パンドラの箱


旅人は、世間で言う年末の慌ただしさとは無縁である…はずだ。
ところがどっこい、ZロリはKンロン博士の研究所の大掃除をさせられていた。

イヤかと思えば、そうでもない。ガラクタの山はZロリにとって宝の山だ。
ただし、見るもの全てに興味がわくので、肝心の掃除は いっこうにはかどらない。



「じーさん、これ、何だ?」

黒い小箱を手に取り、博士の返事を待たずに開けようとする。

「ああッ!!待て待て!!それは開けちゃイカン!!それはパンドラの箱と言ってな、
とても危険なプレシャスなんじゃ!」

「そのネタは番組が違うぞ」

パンドラの箱。それを開ければあらゆる災いがあふれ出し、世界は阿鼻叫喚の巷と化すのだ!
それは危ない!!すごくすんごぉぉ〜く危ないではないか!!……面白い!

「開けちゃイカンと言われれば、開けたくなるのがおれさまだ!!」

要するに、何か言われると逆らいたくなるのだ。
博士が止めるのも聞かずその箱を開けたZロリは、
箱から出てきたものが何なのか、認識する前に顔面に激しい衝撃を感じて吹っ飛んだ。

Zロリを追うように転がってくる その箱から出ているもの。
それはボクシングのグローブをはめた機械の手だった。
鼻先といわず、顎といわず、降り注ぐ重いパンチの雨をよけることもできないまま、
鉄の味でお口の中がいっぱいになってくる。

不幸中の幸いだったのは、あまりに突然だったので 痛みを感じるより先に意識が薄れていくことだ。








博士はなんとか箱を閉め、ぽわ〜んと夢見心地になっているZロリに言った。

「だから開けちゃイカンと言ったじゃろう!……パンチドランカーの箱。略してパンドラの箱。…恐ろしいのぅ〜」



(略すなぁぁ〜!!)




おそまつさまでした。(2006年12月27日)

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