タイトル未定
Gオンは目の前でみるみるうちに小さくなっていくタコ焼きを、ただ口をあけて見ていた。
気が付くと、目の前には大イビキをかく双子のイノシシと、満足そうに大きなおなかをなでているZロリがいた。
頭の中を整理しようとしていたが、やめた。
Zロリと何度か逢ううちに、それが無駄な作業であることがわかってきたからだ。
野原に突然巨大なタコ焼きが出現していたのも、なぜかそこから離れられず、寄り添うようにして夜をあかしたのも、
Zロリがいる、それだけで納得してしまうことにしよう。
Gオンは 脚を広げて座り込んでいるZロリに歩み寄った。タコ焼きの匂いがする。口の周りがかなり汚れている。
満腹のため、眠りに落ちようとしているZロリは頭がぐらぐら揺れている。
ふわふわの頬を両手でそっと包み込むようにして、その顔をじっと見つめた。
「なぜそんなに汚さないと食べられないんだ。…いつもそうだな キミは」
Zロリはそれには答えず、頬をはさまれたまま、とろんとした目つきで見返している。
口の周りについたソースに思わず惹きつけられ、そっと舌をのばす。
舌が触れた瞬間、体がピクっと動くのを抱きよせ、丁寧にソースを舐め取っていく。
Zロリはすっかりきれいになるまで 時折鼻から声を出しながら、されるがままになっていた。
体をなでると、おなかがポッコリしていて、赤ちゃんのようだ。
「いつもながら無防備だな。しょうがない…目を覚ますまでそばにいてやるよ」
「あれ、Gオン?…なんでいるんだ?」
まだ半分夢の中からZロリが言った。
「そうか…おれさま…帰って来たんだなぁ…本当に…帰ってきたんだ…」
「帰って来た?今までどこかに行ってたのか?」
地獄のことはあまり言いたくはなかった。
「ちょっと…天国に行ってきたんだ。……いい所だったぜ……天国の話を…しようか…」
GオンはZロリを抱き寄せて、そっとささやいた。
「いや いいよ。…天国なら、キミに逢うたびに行ってる」
おそまつさまでした
(2,006年3月9日)
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