タイトル未定
まったく唐突に 周りの景色が一変していた。
赤黒く、鉄の匂いを含んだ 生々しい臭気があたり一面に漂っている
なぜ急にこんな所へ来てしまったのか考えているうちに、
先ほどまで目の前にそびえていたタコ焼きが、なぜか跡形もなくなっているのに気がついた。
あの巨大なタコ焼きを動かそうとしてテコを使った時、
あろうことか計算が狂って 傾いたタコ焼きに押しつぶされてしまったことを Gオンは思い出した
(では、私は死んだのか?)
信じたくはないことだが、巨大な門の前に立つ鬼を見てしまっては
それを認めざるを得なかった。
どうしてあのタコ焼きに、あんなに心惹かれてしまったのだろう?
今となっては、なんとか元の世界へ戻れる方法を知るより他はなかった。
閻魔大王は、Gオンを前にして閻魔帳をめくりながら首をかしげた。
「おまえは地獄へ来るようにはなっていない。手違いでこちらへ来てしまったようだな」
「いや。手違いではありません」
そう答えたGオンの視線の先には、地獄めぐりをする亡者を映し出す巨大スクリーンがあった。
今そこに映し出されてたのは いくつもの地獄を切り抜けていくZロリの姿だった。
閻魔の話も聞かないで、Gオンはそこへ向かって走り出していた。
最後の地獄に向かって気を引き締めていた時、いきなり目の前にGオンが出現したので、
Zロリは軽くパニックを起こした。
「Gオン…?!な、なんでおまえがこんなところに…?!」
いくつもの地獄を乗り越えてきたZロリは満身創痍だった。
こんな所で逢えた奇跡に、Gオンは胸がつまる思いだった。
(どこへだって行くさ。キミがいる世界が、私が生きる世界だ)
「本当にGオンなのかぁ?」
双子の目の前なのも一切かまわず、GオンはZロリを抱きしめた。
「キミの その疑り深い目が好きだ」
殺虫剤のCMみたいなセリフでも、Gオンに耳元で言われると、心がとろけてしまうのだった。
「閻魔帳にせんせの名前が書いてあったっていうだよ」
「それに名前が書かれた者は、死んでしまうっていうだよ」
まだ意識がハッキリしないZロリに変わって状況を説明する双子の声を聞きながら、
Gオンの心には閻魔に対する怒りと、そして決心がフツフツと湧き上がってくるのだった
「Zロリ、来い!」
GオンはZロリの手を引いて、残る地獄とは逆の方向に走り出した。
双子には状況が飲み込めないのだが、後ろから追いかける他にはなかった。
「閻魔大王!」
「だっ、誰じゃい!ワシを呼び捨てにするのは!」
睨みつけようとした閻魔大王が、逆にすくんでしまうほど、Gオンの怒りは凄まじかった。
その目にも、背中にも、紅蓮の炎が燃えさかっている。
誰の目にも明らかに、Gオンは怒り狂っていた。
鬼や亡者たちを前に、威厳を保とうと必死になっている閻魔に詰め寄るGオンは、
なぜだかとても大きく見えた。
「よくもZロリを私から引き離そうとしてくれたな」
押し殺した静かな声を出すことが、かえって怒りの大きさを際立たせている。
その手から閻魔帳を引ったくって、ビリビリに破く。
「ああッッ!!…なっ、何をするんじゃァァ!!」
「名前が書いてあったら死ぬだと?!…こんなDスノートのパクリみたいなもので、
俺からZロリを奪おうとしたお前は許せん!」
「いや、これは…パクリじゃなくて昔から…」
「問答無用!!」
こうして閻魔大王をボロボロにしたGオンは地獄に伝説を残し、Zロリたちを連れてめでたく生還した。
問題はただひとつ、
現世に戻るときのタコ焼きの分け前をめぐって、
タコ焼きの中で少し小競り合いが起こってしまったことくらいだ。
おそまつさまでした。(2007年9月2日)
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