Pinkie ring




――貴女の幸せは、私が守ります。




Pinkie ring




ジェイドの手が再びパジャマのボタンを外していく。だが、先程とは違ってジェイドに余裕は全くなく、その行動は性急に進められる。
いくつかのボタンが外れ、開いたパジャマから肌が僅かに見える。そこに唇を押し当ててから、ジェイドはピタリと手を止めて、無造作に置いてある手を取ると胸へと当てる。
「脱がせて下さい」
無言のまま頷いて、ゆっくりとワイシャツのボタンを外す。全てを外し終え、露わになった胸板や腹筋に時折見られる傷跡へ手を添えると、ジェイドが僅かに驚いたような表情を見せてから微笑んだ。
「…気になりますか?」
「うん。だって、痛そうだったから」
言葉の直後に身体を起こすと、ジェイドも身体を起き上がらせる。そんなジェイドの上に乗ると、肌蹴ているワイシャツを脱がせ、ベッドの下へそれを落とすと肩から見える傷跡にそっと唇を当てる。そしてそっと舌を這わせると、ジェイドの身体が僅かに反応した。
背中へと回っている手に少しだけ力が籠る。反応してくれた事に気を良くして、更に肩から腹筋へと移動し、再び舌を這わせれば腹筋がヒクリと反応した。同時に、ボトムを押し上げて痛い程までに張り詰めている性器に気付き、傷跡への愛撫は止めずにベルトを外してジェイドの性器を取り出そうとすると、ジェイドがそれを拒んだ。
「アニス」
「お願い、させて…?したいの」
我ながら、何故こんな事を言ったのかはわからなかったが、その時はどうしてもしたいと思ったのだ。だが言い出したものの、経験すら数える程しかしていない自分がこんな事をした事はない。
どうしていいのかわからず、性器を取り出してから手を進めずに俯いていると、ジェイドが顔を覗き込んだ。
「どうしました?」
「あの、したいなんてお願い言ったんだけど…した事ないの。だからどうしたらいいのかわからなくて」
自分から言い出したのに何も出来ない事が恥ずかしくなり顔を背ける。そしてごめんなさいと一言謝り、手を引こうとした時、ジェイドの手がそれを止めて再び触れさせる。驚いて顔を見るとジェイドが微笑んでいる。
「いいですか、アニス。まずは全体をよく舐めて、次に先端の方にある少し窪んだ部分を舐めてみて下さい」
言われるがままに舌を這わせる。初めてのそれは、友人から言われたように苦かった。だが、その事に関しては触れずに、先程言われた通りに先端へと舌を滑らせると、性器がビクリと反応した。ここがジェイドの感じる所なのだと理解して何度も攻め立てれば、やや汗ばんだ手が髪に絡んだ。
「そう…そのまま、出来る限り咥えて。唇で扱くんですよ。時折吸ってもいいかもしれません」
ジェイドの言葉を受け入れて喉奥まで咥えると上下に扱こうとする。だが、中々上手くする事が出来ない。一度咥えていた物を離してから先端を咥え直し強く吸うと、再びジェイドが反応した。それと同時に、口の中から性器が引き抜かれる。
「っふ…気持ち良くなかった?」
「いいえ。そんな事はありませんよ。ただ…イクなら貴女の中がいい」
照れたような表情を見せるジェイドを見て、自分の拙い奉仕で感じているのだと実感すると、顔に熱が集まってくる。
紅潮した顔に唇が押し当てられてから、ジェイドが身体を押し倒す。先程脱がしかけたパジャマのボタンを全て取り払うと一気に脱がせた。
それを乱暴に床へ投げてからズボンと下着を脱がせると、露わになった秘部へと指が滑り、中へと一気に侵入して来た。先程から潤っていたそこは、二本の指を簡単に受け入れる。
中へと侵入した指は、探るように動いている。それに反応して僅かに喘ぐと、ジェイドがクスリと笑った。
「腰、動いてますよ?」
先程から何となく動いている事はわかっていたが、指摘されると恥ずかしい。顔に熱が集まるのを感じながらもジェイドを睨むが、効果は全くないようで、意地の悪い笑みを崩さない。
更に反論しようと口を開くが、丁度中の指が一番感じる部分を擦るように愛撫された為に、喘ぐ事しか出来なかった。
その反応が一際大きかった為か、ジェイドがそこが弱い部分であると気付いたようで集中的に愛撫が加えられる。次第に反論しようとしていた事も忘れて、ただ目の前にいるジェイドの首に腕を回してしがみ付いているしか出来ない。
頭の中も真っ白になりそうな感覚――絶頂が近いようだ。頭で何かを考える事も出来なくて、自分が何を言っているのかもわからない。
ジェイドが深く口付けてきたのと同時に絶頂へと導かれ、それと同時に気が遠くなる。暫くしてから唇が離れるとジェイドは微笑んだ。
「…潮、噴きましたね」
「ん…って、え?」
驚いて足を動かすと、僅かにシーツが濡れている。いつもの絶頂と僅かに違ったのはこの為だったのだと理解しながらも、シーツを汚してしまった事に気付いて慌てた。いくら情事の最中であっても、お世話になっている人の家の物を汚してしまうなんて失礼だ。
「あ…ごめんなさい。シーツ、汚しちゃった…」
「いいんですよ。こういうのは生理現象ですから仕方ありません。それに、シーツは洗えばいいのですから。これが終わったら取り換えましょうか…いや、面倒ですね。私の部屋で寝ましょう」
黙って頷くと、ジェイドは頬に口付けて、性器の先端を秘部へと押し付ける。何度か上下に動かされてから一気に挿れられる。
急な圧迫感は、指とは比べ物にならない。思わず生理的な涙が頬を伝う。根元まで挿入されてからジェイドが目尻へと口付ける。そして心配そうな声が耳元で囁かれた。
「…アニス、アニス。大丈夫ですか?」
「うん。ちょっと苦しかっただけ。もう…大丈夫だよ」
そうですか、と一言返事が聞こえたかと思えば、根元まで侵入した性器がギリギリまで引き抜かれ、再び挿入される。それは何度も繰り返され、その度に今までに感じた事がない程の快楽が全身に伝わる。
あまりの激しさに思わずジェイドの背中に爪を立てた。すると、中へと侵入しているジェイドの性器が質量を増やした。
ふと、汗で手が滑り背中から手が外れる。ジェイドはその瞬間に片足を掴むと肩に担ぐ。それによって更に深く繋がると無意識に中を締め付けてしまう。僅かに苦しそうに顔を歪めたジェイドが一際奥まで深く侵入した時、快楽の波に完全に飲まれ、絶頂を迎えた。
その後、小さな呻き声と共に、中に熱い欲が放たれた。
「もしもの時は…責任、取ってくれるんですよね?」
「そのつもりです。そうでなければこんな事しませんよ」
そして絶頂のしてもなお残った熱を伝えるように、ジェイドはそっと口付けた。








ジェイドの部屋は、自分の居た客間の隣にあり、質素な机と椅子、そしてクローゼットが一つ。客間と作りはほとんど違いがないようだ。
あるとすれば、ベッドの大きさが僅かに大きいというくらいだろう。そうして部屋を見回していると、自分を抱き上げているジェイドが上から笑い声を漏らす。
「何か、珍しい物でもありましたか?」
「ううん。あまりにも質素だなって…」
「まぁ、着替えるか寝るだけの部屋ですしね。それより疲れたでしょう?もう寝ましょうか」
客間よりも大きいベッドへ下ろされ、その隣にジェイドが身体を横たえる。ジェイドの顔が近い事で先程の情事を思い出して急に恥ずかしくなった。
顔を見ていると更に思い出してしまいそうで俯いていると、ジェイドの手が頭を撫でた。
「アニス、顔を上げて下さい」
その声に従って顔を上げると、ジェイドに小さな箱を渡された。
開けてみて下さい、と言われるままに開けると、以前自分が見ていた石の一つが嵌めこまれているピンキーリングがある。
「大佐、これ…」
「氷翡翠、というらしいですね。以前見ていた時からプレゼントしようと決めていたのですが、中々渡せなかったもので。ピンキーリングは、右手の小指から入って左手の小指から逃げて行く幸せが逃げないようにという意味があるようですよ。
翡翠はJade(ジェイド)。つまり、貴女の幸せは私が守るという事ですよ」

守る――。

その言葉が嬉しくて、涙が零れそうなる。それを堪えてから、箱の中にあるピンキーリングを取り、左手の小指へ嵌めた。そして、その左手をジェイドに見せてから口を開いた。
「嬉しい。ずっと大切にするよ」
そのままジェイドの胸へと顔を埋めれば、ジェイドの手が背中へ回される。
ジェイドから伝わる熱が心地良くて目を閉じれば、ジェイドの唇が自分のそれに触れる。それは、まるで離れたくない意思を表すかのように長く長く続いていた。




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