6.軋む音
部屋の空気は情交を表すように濃密で、それだけでも酔ってしまう程だ。加えてギシギシと軋むベッドのスプリングが、情交の激しさを物語る。
少女を抱いてからどれ程の時間が経過したのかはわからないが、目の前で力無く、されるがままになっている少女の姿から、相当な時間が経過している事だけは理解出来る。
「や、だ……た…すけ…」
掠れた声で懇願する少女の頬を、一筋の涙が伝った。無言で掴んだ腰を引き寄せて、更に深く繋がると、悲鳴にも似た嬌声が口から零れる。
「…貴女が招いた結果ですよ。嫌だ、助けて、等と言われても受け付けません」
そうだ。元は少女が悪いのだ。自分をこんなにさせる程にまで、好きにさせてしまったのだから。
いつもならば自分の歳を口実に、ここまで長い情交はしない。だが、この小さな少女相手で、しかも他の男が少女に触れたなんて事があれば、全力で嫉妬をぶつけたくもなる。
「あっ――…」
自身を奥へ導くと、絶頂により少女の中が収縮する。その締め付けに耐え切れずに自分も絶頂を迎えると、少女は気を失った。否、疲れて寝てしまったとも取れるかもしれないが。
後始末を済ませ、小さな身体に毛布をかけると、瞳から溢れ出した涙を掬い取った。
「愛してますよ。アニス」
明日が出発の予定だったが、動けない少女のせいで遅れるに違いない。仲間達への言い訳を考えながらも、少女に寄り添うと、眠りにつこうと目を閉じた。
大佐の嫉妬話です。さりげなくダアトでイオン様が死んだ時、ルークに抱き着いた事に嫉妬してたらいいのにとか思っています。
でも鬼畜っぽくてアニス可哀相ですかね。