声を聞かせて(又は博士の異常な愛情)
「散歩だよ」
その言葉と、薔薇一輪を残してGオンは去った。残されたZロリは薔薇をくわえて悔しさにギリギリと歯噛みした。
「ムキーッ!!生意気なヤツめ〜助けてくれたことには感謝するが、なんだあの態度は!!」
みんなが部屋を後にし、ひとり残ってから異変に気がついた。
なんだか体がおかしい。思ったようにならないのだ。
しびれてる?…………いや…でも何だか自由がきかない……力が…入らない。
頭がぼぉっとしてきて、よろよろとソファベッドに倒れこんだ。胸が苦しいような気もする。
(…何だ?おれさま…………どうしたんだ?)
人の気配がするので目をやると、さっきの気に食わないヤツが戻ってきている。
鍵をかけるカチリという音をさせ、ネクタイを緩めながらこちらに近付いてくる。
抵抗する間もなく押さえつけられ、そのネクタイで後ろ手に縛られた。
ZロリはGオンが微笑んでいるのに気がついた。なぜか全身が総毛立った。
「息が荒くなっているな。そろそろ薬が効いてきた…か。抵抗できないとは思うが、念のためだ」
(く、薬…って………いつ……?)
「私が投げた薔薇に触ったろう?」
(薔薇………!!さ、触ったどころか…………思わずくわえてしまいました)
「私が自分の手で薔薇に触っていなかったのは、なぜだか…わかるね?」
Gオンはもう一度妖しく微笑むと、寝巻きの裾から中へ、手を滑らせてきた。
脚をなでられただけなのに、全身に快感が走り、体がびくびくっと跳ねる。
「くぅぁ…ッ!!」
「動けないが、感覚は敏感になっているはずだ。いい気持ちにさせてあげよう」
(な、ななな…………何言ってんだコイツは…………??)
「驚いた表情が実にいいよ。かわいい顔だな…。いいよ…もっと見つめておくれ」
GオンもZロリの顔をじっと見つめながら、まるで楽器を奏でるように、優雅に巧みに手を動かし続けた。
「んっ……ぁッ…はぁっ……あ………」
Zロリは頭が回らなくなってきた。意識を保とうと懸命に何か考えようとした。
(薔薇に……薔薇に薬が塗ってあったの…か……ママが…何でもやたらと口に入れちゃダメって…言ってたなあ……)
耳に息を吹きかけられ、舐めたり軽く噛んだりされるたびに背中がゾクゾクする。
「んぅ……っ……くぁ………ッ」
「ほぉ?ココも弱いんだな。こっちはどうだ?」
「はぁ………っ………ぅう……っ………」
「思った通りだ…声もすてきだよ」
気に食わないヤツにほめられたって不愉快だ。Zロリは声を出すまいと歯を食いしばった。
「抵抗の意思を示してる……ってところかな。ふ…無駄なことを」
薬の力で敏感になり、すでに大きく変化している局部を愛撫され、体が弓のようにしなる。
「んんっ!!……くぅぅ………!!」
繰り返し与えられる刺激に体が火照り、汗が全身からふきだしてくる。
「はぁ…はぁ……あッ…ああ………もっ…もう…………あ……!!」
「すてきだよ…………もっとだ。もっとキミの声を聞かせてくれ…」
「あ…あっ…………や…………いや…………………」
(出したくない。声なんか…………出すもんか…………)
荒い呼吸を繰り返し、とろけそうな目になっていくZロリを、Gオンの碧い、碧い目が見つめている。
吸い込まれてしまいそうな………しかしどこか陰のある、碧い目が………
それは皮肉にもZロリの大好きな、心安らぐ空の…そして海の色だった。
意識が遠のいていく。力が抜けてきて口元が緩み、唾液がこぼれそうになる。
Gオンは口の端の唾液を舐め取り、そのまま舌を深く差し入れてむさぼるような長い長いキスをした。
舌が意思に逆らってGオンの舌を求めるように絡み付いていくのを止めることができない。
ぎゅっと閉じた目から涙が溢れてくる。Gオンはその涙を吸い、その目に何度もキスを落とす。
体が熱い。このまま溶けてしまいそうだ。溶けてGオンと一つになってしまいそうだ…………
穴に激しく抜き差しされる指の刺激に酔い痴れて………体が荒れ狂う海のようにうねる。
駄目だ。…声が…声が押さえられない。
「ん…くぅっ…………!!ぅあぁぁ………あ…………は……うぅッ……あぁ……!!」
もう……限界が近付いている。目がかすむ。Gオンの妖しい笑顔がだんだんとぼやけていく。
「なぜ、こんなことをするのかって目つきだな。…………してみたかった。………それだけさ」
もう何も考えられない。ただ、ただあとは絶頂に向かって木の葉のように流されていくだけだった。
おそまつさまでした。…そして もうしわけございません。
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