01:日陰〜、06:我慢〜の昔話。
ショタエロ。相変わらず鉄道猫が変質者。ご注意。
17:生え変わる
雪玉を右と左に一つずつくっつけたみたいな、真っ白いぽっちゃりした頬っぺたを真っ赤にして、息を荒げて、一心に自分の性器を上下に擦り続ける。その姿を肩越しに見ながら、僕はニンマリと笑った。まだ形は幼いままだけれど、そろそろ太さも長さもそれなりになってきたので、自分で弄る術を教え込んだのだ。
うんと小さい頃は、僕がトイレに行く度に、中まで付いて来ていた程だから、抵抗もない。寧ろ年長の悪ガキ連中の話を聞き囓っていたのか、興味津々に耳をおっ立てていた。
窓際の寝台に、彼を脚の間に挟むようにして座らせている、ぽかぽか暖かい春の午後の光に晒された彼の、つるりとした性器は、指でぴこんと弾きたい程可愛い。彼の作業の邪魔にならないよう気をつけて、彼のすべすべしたお腹や、ぷつんとした小さな乳首を撫で回しながら、彼の様子を見守る。もそもそと彼の背と僕の腹の間で蠢く、彼の尻尾が擽ったい。
彼は直ぐに震えだした。
「っあ!兄ちゃん、ションベン!ションベン出る!」
「出しても大丈夫だよ。そのまま続けてごらん」
「わあっああ!」
ぎゅ、と肩を小さくすぼめて、彼はひくひくと身体を痙攣させた。尻尾も倍の太さに膨れあがっている。精通はまだ済んでいないので、勿論何も出ない。けれども絶頂感は充分に味わったようだった。一頻り足をじたばたさせて、快感をやり過ごすと、彼は甘えるように僕に凭れ掛かった。
「どう。気持ちよかったろ」
「気持ちいい!すげぇ!」
彼は、こっそり仕掛けた悪戯が成功した時のように目を輝かせている。その眼差しからは、くっきりと僕への尊敬が見て取れて、僕はほんの少しだけ良心が痛んだ。自慰に関しては、男の子ならみんなこうして、年上の誰かからこっそり教えられるか、自分で気付くモノだから、別にどうってことはないのだけど、僕はあわよくば、それ以上のことを考えている。今だって、本当なら隣に座ってやるだけで良いし、普通は身体を撫で回したりしない。でも、彼がそれに気付くことは、当分無いだろう。
「すっげぇ。オトナってみんなこんなことしてるんだ…」
彼は、しぼんでしまった自分の性器をつつきながら、興奮冷めやらぬように呟いた。
「そ。でも汚い手で触っちゃ駄目だぞ。バイ菌はいったら、痛いよ」
「お、おう」
「あと、風呂に入ったら、さっき教えたみたく、ちゃんと皮剥いて洗うんだよ」
「解ってる!」
クヒヒヒ、と妙な笑い方をしながら、彼はつつくだけでなく、性器を指先で摘み上げ、まるで目新しい玩具を見つけたようにぷるぷると揺らした。そしてクックック、と喉の奥を鳴らして笑っては、僕を振り返って見、を繰り返す。
その彼の頭を撫で、力を込めて彼の細い胴を抱きしめると、よいしょと持ち上げて膝に乗せた。頬っぺたのぽっちゃり具合に比して、彼の身体は同年代の子供達よりも、細くて小さい。彼の保護者である飲んだくれの爺様があまり面倒を見ないので、栄養が足りてないのだ。蜂蜜色の両眼が、くるりと僕を見上げている。
あまりの可愛らしさに、僕は一寸悪戯心を刺激された。
「良いかい。これはオトナの遊びだから、家に帰ってから自分でしても良いけど、隠れてやるんだよ。あとやってる内に、白くてぬるぬるしたのが出てくるけど」
僕は声を潜めて、彼の注意を引いた。彼は、固唾を呑んで僕を見ている。
「出てくるの?」
「出てきたら、それはオトナのちんこに生え変わる合図だから。僕にちゃんと報告するんだよ」
「これ、生え変わるのかァ!」
彼は頓狂な声をあげた。目をまん丸くしている。それが可笑しくて、僕は更に悪乗りする。
「そう。今のこのちんこがぽろっと取れて、オトナのが生えてくるんだ。でも、良い子にしてないと、生えずに女の子になっちゃうからな。気をつけるんだよ」
「…女の子に…?おれが?」
「そう。女の子に」
ごくり、と彼が唾を飲む音が聞こえた。幾らか青褪めている。一寸揶揄いすぎたかな?と思ったけれど、可笑しさの方が優った。僕は、彼を隣に滑らせると、自分のズボンの前を開けて、下着もずらして見せた。
「ほら見てご覧。兄ちゃんは良い子だったから、ちゃんとオトナのだろ」
ふさふさした陰毛に、最近貫禄が付いてきたと評判の、自慢のモノを見せてやる。皮も剥けきって、太さ長さは申し分なし、それなりに使う努力もして、色つやも良くなっている。もう一寸使い込んだ感じが出せれば、僕としては満足なんだけど。
流石に近頃はトイレの中まで付いてくることもないから、僕のを見るのは久しぶりの筈だ。彼は、呑み込まれたように押し黙って、僕の股間を凝視した。そしてちらり、と僕を見上げる。
「なあ」
「ん?」
「一寸触って良い?」
流石子供と言うべきか、言い終わる前に手を伸ばしている。勿論大歓迎だ。良いよ、と了解すると、指先で恐る恐る触れていたのを、大胆に握りだした。辛うじて彼の指が回るくらいだった。それを持ち上げたり、裏返したり、その下の玉袋をつまんだり、好き放題にしてくれる。
気持ちいい、というよりは擽ったいのを我慢して、彼が触りやすいように後ろに手を突いて、身体を仰け反らした。彼は、特に段差の付いた雁首に興味を示した。そして最後には生意気にも腕組みをし、
「これがオトナのちんぽか…」
自分の股間と見比べながら、感心したように呟く。今にも爆笑したいのを我慢して、僕は重々しく頷いた。
「そう。これがオトナのちんこ。証拠も見せてあげるね」
悪乗りに次ぐ悪乗りをし、彼のぷにぷにと肉厚い手を取ると、僕は彼の手ごと、自分の性器を握った。何が行われるのか、彼は直ぐに察したようで、嫌がるどころか面白がって自分から僕のものを擦り出した。
先端から滲み出てくる先走りに、一々歓声を上げながら、彼が加減も何もないストレートさで擦り立ててくるので、僕も何ら堪えることなく直ぐ射精に至る。びくんびくんと脈打ちながら放出される、白く濁った精液を両手に受けて、彼は果敢にも鼻を近付けて顔を顰め、舐めてご覧と促すと、嫌そうな顔でぺろりと舐めて、うげえと悲鳴を上げた。
「不味い…」
「そりゃ不味いよ。でもそれがオトナの証拠。その内お前も出せるようになるよ」
「へえー。凄いな兄ちゃん。何でも知ってるんだ…」
うん。オトナは誰でも知っている。でも僕は、黙って頷くだけにした。ちびっ子の尊敬を受けるのは、気分が良い。
「良いなあ。おれもこんくらいのが欲しい!」
最後にもう一度彼に手淫をさせ、それを手伝ってから身仕舞いした後、彼は、ズボンの上から僕の股間をぱんぱんと軽く叩いてそう言った。
「良い子にしてたら生えてくるよ」
頬と腹筋が攣りそうだった。
感に堪えない様子で、彼――プラトー、後の自称犯罪王マキャヴィティは、おれ、良い子にしてる、と頷いた。
そしてその彼が、良い子にしてたのにちんこがぽろっと取れない、おれどうなるんだ、と泣きながら駆け込んで来るのは、もう少し後の話である。
終
20061118
ショタって難しい…
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