タイトル未定
例によって森の中で土砂降りにあった。
「腹減っただぁ〜」
「もう動けないだぁ〜」
もう同じことしか言わない双子をしたがえて、雨宿りする場所をさがしていたZロリは急に立ち止まった。
ぴったりとついて来ていた双子は止まりきれず、Zロリと もつれあって転がってしまった。泥だらけだ。
「せんせが急に止まるから…」
双子はそう言いかけたが、Zロリは笑顔でそれに答えた。指をぴんと立て、前方を指し示す。
そこには大きな屋敷がそびえ立っていたのだ。
「こんな森に屋敷があるとは思わなかったな…ともかく、野宿しなくてすみそうだ」
近づいてみると扉が開いている。…勝手に入るが挨拶はちゃんとしなければ。
「ごめんください!どなたですか?いたずら王になる修行の旅をしているZロリです!お入り下さい!…ありがとう〜」
「ごめんください!どなたですか?せんせの弟子のイシシとノシシです!お入り下さい!…ありがとう〜」
…コケる者がいないとこのボケは空しい。それはさておき、なかなかりっぱな屋敷だ。
「それにしても暗いな…明かりをつけてくれ!」
Zロリがそう言うと同時に部屋が明るくなった。
「あ〜…あったかいだぁ〜」
「ホント…生き返るだぁ〜…」
見ると暖炉に火が燃えているではないか。
「おお、こりゃいい。濡れたのを着ていると風邪ひくからな!」
ぽかぽかと暖かい火のそばで、服を乾かすことができた。
「風呂も入りたいなあ…」
「それよりもう腹減ってたまらないだ〜」
「う〜ん…まずは腹ごしらえか…なにか食べ物があればなぁ…」
そう言っているとなんだかいい匂いがしてきた。
その方向に思わず吸い寄せられた三人が見たものは豪華なごちそうの山だった。
こ、これはこの屋敷の住人のものだ…などと、頭では考えるのだが体はごちそうを詰め込むのに忙しく動いてしまうのだった。
「あ〜食った食った〜…」
「オラ幸せだ〜…」
ポンポコリンに膨らんだおなかをかかえて、三人は眠りについた。…何者かが優しく布団をかけてくれた。
やがて目をさましたZロリは、自分で明かりをつけようとして、壁にスイッチがないのに気がついた。
「妙だな…そういえば 人の気配はするのに住人の姿が見えない…」
望めばなんでも思い通りになる屋敷……なんだかイヤ〜な予感がしてきたが、思い切ってもう一度確かめてみる。
「明かりをつけてくれ」
明るくなった。
「やっぱり…おまえだったのか」
Zロリがため息をつくとほぼ同時に、あの声が部屋じゅうに響きわたった。
「お久しぶりです。Zロリさん…あなたとおわかれしてから、それはもう、あちこちにいきましたよ」
「ふ〜ん、そうかい」
「そしていくさきざきであなたのうわさをききました」
うわさと聞いて、Zロリの耳がピンと立つ。
「あなたにゆうきをもらったとか、たいせつなことをおそわったとか。あなたはどこへいってもでんせつのひとです」
「なんだってぇ?…いたずらされたとか、してやられたとかゆーのはないのかぁ?!」
「ありませんねぇ」
思い切りコケるZロリを、柔らかいものがふわりと受け止めた。Zロリ城の床が盛り上がったのだ。
「あなたとはなれてますますあなたをかんじるようになりました。…あいたかった」
床はそのままとろとろと、とろけるようにZロリの手足を包み込む。
「あなたをわたしのものにしたい」
Zロリはあわてた。以前えらい目にあったことを思い出したのだ。
「ま、まてっ…Zロリ城!!」
腰に何かが当たるのを感じて振り向くと、かつてZロリ城を追い出された時のロケットのようなものがある。
「な、何すんだ…またおれさまを飛ばそうってのか?!」
「やだなぁ…これは…あなたのまえのしっぽとおなじものです」
「……へっ?!」
Zロリ城はゆったりとゆれていた。…照れているらしい。
「わたしはあのときまだなにもしらなくて…あなたのからだにゆびをいれただけでした…でもいまはちがう!
いろんなことをしりましたよ。…あなたとひとつになるにはこれがひつようだって…わかったのでつくりました。
さあ、ひとつになりましょう!!…さぁ、さぁ…!!」
床の一部がもりあがった、直径数メートルのものが体を突き上げてくる。
「やっ、やめろ、やめろったら!!…そんなものダメだ!!」
「えぇ〜…なぜですか??…おしえてくださいよぉ、ねぇ、ねぇ」
「だって、そんな大きいもの、…おれさま壊れちゃうだろう!」
Zロリ城は少し黙り込んだ。考えているらしい。
「そうだ!」
ひと声叫ぶと、さっきからZロリの腰に当たっていた突起が少し小さくなった。
「これでどうですか」
「ダメだったら!」
また少し小さくなった
「これでどうですか?」
「ダメだって!!」
「これで…」
「ダメッ!!」
「これくらいでどうでしょうね?」
「ん、ん〜…それならまぁ…」
「うれしいです!…さあ、こんどはわたしがあなたをよろこばせるばんですよ…」
Zロリ城はまるで抱きしめるようにZロリを包み込んだ。
Zロリは身動きできないまま、体がゆっくりととろけて はらはらとくずれていくような感覚がした
その拍動する一部に深く貫かれながら、なぜいつの間にかこれを受け入れることになってしまったのか、という思いが脳裏をかすめた。
だがそれは一瞬のことで…すぐに意識は白く輝く空間に堕ち…なにも考えられなくなった。
おそまつさまでした。(2006年12月12日)
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