どっきりカプセル風呂
「おお、Zロリ。久しぶりじゃな〜」
聞き覚えのある声だがイヤな予感がするので無視したい。
耳をペタリと伏せてそのまま行こうとしたが…
「コラ、無視するヤツがあるか!」
両手いっぱい荷物を持ったKンロン博士が、立ちはだかった。
「ちょうどいい所で会った。この荷物ウチまで運んでくれんか」
「え〜?なんでおれさまがぁ?!」
「そう言うな。ついでにメシを食わせてやるぞ」
メシという言葉に反応しパブロフの犬みたいにヨダレが出てくる。キツネなんだけど。
(そういえばおれさまたち、昨日から何も食べてないなあ…)
両脇のIシシとNシシもヨダレを垂らしている。揺れる心に、とどめの一言が来た。
「デザートに、ンまぁ〜〜い あ ん ぱ ん もあるぞ」
「あ、そうなの?!」
あんぱんは大好きだ。Zロリは目を輝かせて、いそいそと博士の荷物を運んだ。
「んんンっ!!ンまい!!ンまぁ〜〜い!!このオカズ、じーさんが作ったのか?」
「ん〜。ナカナカじゃろう〜」
「結婚しようか!!じーさん」
「ははは。そんなにうまいか。カワイイの〜〜。ホレホレ、これも食べろ」
空腹は最上のソース。出るものなんでもうまい。三人が我を忘れて食事に没頭する様子を
Kンロン博士は糸のような目でじっと見守っていた。
ふと、我に返ると裸で液体の中に寝ていた。首だけは出ているので呼吸に問題は無い。
「ん〜…?!おれさま…いつの間に風呂に?……途中で寝ちゃったのか…?」
しかし、ぼんやりした頭でもわかることはここが知らない風呂だということだ。
湯は熱すぎずとても気持ちがいい。気になるのは周りが真っ暗だということだが…
照明のスイッチがないか探そうとして手を動かすと何かに引っ張られている感触がする。
突然周りが明るくなった…だけではない。天井のスクリーンにKンロン博士が映った。
明るくなって始めてわかったが、ここはカプセルの中のようだ。
「起きたようだの。ミニZロリも元気かな?」
状況は理解できたが同時に腹が立った。そういえば、食事の途中から記憶がない。睡眠薬を盛られたらしい。
楽しみにしていた「あんぱん」を食べてないのがなによりの証拠だ。
「なっにおれさまのパーツにあいさつしてンだジジイィ!!おれさまのあんぱ……
いやいや、そんなことよりIシシとNシシをどこにやったぁ?!」
「双子の心配ならいらんぞ。そう怒るな。今度発明したカプセル風呂の商品化のためにデータが必要なんじゃ。
おまえ風呂好きだったじゃろう?協力してもらうぞ。どうじゃ?…気持ちいいじゃろ〜?ん??」
「へ?…あぁ…いいって言えば……いい…かな。なんか体にいろいろ付いてる感触がするけど…」
「データを取ると言っとるじゃろう。心拍数とか血圧とか。すぐ気にならなくなるからな」
博士の言葉が終わるか終わらないうちに少しねっとりした湯がうねるような動きを始めた。
全身に優しくマッサージを受けている状態で気持ちいい。でもさっきからずっと
天井のスクリーンに映ったKンロン博士の視線を感じる。
「……あまり見られてると…おれさま恥ずかしい……」
「気にせんでもいい。データを取ってるだけじゃ。おもいきり気持ちよがっていいぞ。声も遠慮なく出せ」
「声?あの、オヤジが出す、うィ〜〜〜〜とか、極楽極楽〜〜とかゆうヤツか?」
「そんなもん誰が聞きたいか。…こういうマッサージもできるぞ」
博士の声と同時に今までと違う、より敏感な部分に刺激が加わってきた。
「う…………うぁ…そっ、そんなトコ……に…」
体を少しくねらせて刺激を散らそうとするが思うように動けない。
「ふ〜ん。すぐ心拍数が上がっとるのう」
博士の声は冷静だ。
「見……見てる……のか…?」
「しっかり見とるぞ」
「あぁ…っ…いや…だ……こんな…とこ…恥ずかしぃ……」
「気にせんでもいいと言うとるだろう。…ところでなぁ、Zロリ」
「はっ…はぁっ、…んっ………んぁ…?」
「この前なあ。ワシが楽しみにとっといたヨーカン食べたのお前か?」
「じっ…じーさん…こんな時急に何言って…あ…ぁっ………見…見ないで……」
「お前か、と聞いとるんだが」
突然強い快感が電撃のように体を貫いた。弾みで腰の部分がびくんと跳ね上がり、また湯に落ちた。
「あぁっ!!………う…うぉぉ…お…おれさまですぅ………」
「ふむふむ。やっぱりのう」
(いっ…いきなり何すンだ…あまり急だったから風呂の中に発射しちまったよぅ………)
あまりの恥ずかしさに頬が染まり涙がにじむ。今のでイッてしまったと言うべきなのか?
「気にせんでもいい。自動浄化システムで、気持ち良過ぎて脱○ンしても大丈夫じゃ。」
……すべてお見通し。Kンロン博士恐るべし。いや、いくら何でも脱○ンはしない。断じてしない。…しないんじゃないかな?
「ところでZロリ。倉庫の窓ガラスが割れてたんじゃが、あれはお前か?」
「へっ?…えーと、あのう…ちょっと待て!!…これ、まさか……おしおきマシーんぉわあぁぁぁっ!!!
……はぁ…………はぁぁッ……お、おれさまですぅぅ……」
「何を言うとるか。風呂じゃ。風呂。疲れが取れるぞ〜。それにしてもまた何か持っていったな?こりんヤツじゃ。
………そういえば、タイマーが一つ狂っていたのう。あれはお前がいじったのか?」
質問のたびに刺激はどんどんエスカレートしていく。
「出せ!!出してくれェェ!!…あぅっ!!…………あぁあぁあぁ…おぉぉ……おれ……さ…ま…ですぅぅぅくぅぅぅ……」
ここがベッドならシーツでも握り締めるところだが震える手は空しく湯をかくばかりだ。
「えーと、それからの〜」
「…うぁ…っ……ハァッ……ハァ…こ…ッ……殺す気かコラァァ!!……何度目だと…………思ってんだ……!!」
「…はて?何度目じゃったかのう。…おお、そうそう。あの設計図に落書きしたのお前か?」
「…はぁぅッ!!…………く…ぁ…ッ…ァァッ…………ァ……………………!!」
「Zロリ。…Zロリ!!こら!!ヒクヒクしとらんで答えんか!…………ふむ。もう無理かのう…………」
などと言いつつ、Zロリが完全に意識を失うまで博士はデータをとり続けたのであった。
数日後、Zロリは博士からショッキングな宣告を受けることになった。
「あのデータじゃがな…商品の参考にはならんかった。………Zロリ。お前は敏感過ぎじゃ」
データとしては使えなかったが、音と映像は博士のライブラリーに保管され、いつでも視聴可能である。
「この前の泣き顔も良かったが、コレもナカナカじゃのう〜。フォッフォッフォッ……」
まさか自分自身も博士の手によっておいしいオカズになっているとは知る由もないZロリなのでした〜。
(今日のわんこ風に終わり)
おそまつさまでした。(初出:2004年7月30日)
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