IヌタクとZロリなんですが、アニメ化前に原作だけ読んだ時点で書いたものです
もしも花嫁せんせを奪還できなかったら…………




けっこんした?!

蟻の這い出る隙間もないほどの数の警察官に囲まれて、Zロリは重い足取りで歩いていた。
(まさかこんなことになるとは…くぅぅっ…なんとか逃げなければ!!)
渋い顔のZロリと対照的に、周囲の警官たちはこぼれんばかりの笑顔で口々に言う。

「おめでとう!!」
「おめでとう!!やったなー」
「かわいい嫁さんだなー!!うらやましいぜー!!コノヤロー!!!」

警官に追われて、その場をのがれようと女装しただけなのに、一目惚れされてしまった。
そしてあれよあれよと話は進み、ウェディングドレスで今ヴァージンロードを歩いているのだ。
(その場しのぎの変装のはずが、完璧すぎた!!自分の才能がうらめしいぜ…)

「きれいだよ。Zロエさん」
好青年Iヌタクの笑顔が迎えてくれたがうれしくない。答えようがないので目を伏せた。
「照れなくていいんだよ。ぼくたち今日から夫婦なんだ」
(Iシシ、Nシシ 何やってんだ〜〜…なんとかしてくれよ…)


「それでは指輪の交換を…」
(わ〜〜〜〜〜ッ!!!)
今のZロリには手錠より恐ろしい結婚指輪だ。でも周囲に何百と光っている警察官の目の前ではどうすることもできない。
(と、とりあえずこの場をしのいで逃げるチャンスを待つしかない)
「誓いのキスを…」

(うぉぉぉぉぉぉっ!!それは…それだけは……!!)

ヴェールが外され、Iヌタクの顔が迫ってくる。

「はっはっはっは!!!かいけつZロリ参上!!」





…………と思いっきり叫べたらどんなにスッキリするだろう。
しかし、ここでもし、正体を現したら大捕り物の末逮捕されてしまうのは間違いない。
考えている間にも近付く二人の唇が…………今、そっと重なった。
(んぅっ……姫に……いつの日か出会うカワイイカワイイ姫に捧げるはずだったおれさまの…ファーストキスが……)
Zロリは横すわりで泣き崩れるほど大ショックだったが必死で立っていた。足が震えるのがわかる。

「泣いているの?幸せなんだね。僕もだよ」
いつの間にか涙目になっているらしい。

IシシとNシシはアクシデントに見舞われたか、姿を見せることはなかった。


式は滞りなく終わり、披露宴も大盛況だった。


(移動中に逃げるチャンスが…………)
という願いも空しく、ハネムーンカーはよりによってパトカー先導で警察の独身寮に到着した。
「僕は明日ここを出て、君と所帯を持つんだ。今日は独身寮最後の夜だよ。思い出を作ろうね」

Iヌタクの部屋は独身警察官で大賑わいだった。逃げるチャンスも見つからないまま夜は更けていく…
(こんなにいるのか…逃げるのは至難のワザだぜ…)
何度も何度も脳内でシミュレーションする脱走劇は鉄格子で終わってしまう。
いくら前向きでも超えられない壁を痛感してためいきがでてしまうZロリだった。
「おっ、花嫁マリッジブルーだぞ!!」
「もっとやさしくしないからだ!!…って、俺たちジャマですかあ!!」
「邪魔者は退散するから、あとは二人で。…エヘヘヘヘ…」

仲間たちはドヤドヤと部屋を後にした。

「やっと二人きりだね…」
「はっハヒ!!」
声が裏返ってしまう。ここには二人きりでも一歩部屋を出ると警察官がわんさかいるのだ。
「照れていないでこっちにおいで」
Iヌタクは色男とは思えない力でZロリをぐいと引き寄せた。急に引き寄せられてバランスをくずし、
ZロリはIヌタクの胸に顔をうずめるように倒れてしまった。
Iヌタクの手が胸をまさぐっている…………
(ないだろ!!胸。ないだろう!!ヘンだって気付けよ!!)
ところがそんなことを全く気にするふうでもなく、IヌタクはそっとZロリの体を寝かせ、
胸から腹部をやさしく撫で回してくる。
「あ…ッ…」
「君の体はスレンダーでとても魅力的だ。天使みたいだよ」
(む、胸が無くてもOKなのか…こいつ…)
胸のことを気にしているのを読まれたか、Iヌタクは
「気にしないで。胸は大きい小さいじゃないんだよ」
そう言うと、小さな突起にやさしく、また激しく舌を這わせた。体がびくびくっ、と震える。
「んぅ…っっ…く…ぁあ…っ」
「ほら、こんなに感じるんだもの。大きさなんて…気にすることはないんだよ」
Zロリは経験したことのない快感におぼれそうになりながら、必死に意識を保とうとしていた。
考えれば、いや考えなくても新婚初夜だ。…ってことはこの先……
(うぉぉぉ!!いかんいかんぞ…!!このままでは…逃げるどころか………はっ…あっ…そ…ッ…そこ気持ちいい………)
あせる気持ちとは裏腹に甘い声が出てしまう。もうすっかり翻弄されていた。

しかし…決して『あれ』に触れられてはならない。触れられれば即刻男ということがバレてしまう。
あとは大捕り物と鉄格子が待っている。緊張と悦楽が入り混じったわけのわからない状態に、頭がヘンになりそうだ。
この状態から逃れるには一刻も早く「おれさまは男だぁぁっっ!!」と宣言してしまいたい。
あ、でもそうすると捕まるのか。ああっ!!どうすりゃいいんだ!!!!
でもとりあえず今は気持ちいい…って、そんな場合かぁぁっっ!!

その瞬間をを少しでも先に伸ばそうと体をよじってみたりしたのだが、Iヌタクの手はついに秘密の場所をとらえた。
「…………?!」
Iヌタクの手が一瞬止まり、しばらくじっとしていたが、やがて2回、3回と確かめるようにそこを揉んだ。

「はうぁっ…んっ…」
思わず声を出したが、だぁぁ〜〜〜〜いピンチだ!!汗がどどっと出てくる。
「Z、Zロエさん…き、君は……」

「はっはっはっ!!今頃気がついたか!!」と、言おうとしたがそれより早くIヌタクは言った。

「君は…そうか。今までいろいろつらいこともあったろうね。でも安心して。これからは僕が守ってあげるから」
(いや、おれさまZロエじゃなくて…そこまで行ったんならZロエから離れろよ!!)
「このことは僕だけの胸にしまっておくから。大丈夫。欠点のないヤツなんかいないよ。それに…」
Zロリのその敏感な部分に巧みに触れながらそっとささやくのだった。
「僕も同じものを持っているんだし、きっと君を喜ばせてあげられる」
(いや、おれさまはZロリだって!Zロエから離れろよって…!!若いのに脳みそ固い…ああっ…………)

イヌタクが両刀使いだったのが計算外だった。甘い新婚初夜は始まったばかりだ。




おそまつさまでした。

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