狼さんと娘さん(狼と娘は字が似ているところがミソ。私の萌えだけでスンマセン!)
Gオンは城下町を一人で散策していた。
本当はもっと遠くへ行こうと思って城を出たのだが、まるで何かに引き寄せられるかのように足が町の方へ向いていた。
せっかく町まで来たのだから、何か製作のヒントになるようなものでも探してみようか…………
などとぼんやりと考えていると、後ろから袖を引っ張る者がいる。
振り返ると、もう大人なのか?と思えるがまだ少女の面影を残した町娘が、ニッコリと微笑んでいた。
この娘とどこかで会った気がするのだが、思い出せない。
一度見た顔はほとんど忘れることはないのだが。
(町娘に身をやつしているが、どこかの姫君かもしれない)
どうしたものかとGオンが思っていると、娘はすいと顔を寄せてきた。ふわりとした頬の毛が当たる。
思わぬ大胆さに、Gオンが少し戸惑ったその瞬間、耳元であのいたずらっぽい声がした。
「おれさまだ」
それは頭上から金ダライが落ちてきたような衝撃だった。
Gオンがくらくらした気分でいるのに全く関係なく、Zロリは勝手に続ける。
「いい所で会ったぜ!……ちっ、もう来やがったか」
少し落ち着きなくあたりを見回し、巡査の姿を確認すると、Gオンに腕をからめてきた。
「Gオン、あいつらをやり過ごすから、おれさまと恋人のふりしろ!恋人のふり」
「こ、こ、ここっこっ…………!!!!!」
「いやニワトリじゃなくて!」
『恋人(のふり)』……『恋人(のふり)』……『恋人(のふり)』……『恋人(のふり)』……『恋人(のふり)』…………
Gオンの脳内で同じことばがグルグルグルグルと回っている。
「ああ、あの映画とても悲しかったけれど、ラストシーンは美しかったわね」
信じられないようなかわいい声でZロリが言うのにGオンは必死で答えようとする。
「…そっ、そーですね」
「棒ッ読みじゃないか!もっと恋人らしくしろよ!」
『恋人(らしく)』……『恋人(らしく)』……『恋人(らしく)』……『恋人(らしく)』……『恋人(らしく)』…………
Gオンは全身が心臓になったかのような気がしていた。
明らかに不自然な二人はすぐに巡査の目に止まってしまった。
「ちょっと、そこの二人!」
足早に寄って来る巡査を待たず、Gオンの目前でZロリはすばやくかいけつスーツ姿に変身した。
娘の姿をしていた時よりも、さらに刺激的なその姿はGオンをアレも含めてあっと言う間に全身ガチガチにした。
「かいけつZロリ、逮捕する!そこ動くな!!」
Iヌタクを含む数名の巡査が駆け寄って来る。
Zロリは唇をぷいっと尖らせ、Gオンを上目使いに見て、
「ヘタクソ」
とだけ言い残すと、マントをひるがえして風のように駆け去った。
Gオンはその場にガックリとひざをついた。
「まて〜Zロリ〜」
「ホホホ…つかまえてごらんなさ〜い」
いつの間にか現れたIシシとNシシのアフレコが、Gオンの脱力感に追い討ちをかけるのだった。
おそまつさまでした。(2005年5月26日)
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