Switch ON 2
「何をやっとるんじゃ!!」
いきなり聞こえたKンロン博士の声に、Zロリはびくぅぅ!!と跳ねあがった。
「いっ、いや、その〜なんだ〜…」
冷や汗ダラダラで振り向くと、…そこに博士の姿はない。
自分と同じ姿をした者が、今の自分と対照的な表情で立っている。
「や〜ったやった!!ニッヒヒヒヒ〜」
「おまえな〜…」
いたずら王を目指す身でありながら、自分のコピーのいたずらにひっかかるとは…
気を取り直して、再び手当たりしだい食料を取り、袋に詰め込む。もちろんKンロン博士にはナイショだ。
「な〜な〜、何してんだよ〜?」
「え〜いウルサ〜イ!!」
ゾRリがぴったりと体を寄せてくるのがたまらなくうっと〜しい!!声も…耳ざわりだ。
その声を出すのはおれさま一人で充分だ!…まてよ?
「おまえ今、じーさんの声だしてなかったか?」
「こうかのう?Zロリ」
確かにKンロン博士の声だ。
「ボイスチェンジャーか?!」
「そのとおりだよ!」
「おお、Iシシの声だな!!面白いもんつけてもらったな〜」
「もっといろいろ出せるぞ!スゴイだろう!!」
確かに面白いがそんな自慢そうな顔をされると面白くない。
「ふんっ!いろんな声が出せるっていっても、山ちゃんにはかなわないぜ!」
「…だ、誰だそりゃ??」
「そんなことはどうでもいい!おれさまのじゃまをするな」
博士が来る前にできるだけ食料を確保して、そのまま また、旅に出るんだ。
「そう冷たくしないでくれ。Zロリ」
急に変わった声色に、Zロリの手が止まった。
それは…
その声は知的で、上品で優しくて…それなのに独特の艶を持っている。
いつの間にかゾRリの腕の中に抱かれたZロリの耳を食みながら、またその声がささやく。
全身の力が抜ける。…反則だ。これは…
「…あぁっ……Gオ…」
そう言いかけたが、目の前にあるのが自分の顔であることに気がついた。
Gオンが作った、Zロリそっくりのロボット。
しかし、これがロボットなのか?
確かにZロリは天才的だ。
スクラップをかきあつめて、あっという間にいろいろなメカを作ってしまう。
しかし、もとがスクラップのせいなのか、ハデに暴れすぎるせいなのか、
一度使用するとすぐに壊れてしまうものばかりだ。
中には使っている途中で壊れたものもある。
(おれさまの作るメカとは…違うな…)
ロボットなのに、温かみさえ感じさせるその細くしなやかな体。
素材は何だろうか?…きっとこの体を作るために、Gオンは最高のものを使ったに違いない。
Zロリのまだ知らない…Zロリには一生使うことのできないようなものかも知れない。
「おまえ…何でできてるんだ?」
「…逢いたい気持ちでできているのさ」
恥ずかしげもなくそんなセリフが言えるところは、Gオンに似ている。
久しぶりに聞くその声に 心地よく酔ったようになり、Zロリの動きは完全に止まっていた。
今まで何をしていたかすっかり忘れて、無防備に全身をあずけているZロリに、またささやく。
「この声が好きなんだな。オレさまもだ」
小さな部品から一つ一つ丁寧に作られた、Zロリの似姿。
最初の意識が芽生えた瞬間から、やさしくやさしく語りかけてくれた声。
少しずつその体ができるたびに、動くたびに聞いた喜びの声。
「逢いたいな…」
口に出すと、気持ちが抑えられなくなったのか、ゾRリは憑かれたように繰り返した。
「逢いたい…!!オレさまGオンに逢いたいッッ!!」
そんなバカ正直に気持ちが言えるなんて、聞いているこっちが恥ずかしい。
だが、ゾRリは愛されるためだけに生まれてきた。そして今もKンロン博士に大切にされている。
相手が自分の全てを受け入れてくれることを疑わない彼には、“恥ずかしい”という感情は必要ないのかもしれない。
「逢いに行きたい…でも…オレさまがいなくなると、博士が心配する」
「大丈夫だ。おれさまがおまえのかわりをするから行ってこい!」
なぜかわからないが、思わずそう言ってしまった。
Gオンを巡ってライバルなのかと思っていたゾRリは、目を丸くした。
「え?…いいの?」
「ああっ!おれさまに どぉーんとまかせておけぃ!!…あっ、コラ、ちゃんと服着て行けよ!!」
恥ずかしいことを知らないゾRリはいつも裸なので目のやり場に困る。
ゾRリが言っていたとおり、彼がいなくなるとKンロン博士はきっと心配するだろう。
それだけではない。最近もの忘れが激しいと言っている博士は、世話のやける彼がいなくなると、最悪ボケてしまうかもしれない。
「まっ、いいか。あれが帰ってくるまであれのふりをしていることなんか簡単さ」
食料の入った袋を双子に預けて事情を説明した。
旅立ちは数日遅れるが、準備はしておくよういいつけて、Zロリは研究所に一人残った。
博士が部屋に入って来たとき、Zロリはまだ服を着たままだった。
「ん〜?…珍しいのう、服なんか着とるのか?」
“服を着ている”そんな当たり前のことをそんなに珍しそうに言われるなんて…
「いいじゃないか服着てたって」
思わず言い返したZロリに、博士は首をかしげた。
「今日は気分が悪いのかのう?…よし、“かわいくなるスイッチ”を押してやるぞ」
(か、かわいくなるスイッチ…??)
次の瞬間、両方からニュッと機械の手が現われ、急に自由を奪われた。
「なっ、何すんだコラ…」
そう言う間もなく大きく開かれた胸元を、機械の指がクリクリと動く。
「ああっ!!…や…ッ…やめて…ッ…」
頬を染めて身をよじるZロリを、博士は楽しそうに見つめている。
「ほぅ、ほぅ、…やっぱりカワイイのぅ〜」
「あ〜……マ…マ…ッッ…」
「んっ?今、ママと言ったような気がするが…?」
まずい。ママを知らないゾRリがママを呼ぶはずがないのだ。
「最近耳が遠いからのう…気のせいか」
機械の手はそのままZロリの尻尾を持ち、体をさかさまにした。
「そろそろエネルギー補給しような」
(こんな格好で?)…と思った瞬間、天を向いている尻尾の付け根にチューブが押し当てられた。
すでにひっくり返されているが、天地がひっくり返るようなショックだ。
(エッ、エッ、エネルギー補給口を…ここに作ってるってかぁぁ!!)
Gオン…あの野郎〜!!
最初Gオンが背中に作った補給口を、Kンロン博士が移動させたことを、Zロリは知らない。
Zロリは機械の手を逃れようと必死に暴れようとしたが、身動きできなかった
「どうしたんじゃ?おとなしくせんか。…ほれほれ、かわいくなるスイッチじゃ〜」
さっきの刺激で すでに敏感になっている部分を、また押して転がされる。
「んっあぁ〜!!」
逆さにされているので、耳の中に涙が流れ込む。…力が入らない。…もう駄目だ!!
ロボットの方ではないことを白状して、これを早くやめてもらわなければ。
「はぁ…、はぁっ……じっ、…じーさん…やめて……おれさま…だよぉ…」
「おれさまって…なんのことじゃ?」
あまりにそっくりなので、すぐには気がついてくれないのか?
もう体が熱い。エネルギー補給のために チューブを押し当てられた部分の襞がふるえているようだ。
「よっ、…よく見てくれ……おれさま…機械じゃ……」
恥ずかしいのをこらえた必死の訴えに、博士はじっとその部分を見つめた。
「う〜む…最近、目が悪くなってのぅ〜…」
博士はのんきな調子でそのまま作業を続けていく。
「んっ…?今日は なんだか入りにくいのう??」
熱くふるえる部分にチューブを挿しこもうとするが、Zロリの体はそれを必死で拒む。
「おかしいのぅ〜…これでどうじゃ?」
博士はチューブを持ち直し、奥へ、手前へ、何度も往復させ…そのたびにZロリの体はガクガクと揺れた。
浅く、速い呼吸を繰り返しながらも、Zロリは訴え続けた。
「じっ、…じぃ…さッ……やめ………お、おれ……さま……ひっ、ひらがなッ……」
「ひらがな??…何を言っとるんじゃ?……そろそろいくか」
抵抗も空しく 深く挿しこまれたチューブから、少し粘度のある液体が勢いよく注入された。
「アァ――――――――――――!!」
長く尾を引くような悲鳴とともに、白濁した液を迸らせるZロリを見て、博士は少し驚いたように言った。
「おお、こりゃいかんな。前から漏れとるじゃないか」
おそまつさまでした。(2006年1月28日)
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