温泉にて
Zロリ。どんなに捜し求めただろう。
まさか魔法の国に行ってしまっているとは思わなかった。
やっと会えたと思ったら、彼はまた自分のことは後回しにしている様子だった。
いきさつは まだよくわからないが、会えなかった間に知り合った(らしい)他の男を夢中で追いかけている
結局その男を取り逃した上、おやじギャグ対決の決着もつかなかった。
電話で呼び出されるまでの短い逢瀬。…誰にもじゃまされたくなかったのに。
「おまえそのまま帰るのか?泥だらけだぞ」
声をかけられて、改めて自分を見ると、確かにそうだ。
男を追いかけて走り回っていたから無理もない。…このまま城へ帰るわけにはいかないだろう。
「確かにな…」
そうつぶやきながらふと目をやったとたん、腰が砕けそうになった。
Zロリと双子はもう全裸になっていたのだ。
「わーい温泉温泉!」
「気ィ持ちいいぞぉ〜Gオン!」
湯煙のなかから呼ぶ声に誘われて、Gオンも思わずネクタイに手をかけた。
温泉に入る。
我が家に温泉があったGオンにとって、それは当たり前のことだった。
だが、露天の温泉に入るのはこれが初めての経験だった。
こんな無防備な状態は許されなかったのだ。
室内の温泉では味わうことのできなかった空気がここにはあった。
不思議だ。自分の城の温泉よりもくつろいだ気持ちになれる。
Zロリたちに会わなければ、この経験はできなかったかもしれない。
「背中の流しっこするだ!」
「おう!」
「せんせ、オラが前も洗ってあげるだ!」
「ああっ!前はオラが!オラが〜!」
「コラコラ ケンカすんな」
賑やかな声を聞くとはなしに聞きながら、
時間の経過とともに世界が金色に染まっていくのを見ていた。
「Gオンも流しっこしないか?」
急にそう言われてそちらを向いたが、Zロリの姿が見えない。
(Zロリ…?どこにいるんだ?!)
そう思った瞬間、
「背中のここんとこが洗いにくいんだ」
という声とともに突然背中に触れた指に、Gオンは思わず声を上げた。
「なんだビックリさせるなよ!Gオン」
そこには Gオン以上に驚いた顔のZロリがいた。
金色の彼は まるで光の中に溶けるように姿が見えにくくなっていたのだ。
湯を浴びてツヤツヤと輝く上気した体。…湯煙の中に立つZロリは 息をのむように美しかった。
Gオンは言われるままにフラフラと洗い場に行き、そこに座った。
「Gオンけっこういい体してるだな〜」
双子はそう言いながら、必要以上に体に触れてきたが、
今ここでZロリと並んでいることを思えば そんなことは気にならなかった。
ぼんやりしていると、タオルをぽん、と渡された。
キョトンとしていると、Nシシが背中を向けて言った。
「交代だよGオン。オラの背中流すだ」
「次オラのも!」
「じゃついでにおれさまも!」
「ああ。…流しっこだものな」
そういえば今まで 人に体を洗ってもらったことはあっても、こうして洗ってやることはなかったな。
そう思うとなぜか笑いがこみ上げてきた。…幸せという名の笑いが。
そして…どんな時間にも終りはやってくる。
楽しい時間が過ぎ去るのはとても早い。
あたりはすっかり暗くなっていた。
Gオンは月明かりに照らされたZロリを見つめていた。
長い時間温泉につかってよく温まっているZロリの体は、
ゆっくりと時間をかけて愛した時のようにやわらかく見えた。
すぐに手の届くような距離に、触れるととろけてしまいそうなその体があるのだが、
双子の目が光っているので触れることはできなかった。
こうしているだけでどんなにうれしいのか自分に言い聞かせていると、
Zロリがつうと近づいて来て、言った。
「食べてもいいぜ」
(本気かZロリ?!…双子が、…双子が見ているぞ!……なのに……なんて大胆な!!!)
声がふるえる。
「ここでか?…いっ、…いいのか?…いいのかZロリ!!」
手もふるえる。
「うまいぞ〜。温泉卵」
抱きしめようとした両手が、空を切った。
おそまつさまでした(2006年9月29日)
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