タイトル未定
太陽がぎらぎらと照りつけている。
しかも足元はコンクリート。照り返しがかなり厳しかった。
Zロリたちは高層ビルの上に追い詰められていた。
「せんせ〜…もうダメだ〜…」
「あ〜…お花畑だ〜」
あまりの暑さに服を脱いでしまっている双子は、照りつける太陽にコンガリと焼けていた。
お互いの香ばしさに時折かみつき、かみつかれて我に返る、そんな状態だった。
Zロリはなんとか脱出しようと、油断なく周囲をにらんでいたのだが、限界も近かった。
それは3日前のことだった。
このビルの中でお宝を手に入れたのはいいが、
屋上から逃走しようとした時には ビルの周囲はすべて警察に固められていたのだ。
Zロリは時間が勝負のカギだと思っていた。警察たちにも、疲れは同じようにやってくるはずだ。
ところが数時間後に、大きな音を立ててヘリコプターがやってきた。
武装した警官隊がわらわらと降り立ち、これまで待機していた警官たちと交代しはじめた。
「あ。ズルイ」
Zロリは思わずつぶやいたが、そーゆーことを言ってもしかたがないのもわかっていた。
ヘリコプターでZロリたちのいるビルに降りればすぐに逮捕できるのに、なぜかそうしようとはしない。
Zロリたちが逃げる力をなくすまで、このまま弱っていく様子を見ているつもりだ。
はっきり言ってこれは放置プレイである。
これでは、どこか疲れてスキのできたビルに飛び移って逃げる大さくせんはできそうもない。
数時間での交代と、水分や食事の補給ができる警察と、ないないづくしのZロリたちの差は歴然だ。
弱ったところを見せれば、すぐに突入して来るだろう。
炎天下のビルの屋上で飲まず食わずという状態は、とんでもなく体力を消耗する。
双子は裸になってしまっていたが、Zロリはいくら汗ではりついても かいけつ服を脱がなかった。
このかいけつZロリ様が警察の目の前で、そんなカッチョ悪いことなどできないのだ!!
…とは言うものの、もうZロリたちは完全に熱射病だった。
頭がクラクラする…油断なく警察をにらむ目つきをしているが、実は目がかすんで何も見えない。
「かいけつZロリ!そろそろ限界のようだな…!迎えに来てやるからもう動くな」
ここまでか…!
と、思ったその時だった。
Zロリたちがいたビルの上空に亀裂が走ったのは…
警察たちのどよめきを聞きながら、Zロリは気が遠くなっていった。
「Zロリ…Zロリ!」
呼びかけられて必死に開けようとしている目に、青が飛び込んできた。
それは心配そうに覗き込む瞳の色。…いや、それよりも…本の表紙?
「あ。Gオン…ここ…は…? あの…いつでもどこでも都合のいい時に出てこれるマシ〜ン、ゴツ号か…」
「勝手に名前をつけるなぁ!!…それよりZロリ!体が熱いぞ。待ってろ!」
ぽぉっとした頭に響く、心地よい声が次の瞬間叫ぶような声になった。
「Zロリッ!!ビルで干からびるんじゃなぁ〜いッッ!!」
「ああっ…さっ、寒ぅぅ〜!!」
こうして、ブックラコイータオドロイチャッタのパワーで、一気に冷やされて、Zロリたちは命拾いしたのであった。
おそまつさまでした。(2006年6月15日)
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