エドワード・ゴーリーファンの方
エドワード・ゴーリーが嫌いな方
エドワード・ゴーリーの「おぞましい二人」が嫌いな方
子供殺しや読後感の悪いネタが嫌いな方

上記に当てはまる方々は回れ右。
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50〜60KB相当の絵を28枚読み込みますので、気長にゆっくりお待ち下さい。







































十歳の時、マキャヴィティは病気の小動物を石ころで叩き殺しているところを見つかった。






































同じ年、ヴィクトリアは生まれてすぐ、金持ちの家へ愛玩動物として二千ポンドで売られた。






































十五歳になったころには、その後一生続くことになる頭痛をマキャヴィティは患っていた。






































子供のころからすでに、ヴィクトリアは無感動で何ものにも心を動かされなかった。






































オールドデュトロノミーのいる町にたどりつくと、マキャヴィティはしばらくは大人しく水道屋に職を得て、
夜ごとに町の下水へ死んだ鼠達を捨ててまわった。






































ヴィクトリアはお嬢様のお嫁入りに付いていき、
お嬢様の自動車の燃料にこっそりと混ぜものを増やして、楽しんでいた。






































ジェリクルムーンのお祭りの夜に二人は出会い、互いに似たもの同士であることを一目で悟った。






































日曜日には一緒に遠くまで散歩に出かけ、二人で野ねずみを片端から捕まえた。






































地元の映画館が犯罪映画を上映すると、二人でかならず観に行った。






































とりわけ刺激的な映画を観たあとは、寒い材木置き場で互いの身体を不器用に探った。






































何年かのちに、人里離れたところにある、殺風景な別荘を二人は借りた。






































愛しあおうとして長時間懸命に頑張っても、成果はなかった。

















































その年の秋、二人は自分たちの一生の仕事に乗り出すことに決めた。















































何ヶ月もあと、厄介な準備も全て終えて、いよいよだと二人は思った。




































ヴィクトリアが、モリー・ハーティスマイアーという小さな女の子を、
緑のサテンのドレスを着た人形をあげると約束して別荘におびき寄せた。






































一晩の大半を、二人は様々なやり方で子供を殺すことに費やした。






































翌日の夜明けには、もう死体は埋められ、散らかった後始末も済んだ。






































二人は食卓について、コーンフレークと糖蜜、カブのサンドイッチ、合成オレンジジュースの朝食をとった。






































ヴィクトリアが撮った写真は露出不足でうまく写っていなかったが、
とにかくそれを、買ったばかりのアルバムに入れた。






































そのあとの二年間で、さらに三人の子供を殺したが、
どのときも一番最初のときほど胸が高まりはしなかった。






































何らさしたる理由もなく、二人の行為は怪しまれぬままだった。






































やがて四月のある日、市電に乗っていて、
マキャヴィティのポケットから何枚かのスナップ写真がこぼれ落ちた。






































二人はすべてやったと認めるときもあったが、すべて否認するときもあった。






































裁判が開かれることもなく、保健所へ連れて行かれるヴィクトリアの顔に、
誰かが腐りかけた鼠を投げつけた。






































二人とも無関心に沈んだまま、処分の審議はえんえん続いた。






































処分は、薬殺、ただし「動物」愛護法にもとづいて終身禁固に減ず、と下された。






































二人は同じ車で処分場に連れて行かれたが、その後二度と顔を合わせることはなかった。






































四十三歳のとき、マキャヴィティは頭痛が悪化し数日後に死んだ。






































ヴィクトリアは著しく衰え、生涯の大半、ひたすら壁の染みを嘗めて過ごした。






































八十二歳で、あるいは八十四歳でヴィクトリアは死んだ。






































fin.




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