ねがいごと
二人は一つの到達点を求めて体を重ねていた。重なった体が激しく揺れている。
「あぁっ!…………あ!…あぁ、…あぁ!……んっ、…あぁ…………ッ」
挿入されたGオンの一部が往復するたびに、Zロリは叫び声をあげ、力いっぱいしがみついてくる。
爪が食い込むその痛みさえ、Gオンをますます高めていく。
まもなく二人に“その瞬間”が訪れようとしているのだ。
耳を甘く噛んでやると、Zロリは体を震わせて強くGオンを締め付けた。
同時にしがみついていた手の力が抜け、糸が切れたように沈むZロリの体を抱きとめて、Gオンは至福の瞬間を迎えた。
「くっ…………」
低いうなり声と共に、Zロリの中に放ったあと、満たされた思いで呼吸を整えていたGオンは、いつもと違う感触に気がついた。
Zロリを愛撫していた手が…………濡れていない。
(こっ、これは……まさか…………まさか私は……彼を置いて、一人で達してしまったというのか??…………ばかなっ!!)
自分が許せない。信じられない思いに打ちひしがれそうだ。
「願い事をどうぞ。ご主人様」
突然聞きなれない声がして、思わずキョロキョロしていたGオンは、Zロリの前に浮かんだ白い物体に気が付いた。
それは煙か雲のようにほわほわとしているが、かろうじてキツネのような姿をしている。
「なっ、なん……!!!!」
科学者の脳と心で激しい葛藤が起こった。目の前で起こっていることを、受け入れていいものだろうか
「夢じゃありませんよ〜」
白い物体は少し近付いて来た。…………心当たりのある、匂いがする。
「なっ…………なぜ…」
「なぜ、と言われましても…こすられたら出るというのが私達の決まりでして」(アラビアンナイト参照)
「う………っ?!」
「こすってたでしょ?」
…………確かにこすってた。
「やっぱりこすってたでしょう。心を込めて、何度も何度も、Zロリ…Zロリ…いいのかい…って言いながら」
「そっ、…そんな恥ずかしい言い方はよせ!」
Gオンが耳まで紅く染めてそう言った瞬間、周囲がまばゆく輝いた。
「承知いたしました、ご主人様!!」
「なにっ?!」
「そんな恥ずかしい言い方はよせ、という願い、確かに叶えます。さ、あと二つ、願ってください」
遅ればせながら、Gオンはこれを現実として受け入れることにした。
何かの手違いで、精は精でもこっちの精が出てしまったらしい。
しかし考えてみれば、私の願いって何だ??
何も思いつかない。欲しいものがあれば何でも自分で作るし、何が起こっても自分でなんとかしていこうと思っている。
それに…忘れるところだったが、今はZロリと二人きりの大切な時間だ。
「私たちのじゃまをしないでくれないか」
また周囲がまばゆく光った。
「その願い、叶えましょう。しかし、願いを3つ叶えるまでは消えることができません。最後の願いをお早く」
Gオンは頭をかかえてしまった。こんな展開になるとは…………
王家に生まれ、全てに恵まれているGオンは、欲というものには無縁だった。
願いを言えと言われても、かえって困ってしまうのだ。
Gオンはふと、隣に寝ているZロリに目をやった。
「いたずらの王者になる!」
「Zロリ城を建てる!」
「ハラいっぱい食べたい」
「かわいいお嫁さんを…でへっ、でへへへ〜…」
逢うたびに何度も耳にした、彼の夢たち。
GオンはしばらくZロリを見つめていた。そして心を決めた。
「最後の願いだ」
「ああ、待ちくたびれました。ささ、どうぞ」
「Zロリの願いを、かなえてくれ」
「は??…なんですって?」
精の精は信じられないという顔をした。さすがの彼も、そんな願いを聞いたことがなかったのだ。
「なんでも願いがかなうのに…………他人の願いをかなえることに使うなんて……もう少しよく考えたらどうです?」
「おかしいかな?…」
Gオンはそうつぶやきながら、Zロリの汗ばんで乱れた毛をやさしくやさしくなでた。
頭をなで、背中から腰の、なめらかなラインを何度もなでていると、
Zロリの体から出ているエネルギーのようなもので心が満たされてくるのを感じる。
「彼がここにいる。…これ以上何を望むというんだろう」
Gオンはまっすぐに精の精を見つめて、もう一度言った。
「彼が満たされることが、私の悦びなんだ」
「そこまで言われるのなら…………………で、その願いとは?」
よく寝ているのを起こすのはかわいそうだが、願いを確認しなければこの精は消えてくれない。
何を願うんだろう?………城か?…いたずら王か?…………それとも…………
「Zロリ、ひとつだけ願いがかなうなら、キミはどうする?」
Gオンの呼びかけにZロリはうっすらと目を開けたが、その目は虚ろだった。
…………まだこちらの世界に戻って来ていない様子だ。
Gオンの手がそっと頭に触れると、Zロリは、ほわぁ…とした顔のまま、言った。
「Gオ…ン…………もっと…………」
「なっ、なにぃぃ?!」
「承知しました。その願いを叶えましょう!!」
周囲が今までの十倍輝いた。意志とは無関係に、Gオンの体じゅうに力がみなぎってきた。
「まっ、待て待て!!…せっかくなのに…そんな願い…って…………あぁぁ……Zロリッ……!!」
こうして、精の精は消え、GオZロの第2ラウンド開始となるのだった
おそまつさまでした。(2005年6月19日)
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