なぜか今までより所持金多そうなゼッコーチョー期ですが…こんな収入源だったらイヤだ。というお話。
おたのしみは これからだ。
いろいろなことがあったが、魔法の国ともこれでお別れだ。
いちばん名残惜しそうなのは、Dポンだった。
「わたしがこうして立ち直ることができたのはZロリさんのおかげです。
これからは学校で魔法薬の講義を受け持って、一生懸命働きます。…それでつぐないができるなら」
「大丈夫だ。みんな応援しているぞ」
魔法学校の校長たちもやってきた。
校長たちと挨拶をかわすZロリの後ろで、Dポンはそっと双子を手招きした。
「Zロリさんには直接聞けないことなんだけど…旅先ではお金に困っていたんじゃありませんか?」
うなずく双子に、Dポンは二つの包みを渡した。
「こっちはあなたたち用の栄養ドリンク。…こっちはZロリさん用。お金に困った時に使って下さい」
「これが…お金になるんだか?」
はっきり言って、お金には大変困っていた。
新しい町に着いたが所持金は底をついており、
景気が悪いためかバイトも見つからない。
例によって公園の水で腹を満たして、眠りにつくことになりそうだった…が、Nシシが包みを取り出した。
「せんせ…じつはオラたち、Dポンからこれをもらっただ」
「食い物か?どれどれ…」
それは片手で握れる太さの、少し長い茶色のビンに入った薬だった。いい香りがする。
「栄養ドリンクだそうだよ」
「気がきくなぁ。三人で分けようぜ」
それはせんせのために調合した特製だって言ってただよ。オラたちはこっちを飲むだ」
双子が別のびんを取り出しておいしそうに飲むのを見て、Zロリもそのビンをあおった。
「うん。なかなかンまいな!」
とてもおいしかったのか、Zロリはそのビンをしばらく握りしめて、ビンの口のところでチロチロれろれろと舌を動かしていた。
双子は思ってもみなかったそのすばらしい光景に、我を忘れて見とれていた。
もう寝ようか、という時になって…Zロリに変化があらわれた。
特に運動をしたわけではないのに、明らかに呼吸が荒々しいのだ。
「せんせ、どうしただ?」
「はぁ、はぁ、…おっ…おれさまに…も…わ…わからん…」
全身がうっすらと汗ばみ、身の置き場がないのか その細い体を悩ましくくねせらて喘いでいるのだが、
同時になぜか強烈な睡魔にも襲われているようだった。
「は…ぁっ…はぁ…は、ああ…おれ…さ…ま…もう…ねむ…」
「せんせ?」
そっと体に触れるといつもより敏感に反応し、全身をびくん!とさせる。
潤んだ目で少しこちらを見るのだが、睡魔には勝てない様子ですぐに目の焦点が合わなくなる。
刺激に対しては敏感に反応するのだが、自発的に動くことはもうできないようだ。
「これでお金になるって、…どういうことだぁ!」
「せんせ、大丈夫だか?せんせ…」
いつの間にか、周囲に人の気配がする。ぎらぎらと目を光らせた、飢えた者たちの気配が。
「大変だ!このままじゃ危ないだ」
「あ、Dポンのくれた袋に…まだ何か入っているだよ!」
それは呼び込み用の派手なプラカードだった。こう書いてあった。
1時間1000円ポッキリ
おそまつさまでした(2006年10月17日)
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