守ってあげたい2

春はいい。
暖かいし、すべてのものが活気に満ちている。
冬の厳しさを知っているからこそ、わかる良さだ。

何よりも野宿が平気になるのはうれしい。


Zロリ城を。そしていたずら王をめざして 旅をする。遠くへ。もっと遠くへ。…あ。あ〜…お、お嫁さんもな( 照。)



…てなワケで、今日も陽気に歌いながら進むZロリだが、後ろに従っている双子の顔はなぜか複雑だった。

やがてたどり着いた町で、一行は久しぶりにまともな食事ができる店に入った。
次々に皿を空にする三人は注目の的だ。あまりにおいしそうな様子がまた他の客を招き入れる。

「んん〜!!ウマイ!ウマイだ〜!!」
「椅子にすわって食事したの久しぶりだ〜!」
「う〜ん満足したぁ!…よぉし、行くぞ!!」

さっと立ち上がり、店を出ようとするZロリに、Nシシが思い切ったように言った。

「も、もう行くんだか?おら、もうこの町で泊まりたいだ…」
「何言ってんだ?まだ明るいだろう?行こうぜ」

そう促しても、Nシシは下をむいたままだし、Iシシも立ち上がろうとはしない。
「……次の町まで…あとどのくらいあるだ?」
「そんなこたぁ…わからん!さっ、行くぞ行くぞ!!」

Zロリはそう言うと、勢いよく店を出ようとしている。

「おら、この町で泊まりたいだぁ〜!!もう疲れただぁ!」
「おらも もう野宿はいやだぁ…お金ならまだあるだよ」

「ぶぁっかもぉぉん!!そんな贅沢してどーするぅ!!」

すっかりZロリを怒らせて、双子は小さくなってしまった。
支払いをする時、レジの男が少し頬を染めながら、お持ち帰り用の包みを一つ、Zロリに渡した。

「お兄さん。これ、サービス。あとで食べておくれ」

怒っていたZロリの顔が、曇り空が晴れるように、ぱぁっと明るくなった。

「え?ホント?!…悪いね。…じゃっ、遠慮な〜くぅ〜」

双子はホッとした。どんなに機嫌が悪くても、食べ物一つですぐ直るのがZロリのいいところだ。

「おまえたち、そんなに疲れたんなら、もう今日はこの町に泊まることにしようか?」
Zロリがそう言うので、双子は期待に小さな胸をふくらませたのだが、着いたところは公園だった。

「ええ??…こ、公園だか…?」

「なに言ってんだぁ?…ほれ、すてきなベッドもあるだろう!」
「それはベンチだ」
「寝る前に体を洗うシャワーもあるし!」
「それは噴水だ」
「水は飲み放題!」

クルクルと回るZロリに双子はもう、ため息をつくしかなかった。

「Iシシ…おら…夜がこわいだ…」
「交代で寝ればいいだ!せんせに言うわけにはいかないだ!」




その夜。三人はもらったおみやげを仲良く分け、ひらひらと舞い落ちる桜の下で食事をした。

Zロリはベンチに横になると、すぐに寝息をたて始めた。
双子はそっと、Zロリの体をベンチにくくりつけようとした。

「ん?…何してんだ?」

寝ていると思っていた双子はあわてた。

「あっ、あああ…せ、せんせがベンチから落ちるといけないだから…」
「お〜そうかっ!…ふんじゃ、おやすみ〜」

双子はZロリの自由を奪う目的でベンチにくくりつけたのではない。あくまで、Zロリを守るためだ。

すうすうと寝息をたてるZロリは やはりすぐベンチからズリ落ちそうになり、脚も大きく開いていく。

「じゃあ…交代で寝ような」





……Nシシは食べても食べても食べきれないごちそうに囲まれていた。

「わぁ〜!!これ、ぜんぶ食べていいだか?!まるで夢みたいだぁー!!」
「夢やがな〜!!」( OおきKだま師匠 )

交代で起きている番だったのについ寝てしまったのだ。ぼんやりとした目に、黒い山が見えた。
黒い山は一定のリズムでスライドする運動を繰り返していた。
そのたびに聞こえる水音 そして…Zロリの「ぁあ…、んぁっ……」という うなされているような鼻声が、
Nシシの目をはっきりと覚まさせた。

「わ〜!!コイツせんせになにするだぁぁ!!」
Nシシがそう叫ぶと、Iシシも飛び起きた。
山に見えたのは、Zロリの周りをぐるりと取り囲む、数名の男たちだった。
楽しみの邪魔をした双子を、にらみつけて言った。

「なんだぁ?このチビたちは〜?」
「どうでもいいさ そんなの。なっ、なっ次オレ!」

次の瞬間、男たちは双子のおならによって宙に舞っていた。
Zロリは何も知らずに眠っている。知らない方がいいのだ。


春。…いつにも増してフェロモン全開なのに、まったく自覚がないZロリ。


春の野宿は大変だ。…


おそまつさまでした。(2,006年4月20日)

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