんだぜ、お前の相手が薬の元締めじゃねえかって・・・だが・・」
シティの中を探し回っていた相手だがまさかこんな所で倒れているとは思わなかったモールは、それどころじゃねぇなと呟いてアレックの体を抱き上げた
そしてその逞しい筋肉をシャツの布地越しに感じれば、アレックはまた股間が熱くなってゆくのを感じて絶望する
「・・どうしたんだ、苦しいのか・・?」
ギッっとしがみ付き吐息を耳元に吐き掛ければ、モールは慌てた様子で葉巻を分厚い皮膚にこすって消し、胸ポケットに仕舞う
「・・違・・モール・・・・
犯って・・いい・・・・・・・お前、俺を・・・欲しがってた・・だろ・・」
「っ・・アレック??」
「何処か・・連れて行け・・・・頼む、から・・」
「・・・・・」
じっとアレックの様子を見下ろしていたモールだが、そのうち決心したのか周囲を見回しその体をしっかりと抱き直す
そして、呟いた
「確かにずっと狙ってはいたが・・・どうぞと言われるとなんか気が抜けるぜ」
結果、アレックは酷く抱かれたがったがモールは最後まで優しかった
それは分かっていた
モールは優しい男だ
少し真っ直ぐ過ぎて駆け引きが苦手だが、本人が口で言う程乱暴でも冷酷でもない
アレックにはよく分かっていた
昔から
「・・アレック・・いい加減全部話せ」
そして全てが終わってアレックの嵐のような衝動も終息を迎えれば、モールは今度は事の真相を話すように要求してきた
なぜ薬の売買の疑いを掛けられているような男と付き合っているのか
そして最近のマックスやローガン達との擦れ違いも
「話せない・・・」
アレックも、もう何回目か分からない返答を返す
話せるわけが無い
この漸く見つけたジェネスティックの安住の地の和を乱そうとしている男に脅され、協力して彼等を裏切っているなど
ヘルマンの闇の勢力への協力者を増やし見方に引き入れる為に、この身をまるで娼婦のように使われている事も
「・・もう・・・どうでもいい・・」
グッタリとシーツに包まって、アレックは呟いた
傍らからモールが何がどうでもいいんだと叱って来たが、本当にそう思っていた
ローガンに恋をした
それ自体が罪深い
悪魔が天使を愛してしまったようなもの
決した報われない
救われない
「・・アレック・・・眠ったのか?」
「・・・・・」
心配そうなモールの声に心の中で詫びながらも、アレックはこんな夜はヘルマンが持つ薬が無性に欲しいと、考えていた
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