もしも…Tンクの小屋ではなくD−ベルの屋敷に行っていたら
冷たい海風が吹き荒れる、小さな小さな漁村。
Zロリたちは体を丸めて寒さに耐えながら走っていた。
風が強くて目をあけているのもやっとだが、はるか向こうに何か見えて来た。
「おぉおぉ大きな屋敷だよぉ。せんせぇぇ」
「そそそうだな。あぁあそこに逃げ込むぞぉぉ!!あ〜寒ゥッッ!!」
小さな漁村には不似合いな立派な屋敷だった。
こっそりと屋敷内を移動しながら、思わずニヒヒッ、と笑わずにはいられない。
「こういう成金趣味の屋敷に入ると血が騒ぐぜ。ついでになんかいたずらしちゃおっかな」
「ワクワクするだ〜」
「ワクワク、ワクワク〜」
「ばっかもぉぉん!!」
いきなりすごい怒鳴り声が聞こえて、三人とも飛び上がった。
「わぁ!ごめんなさぁい!!」
「せんせ、オラたちを怒鳴ってるんじゃないだよ」
「あそこ見て」
広間に漁師たちを整列させ、一人の男が椅子にふんぞりかえっている。
「さっさとあのイカを退治して、またガッポガッポ魚をとって来んかい!」
「うわっ、なんだか偉そうなヤツだな」
「オラあんなヤツ好きじゃないだぁ!」
「オラも!」
コソコソ言ってると、急に後ろからぐいと首をつかまれた。すごい力でそのままズルズルと広間に引きずられ、
あっという間に黒いスーツを着たサングラスの男たちに囲まれて、退路を絶たれてしまった。
「Dーベル様、あやしい奴らが忍び込んでいました」
「いや〜…あやしいってほどでも。あんまり外が寒いもんで避難を……」
「こいつ、あやしくないなら玄関から来い!」
「もっとも、そんなに汚いやつら、入れないけどな」
…………言われ放題だ。
Dーベルはじろじろと三人を見た。正確にいうと、双子のイノシシをじろ、Zロリをじろじろじろじろ…と見た。
あまり見られるので、Zロリは思わず頬を染めた。
「そんなにじろじろ見るな!おれさまになんか付いてんのか?」
D−ベルが右手をさっと上げると、天井からパネルがスルスルと降りてきた。
それにはZロリの指名手配書が貼ってあった。薔薇をくわえてポーズをきめた手配書だ。
「旅人に化けているが、かいけつZロリだな。手配書が来ているぞ」
「化けてるんじゃなくてどっちもおれさまだ!…それにしても手配書、久しぶりに見るなぁ。
うんうん、やっぱりおれさまって決まってるよなぁぁ」
「でもこの、“なんかにひき”ってのは、なんとかならないだかなぁ」
「のんきに見ている場合かッッ!!警察に引き渡されたくなかったら、わしの言うことを聞け!」
「いやだね」
Zロリの即答に、D−ベルは耳を疑った。てっきり言うことを聞くと思っていたのだ。
「いやだと……?」
「ああ。いやだ。警察なんてこわくもなんともないぜ」
「いやだと…言うのか……」
D−ベルは繰り返した。
「しつっこいな!おれさまは命令されるのが大ッ嫌いなんだ!」
D−ベルは急に笑い出した。
「グヮハハハハハ…………!!いやか!そうか、いやか!!」
D−ベルが手を上げると、今度は天井からフックが降りてきて、IシシとNシシを吊り上げた。
同時に床が割れて、足元がプールになった。
「ここは海につながっている。………サメがちょうど腹をすかせているころだ」
「そういえばオラたちもハラへってるだ」
「死ぬ前になんかハラいっぱい食いたいだぁ〜!!」
死がせまっているわりに、のんきな双子に少し調子が狂うが無視して、D−ベルはZロリに言った。
「二人をサメのエサにされたくなかったら、おとなしくするんだな」
「へへんだ!こんなもので驚くか!成金の屋敷では定番の仕掛けじゃないか!(とは言ったものの、どうすりゃいいんだ)」
しばしの沈黙の後、D−ベルの口からもれた言葉は、意外なものだった。
「もっと……もっとわしに逆らえ」
「はぁっ?!…なんだって??」
「もっと、いやだと言えと言っているのだ」
「なっ、何言ってんだ?」
「わしに逆らう奴は本当に久しぶりだ!わしの周りには、今や顔色をうかがうイエスマンしかいない。
“いやだ”…………なんて新鮮な言葉だ。気にいったぞ!もっと言うのだ!!」
Zロリはあきれかえった。
「あのな。言えと言われて言うもんじゃないだろ!第一、言えって命令もききたくない!」
「ならば、言わせるまでだ」
また手を上げた。今度はスーツの男たちがZロリの周りに集まって来た。
「なっ、なんだ?」
そう思う間もなく、服をすばやく引きはがされ、下帯一つにされてしまった。(安田大サーカスのオチ参照)
「わぁぁぁぁっっ!!やだやだぁぁ!!」
「うむっ、その“やだ”も、いいぞ!!」
続いて軽々と抱えあげられ、脚を大きく広げられた。男たちは口々に言った。
「さあ、D−ベル様、どうぞ」
「なっ、何すんだ!やめろっ!放せぇぇ!」
D−ベルは立ち上がり、歩み寄って来た。その位置から来られてはすごく恥ずかしい格好に見えるはずだ。
自分がD−ベルの目にどんなふうに映っているのか想像すると、消えてしまいたくなるが、残念なことにそれは不可能だ。
Zロリは目を伏せるしかなかった。
「やだ……っ……」
「いいぞ。………もっと言うのだ」
D−ベルの手が体に触れたとたんにZロリの体は敏感に反応して びくっと動いたが、
Zロリを押さえている数人の男たちは全く動じなかった。
「この者たちはわしの手足だ…気にせんでいい」
Zロリの体を味わいながら、D−ベルはむふふふ……と笑った。笑うと鼻息が胸を刺激し、Zロリはまた声をあげてしまった
「あっ、あっ……やだっ………や…ぁ………!!」
「もっとだ!」
“いやだ”なんという刺激的な言葉。その言葉がZロリの甘美な声によって発せられることで一層心地よく耳をくすぐる。
「いやだと言う相手を力ずくで屈服させる。これ以上の喜びはないのだ!」
D−ベルはZロリの下帯をむしり取った。中のそれはZロリの意に反してもうツヤツヤと紅く輝き、露を滴らせていた。
D−ベルの手が無造作に触れた。それは愛撫と言うには程遠い、身勝手な接触だった。
思いやりのかけらもなく弄ばれているというのに、想う相手に触れられた時と変わらない生理的な反応が体に現れる。
Zロリはそれがとても悲しかった。せめて声は出すまいと、唇をかんだ。
紅潮した頬を涙が伝う。息が苦しくなり、歯を食いしばっても声を押さえることができなくなってきた。
「苦しそうだな。んん?…そろそろ楽になりたいか?」
D−ベルはZロリを押さえている男たちに、命じた。
「この先はわし一人のものだ。おまえたちは目を閉じていろ」
低い声と共に、より激しい手の動きが加わり、Zロリは声をあげて白いものを噴出した。
Zロリの耳元で、息をのむ音が聞こえた。D−ベルに“手足”と言われる男たちにも、感情がある証だ。
急に後ろでびちゃびちゃ水音がしたのでD−ベルがふりかえると、吊るされた双子がよだれと鼻血をたらしていた。
あの血に誘われてサメが来ないうちに事をすませようと、D−ベルは思った。
もう一度手を上げて合図すると、男たちはZロリの体を再び軽くかかえ、今度は四つんばいにさせた。
「D−ベル様、どうぞ!」
後ろが丸見えの、最低のポーズだ。
「やっ…………いや……だ………」
駄目だ。D−ベルを悦ばせてしまうとわかっていても、いやだと言ってしまう。……まさか「いい」と言うわけにはいかない。
何本もの手で腰を固定され、D−ベルが後ろから硬いものを当てた。その時だった。
突然大きな水音がして、プールから巨大なものが出現した。
それはサメではなくイカだった。
イカはあっという間にZロリを巻き取ると再び水の中に消えていってしまった。
後に残された者たちは、しばらく呆然としていたが、………やがてD−ベルが言った。
「なぜ…なぜあいつを連れて行ったんだ…?」
手足の一人が少し考えて、答えた。
「イカくさかったんじゃないですか?」
おそまつさまでした。(2005年5月25日)