少年は××を目指す
もう一つ、「おでんイカくさい大さくせん」ってタイトルも考えてるんですがどっちがいいでしょう?(聞くのかよ?!)


激しい海風が窓を叩いている。ここ数日時化続きで、Tンクはとてもゆううつだった。
こうも漁に出られない日が続くと、きっと漁師たちはみんなイライラしているのだろう。
家族や恋人と離れ、男ばかりで漁場に寝泊りする季節。やり場のない思いをぶつけるものは、酒と博打と、そして…………。
ためいきをつきながら、もう一つ薪をくべた。男たちが来る前に、部屋を十分暖めておかなければ。

まだ半人前と言われ、みんなと一緒に漁に出ることができない自分だが、年老いた祖父と二人分の食い扶持を稼がなければならない。

炎を見つめながらぼんやりと考えていると、勢いよくドアが開いた。
まだ皆が来る時間には早すぎる。
振り向くと、吹き荒れる風に縞の合羽をなびかせて、見知らぬ男が立っていた。
足元には小さな双子がいた。三人とも寒さに歯をガチガチ鳴らしながら、やっとの思いでこう言った。
「しゅ、しゅばんが……あったまらへてくで……」



背中を丸めてしばらくストーブにあたっていた旅人たちは、暖まるにつれて“寒い”以外に考えることが出てきたらしく、
鼻をヒクヒクと動かしだした。
あっという間に勝手に鍋のふたを開けてしまい、眼を輝かせている。
「わ〜!おでんだ!!」
「ああ…、よかったらどうぞ」
反射的に言ってしまってからTンクは、なぜそんなことを言ってしまったのだろうと思った。
「いいのかい?じゃ、遠慮なく」
本当はよくない。夕食兼酒のつまみとして楽しみにしている漁師たちにドヤされる。
でも、うれしそうにおでんを選ぶ旅人の顔を見ていると、不思議とそんなことはどうでもよくなってきた。
自分の作ったおでんをおいしそうに食べてくれるならとてもうれしい。相手が漁師でも、見知らぬ旅人でも。
とくにこの人の喜ぶ姿はかわいらしくて(大人なのに…)なんだかずっと見ていたくなる。

いや。そういうわけにもいかない。もうすぐ漁師たちがやってくる時間だ。
今夜ここで起こることを、旅人に見られるのはとても恥ずかしい。
でも、外はあいかわらず寒そうだ。こんな中に出ていってくれとは言いにくい。どうしよう…………。

Tンクのこういう悩みなどまったく通じていないらしく、双子は寝てしまった。
「なあ、このへんれ……どっか泊まれるところ…ひらないか…………?」
Zロリと名のったその旅人も睡魔と格闘しているらしい。もうヘロヘロで今にも落ちようとしている。
その時、ドアが開いて、漁師たちがドヤドヤと入って来た。機嫌の悪い様子に部屋の空気が一気に重くなる。
「う〜、今日も冷えるな。おでんおでんと」
漁師たちは鍋をあけて、とがめるようにTンクを見た。
「誰が先に食べていいと言った?」
「あ、あの…それは…すみません」

「なんだコイツは?」
一人が、奥でウトウトしているZロリに気がついた。
「あ、おれたちのおでんを勝手に食ったのコイツだな」
「Tンク、どういうことだ?!」
「あの……その……」
漁師たちを怒らせてしまったと後悔した次の瞬間、リーダー格の男が言った。
「よく見るとこいつ…なかなかだぞ」
「おお…そう言われると………」

最初からそういう目的で部屋に入ってきた男たちの行動は速かった。
「相手は予定と違うけどな」
「おれはこっちの方がいい」
口々に言いながら、たちまち男たちは数人がかりでZロリを押さえつけた。
さすがにこれには眼が覚めた。
「なっ、…いきなり何だ?!こら放せ!」
「おれたちのおでんを黙って食ってくれたのは兄ちゃんか?」
「あんたたちのだったのか?…食べちまったのは悪かったが……んぁっ……!」
今まで聞いたことのなかった艶のある声に、仲間たちのガラガラ声を聞きなれている男たちは思わず息をのんだ。
「たまんねぇ声だな、へへへ………もっと悦ばせてやるぜ」

着物の胸や脇、さらに腰からも何人もの手が同時に入り、敏感な体をまさぐってくる
「放せ!放してくれ…あぁっ、そこは………ッ…………あ、ん…ぁ…………や…っ………」
「こいつ感度バツグンだぞ」
「いやってところがいいところなんだよな。ほれ、ここだろ。そして…ここか?」
「んっ…………んぅっ……あぁっ…………」

「まあ、おでん代は体で払ってもらうとしようか」
「って言うか、お前をおでんにしてやるぜ」
「違いねぇな。串刺しだからな」
下品な冗談に、Tンクは頬から火が出るように恥ずかしかった。
漁師たちに組み敷かれているZロリも、耳まで真っ赤に染まっている。



ほどなく室内には水音が響き、漁師たちの体液が発する海の香りが満ちていった。

Tンクにはその場を離れることができなかった。ただ呆然と、目の前の光景を見ていた。
(今夜あの人がここに来なかったら、ああなっていたのは…………ぼくなんだ…………)
Tンクがこんな時に感じていたのはいつも嫌悪感だけだったのに、今は違った。
目の前で漁師たちの手によって火照っていく体も、甘く切なげな喘ぎ声も、、流れる涙もすべて美しく感じられてならなかった。

「Tンク。お前も行きたいのか?」

急に名を呼ばれてビクリとしたが、自分のものが天を向いて、今にもはじけそうになっているのに気がついた

「あっ………ぼ、ぼく、こんな……」

「一人前の男って印さ。さあ」

漁師たちに導かれるようにして数人がかりで押さえつけられているZロリに歩みよった。
息が乱れ、目はとろんとしている。時折あげる喘ぎ声が、まだかろうじて意識があることを示している。
(そんなつもりじゃ…なかったんだけど…………)
先端から透明な液が滴り始めた。本能に促されるように、Zロリの体にそれをあてがって、腰を前に進めた。
それはやさしく受け入れられた。
まるで、ずっとずっと前からここに来ることが決まっていたような居心地のよさ。
「あ…………ぁ…………Zロリ…さ…………」
包みこまれる…………そして、とろけていく…………






Zロリたちが旅立って、またいつもの日常が始まった。
だが、今までと違うこともある。Tンクの表情が、明るくなった。

「最近Tンク、かわいいよな〜」
「反応が素直になったよ」
「ああ、悦ばせがいがある、って言うのかな〜」


Tンクは初々しく頬を染めながら、遠くをいくZロリに思いをはせた。

「ぼくにそれを教えてくれたのは、Zロリさんだよ。…あの人のおかげで、ぼくは…………」




おそまつさまでした。

2005年5月16日


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