ヒーローインタビュー




Sコイヤ婦人は広い城に執事と二人きりで住んでいた。
お世辞にも美しいとはいいかねる彼女は、お金もうけ意外には興味がなく当然婚期も逃してしまっていた。

彼女はもう若くはなかった。…この城を維持するためのあととりが必要だった。


ある日婦人にすばらしいアイディアがひらめいた。
あととりを決めるため、マラソン大会を開催するのだ。


ぞくぞくと詰めかけた応募者の中に、ひときわ目を引く者がいた。

彼が体を動かすたびに、ぴっちりとした薄布に包まれた細身が、黒いマントから ちらりちらりとのぞく。
誇らしげにぴんと立った耳。つんと尖った鼻。
そして、仮面に覆われた双眸には知性と、なんともいえない艶がある。
彼は美しかった。そして自信に満ち溢れていた。
彼女はそっと執事を呼んで、命令した。

「彼を重点的に録画しておきなさい。…他の者はいいから」
「優勝候補、ということですね。…かしこまりました」


優勝したら城のあととりになれる。出場者はみんな必死だった。
数々の難関をくぐりぬけて、デッドヒートを繰り広げたが、
最初にゴールインしたのは、やはり彼だった。

「やったやった〜!Zロリせんせが優勝だ〜」

ちんちくりんな双子が駆け寄ろうとするので執事があわてて止めた。

「これこれ、そこの二人。優勝者にはインタビューがあるから離れていなさい」




「え〜、ヒーローインタビューです!優勝おめでとうございます!」
「ハァッ、…ハァ、ハァ…や、やった…よ…ママ〜…」
「優勝できる自信はありましたか?」
「ハァ、ハァ…ハァ…(しゃべれない)…」
「お疲れのようなのでこちらの布団にどうぞ」
「ああ…っ…ハ〜…ハァ…ハァ…」

ヘトヘトに疲れていたZロリはすすめられるままに、そこにころんと転がった。

「汗で服がはりついていますよ。…苦しいんですか?…上は脱ぎましょう」
「や…このま…ま……や…っ…いやぁ……」
マラソン直後で抵抗する力も出ず、あっという間に脱がされてしまった。

Zロリはちょっと睨むような目線をくれたが、息が少し楽になったのか、それ以上怒ることはなかった。
カメラは目と口をうっすらと開いて、苦しげに呼吸するZロリを撮り続ける。

「ああ…じつにいい…ああいえ、…こっちの話です。…喉が渇きませんか?」

もう、カラカラに決まっている。

「栄養補給も兼ねて、チョコバナナをどうぞ。…カチカチに凍っていておいしいですよ」

Zロリはそれに手を伸ばしたが、執事はわざと、手をずらして何度か渡し損なった。
からかっているような執事の態度に、ちらと不満げな表情をのぞかせたZロリだが、
やっとチョコバナナが渡されると目を輝かせてしゃぶりついた。

「チュパチュパはふはふクチュクチュクチュ………あ〜…ちべたくてンまい〜……れろれろれろ…」
(いやしんぼ食いのため30分ほどかけて完食)

「ああ、いきかえった…」



呼吸も整ってきたようですので、これでヒーローインタビューを終了いたします。
なお、この模様は後日DVDで発売いたします。…ご予約はお早めに。









おそまつさまでした(2006年10月16日)


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