タイトル未定
「Gラモのやつ、おれさまに濡れ衣を着せようとするなんて許せん!…ぜったいつかまえてやるぞ!」
美術館の庭から続く狭い狭い穴をやっとの思いで抜けると、目の前に荒れはてた屋敷がそびえ建っていた。
その屋敷から怪しい人影が出て行く。後を追ったが一足遅れ、人影は車で去ってしまった。
「この廃屋には なにかありそうだぞ」
みしみしと廃屋の中を進んでいくと、足元から声が聞こえる。
よく見ると床に扉がある。開けると地下室に通じるはしごがあった。Gラモが隠れているに違いない。
一段ずつおりるなんてもどかしい。Zロリはひらりと飛び降りて、大声で叫んだ
「Gラモ!観念す…」
「うわ〜!!なんて見事なプロポーションなんだ!」
「すてき!う〜ん!創作意欲がわいてきたわ!早く、早くこっちへ!」
「え?ええ??えぇぇ〜???」
急に行動を遮られ、わけもわからないままズルズルと部屋の奥へ引きずられて 服をむかれていく。
「ま、待て待てコラァ!!」
半裸状態でやっと彼らの手を逃れた。マントにくるまって体を隠す。
「い、いきなり何だ!おまえら〜!!」
おまえら呼ばわりされた3人の若者は、しばらくキョトンとした顔をしていたが、1人が言った。
「あの…モデルさんでしょ?」
Zロリは名乗る時の いつのクセで、マントをバッとひるがえしてポーズを決めた。半裸であることをすっかり忘れて。
「ちがぁう!おれさまはかいけつZロリ!Gラモを追ってきたんだ」
「Gラモ?ここにはそんな人いませんよ」
「え?…そ、そうなのか?」
「ここはGラン・モーグリ氏のアトリエです。ぼくたちはここで修行中の者です。…モデルさんじゃないんですか?」
うなずいたZロリは、男女混声の落胆の声に包まれた。
「ええ?モデルじゃない〜??!」
「そんな!信じられない!」
3人の若者は興奮してZロリに詰め寄ってきた。
「あなたがモデルじゃないなんてこと許されない!」
「そうよ!この、この湧き上がる創作意欲をどこへどうぶつけたらいいんです?!」
「な、何言ってんだ??」
若者の1人が困惑するZロリの細い肩を がっしとつかんで、力強く言った。
「その姿を後世に残すのは、美しく生まれた者の義務なのです!」
その場の雰囲気に圧倒され、わけがわからなくなっているIシシが叫んだ。
「せんせ!すごいだぁ!」
「えぇ?すごい?…そ、そぉか〜??おれさまの悪名を後世に残す時がきたってか?!
そうか、ニヒ、ニッヒヒヒ…こりゃスゴイぜ!!…さ〜思う存分描いてくれ!」
「やっとその気になってくれたんですね!」
「早く、早くこっちへ!!」
若者たちはそう言ってまたむりやり服を脱がせようとする。
「なっ、何すんだぁコラァァ!!」
「何って、やっぱりまずは基本中の基本、ヌードデッサンからですよ」
「いやだ!そんなのただのキツネじゃないかぁっっ!! おれさまはかいけつZロリなんだぞ!
このマスクだけは絶対に取らんッッ!!」
「しかたがないなぁ…いいですよ。マスクだけはしてても」
マスクを残した全裸という姿は、かえって妖しいのだが、Zロリに自覚がない様子なので みんなは黙っておくことにした。
「あああ…この健康と妖艶の狭間を揺れ動くようなエロス!!なんてすばらしいんだ!」
「まさに芸術の神がつかわした天使だ!」
彼らは口々に叫びながら、さまざまなポーズを要求し、何枚も何枚も描いて描いて描いて描き続けた。
「脚を組んで」
「腰をこうひねって!」
「胸をそらせて…ああ、そうじゃなくて…こう!」
ポーズをなおすためとはいえ、いきなり腋から手を入れられてZロリの体は跳ね上がった。
「くぁっ!」
思わず声をあげるZロリの体は後ろから抱きすくめられる。
「敏感すぎですよ。じっとしてて!微妙な角度なんだから」
「あ…はぁ…っ…んっ…」
Zロリが眉を寄せて体をよじった時、近くに積み上げられた習作の山ががくずれてきた。
周りを埋め尽くした絵から顔を出して見回したZロリは 心臓が弾けるかと思った。
そこには全裸の若者が絡み合う淫らな姿が描かれていたのだ。何枚も。いや、何十枚も。
うろたえるZロリに、若者が近付いてきて、囁くように言った。
「どうかしましたか?この絵が…」
絵の中で狂態を演じている若者にそう言われても、Zロリは頬を染めてうつむくことしかできない。
「これは芸術なんです。恥ずかしいものではないですよ」
もう1人の若者がそう言いながらZロリの体に触れてきた。
血液が音を立てて全身を巡っているのを感じる。まるで全身が拍動しているようだ。
触れられていることと、目から入った刺激に体が反応し、中心から泉が湧き出すように液があふれて来た。
それを見た若者たちは、すっかり興奮し、1人はZロリの体に舌を這わせ、もう1人は力の抜けたZロリを貫いて腰を振り始めた。
Zロリはぼうっとしてきた頭の片隅で、若者3人のうち1人は女のコだったことを思いだした。
「やっ、やめろ…っ…レディーの…目の前…で…」
そう言って女のコに目線を移すと…彼女がいちばん目をギラギラさせていた。
「これよ!これこそ私が求めていたものなのよ!!」
まるで憑かれたように彼女は絵筆を動かし、彼らは狂ったように腰を動かした。
「ああっ!た、たすけ…て…ママ…!!…あ、あぁ―――――――――」
Zロリの体には、自分の意思ではどうにもならない不規則な筋肉の収縮が始まっていた。
もう、あとはその瞬間まで、甘い悲鳴を上げることしかできない。
若き芸術家は、Zロリの体からあふれる液を丹念になめ取りながら言った。
「ああ。じつにいい声だなぁ…もっともっと聞かせて下さい。
いくら大声を上げても大丈夫ですよ。
この人里離れた廃屋に、訪れる者など誰もいませんからね。……誰も」
おそまつさまでした。(2005年12月16日)
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