おねがい



ひとしきり愛し合って眠った夜、龍之介の上に重なりながら悠理は目覚めた。
何度も何度も達したあとの名残で、まだ身体が芯から熱を発しているような、気だるさが心地よい。
暗闇にだんだん目が慣れてきて、悠理は自分の下で眠る龍之介の寝顔を見上げた。
龍之介は、悠理を身体の上に乗せているのもまったく平気なようで、
それどころかまるで、寝るのが仕事の仔猫のような呑気な顔で寝ている。
いつものごとく可愛らしい寝顔だが、なんとなく憎たらしい。

・・・さっきまで、あ~んなにあたいにエッチなことしておいて、
どーしてこんなに無邪気な顔で寝てられるんだ、こいつは。

悠理は、先ほどの激しい睦みごとを思いだし、一人暗闇の中で頬を染めた。

・・・龍之介とエッチするときって、何かいっつもあたいは主導権取られっぱなしだよなぁ。
あたいの方がいっつもキモチヨクされてるってゆーか。
りゅうのエッチがすっごく上手ってのもあるけど、あたいももっとりゅうのキモチイイ顔見たいんだけどな。
りゅうのキモチイイ顔ってゆーと、やっぱり“アレ”舐めてあげたときだよね♪
・・・だけど、りゅう、あまり舐めさせてくんないんだ。
キモチヨクない?って聞いても、良過ぎるんだって、いっつもワケわかんないこと言ってごまかすしー。
キモチイイことはキモチイイみたいなんだけど・・・なぁ、どーなんだ?

悠理は、呑気に寝続ける男の鼻をつんつんと突付いた。
だが、そこで悠理は、ある悪戯を思いつき、そーっと龍之介の身体から裸のまま起きあがると、
ベッドの回りに脱ぎ散らかしていた服の中から黒いタイツを拾い上げた。
二、三度、ぐいぐいと横に引っ張って、その強度を確かめると、
悠理は、ぐっすりと眠っている龍之介の手をそれぞれ静かに持ち上げ、ゆっくりと縛り上げた。
いくら悠理に心底、心を許している龍之介とはいえ、手首を縛られ、
ベッドに括り付けられようとしているところで、目を覚ました。

「あ・・・?えっ?悠理?何してんの?」

まだ半分寝惚けた状態の龍之介が自分の置かれている状況を把握するのに、数秒もかからなかった。
が、当然、戸惑いは隠せなく、先ほど存分に味わった裸のままで自分に跨って、
にっこりと微笑む悠理に恐る恐る尋ねた。

「あの・・・オレ、もしかして縛られてる?」
「うんっ!もしかしてなくても縛られてる~!」

悪びれることなく、素直に答える悠理に、龍之介は再び尋ねる。

「・・・一応聞くけど、何で?」
「あたいがそーしたいから。だ・か・ら♪自分で外すなよ?」

手錠でも、荒縄でも、ましてやタイツからなど、抜け出すことは朝飯前の龍之介に、
悠理は優しく、だがしっかりと釘を刺した。

「外すなって言われても・・・オレにはこんな趣味は・・・」
「ねぇ・・おねがぁい・・・」

その甘えた声と共に、指先をつぃーっと胸元を滑らされながら、ちゅっと軽く可愛らしいキスをされた。
龍之介の背筋をぞくっと何かが走る。だがそれが、快感なのか、悪寒なのかは今はまだわからない。
・・・が、この男、どんなに強面のヤクザに強くても、悠理の“お願い”には滅法弱い。
可愛い笑顔と裸の前では、ごくん、と唾を一回飲みこんで、ただ頷いてこう言うしかなかった。

「・・・わかった」

後で、自分がそう言ったことを後悔するとも知らずに。





悠理は龍之介の返事に満足そうに妖しい笑みを浮かべると、その胸にそっと舌を這わせた。

「ん・・っ・・・」

思わず声を漏らした龍之介と悠理の目が合う。頬を染めて先に逸らしたのは龍之介。
そんなすっかり初心うぶな反応の龍之介に、悠理は口元だけでくすりと笑って、
そのまま舌で小さな乳首をなぞる。
女性のそれに比べれば、それほど感じる場所ではないが、
愛しい女にされているコトと思えば、感じないはずがない。
龍之介は、声を出すのを堪えようと、その眉間を歪めた。
それに気づいて悠理は、少しだけ顔を上げた。

「りゅう、声出すの我慢しちゃだめだぞ・・・?あたいにはいっつも声聞かせろって言ってるだろ・・・?
あたいも、りゅうの感じてる声聞きたいんだー・・・」

悠理は、また俯くと、今度はもう片方の乳首を舌で弾いて、その輪郭をなぞるように舐ると、
今度は口に含んでちゅ・・と軽く吸った。
その舌使いは、いつも自分が悠理にするのに似ていて、龍之介は我慢できずに声を上げた。

「ぁっ・・く・・・ゆう・・り・・・」
「りゅう・・キモチイイ?」

その質問に答えるべく、悠理を抱き締めたくて引いた両手が、
ぐんっ!とベッドに括り付けられたタイツに囚われる。
“わかった”と言った手前、自分で外すわけにもいかず、
思うようにもならないもどかしさに、龍之介は足をジタバタさせながら、咆哮にも似た叫びを上げた。

「あ゙~!!!悠理っ頼むっ!外してくれっ~!」
「だめぇ♪」
「ゆぅりぃ・・・」
「もぉ、情けない声出すなぁ~!まだまだイイコトが残ってるんだからぁ・・・」

悠理の手が龍之介の股間に伸びた。
その感触に龍之介は再び唾を飲みこんだ。

「・・・イイコトってまさか」

悠理の手が、剥き出しのままだった龍之介のそれをきゅっと握った。

「うふふ、いっぱい舐めてあげるからね~♪」
「そ・・そんな、いいって!いいってば!そんなことしなくたって!」
「りゅうがして欲しいとかして欲しくないとかは、とりあえず今はカンケーないんだ。
あたいがしたいからするんだも~ん」
「・・・そんな」

悠理のくちびるが龍之介のそれを口に含もうとしたその瞬間、悠理は急に顔を上げた。

「・・・でも、ちょっと“舐めて”ってお願いして欲しいなぁ。ねぇ、お願いしてみてよ」

自分がしたいからと言ってほぼ強制的な割りに、なんともおかしな言い草だ。
龍之介は口をへの字に結んで、ぶんぶんと頭を横に振った。それでも悠理はあきらめない。

「“舐めて”って言ったら、手ぇほどいてあげるから」
「・・・ほんとに?」
「ホントに♪」

にっこりと向けられる笑みに嘘があるわけがない。
そう思って、龍之介は恥ずかしそうに小さくつぶやくように言った。

「・・・
舐めて
「だーめ、あたいにちゃんと聞こえる声で言う!それからもっとお願いする感じでー」

龍之介は、くっそぉ、これ外したら覚えてろよ・・・と思いつつも、
意地悪な悠理の要求にしぶしぶ応えるように、再び同じ言葉を言った。

「・・・舐めて」
「何を舐めて欲しいかも言って欲しーなー」
「・・・・・・。」
「・・・ほーら。言って」

龍之介は、恥ずかしさで身体中の血が顔に集まってきているような感覚に打ち震えそうになった。
しかし、手が自由になればどうにか立場の逆転へ持って行ける。
龍之介は、そう信じ、その恥ずかしさを出来るだけ見ない振りをして、やっと言葉を紡いだ。

「・・・オレの・・・××ピーを舐めて・・・・・・・言ったぞ。ほどいてくれるんだろ?」
「うんっ、わかってるよ!でも、後でね~!」
「なっ・・何!?」
「だぁって~、やっぱりそんなにお願いされたら舐めてからじゃないとぉ~」

龍之介は悠理の無邪気な笑顔とそのごく単純な策略に、まんまと嵌ったのだった。





悠理のてのひらと指先が、やんわりと龍之介のそれを包みこんで、ゆっくりと上下に動く。
目覚めたてのそれも、先ほどから続けざまに悠理から与えられる甘美な刺激に、
次第にその芯を強くしていた。

「うふっ・・・おっきくなってきたぞ?」

悠理の嬉しそうな声とは裏腹に、龍之介の表情はまんじりともしていない。

「・・・だからー頼むって~~!!!外してくれよ~~!!!」
「だーめ。外したらりゅう、すぐに自分が主導権握るつもりだろぉ?それに、さっき龍之介は、
あたいのお願いに、“わかった”って言ったんだから、絶対に自分じゃ外しちゃダメなんだからな?」

話をしている最中も、悠理の手指は、龍之介のそれを玩ぶように擦り上げる。

「あぁ・・っく・・ぅ・・・」

龍之介は頬を染めながら、我慢できずに漏れてしまう声を、縛られ固定されている自分の腕に埋めた。

「・・・我慢しちゃダメだって言っただろぉ?」
「・・・や・・っ・・やなこった。こんな状態でされるなんて男としてのプライドが・・うく・・っ・・・」
「でもなんか、我慢してる顔もカワイーな♪すっごく感じてるんだなってわかるもん・・・」

悠理は真っ赤な顔をしている龍之介を見つめながら、囁くようにそう言うと、
その手の中でそそり立っている龍之介のそれを、ゆっくりと口に含んだ。
くちびるで挟むようにして、その頭の部分をはむはむと味わう。
歯を立てないようにしながら、口と舌で全体を包むように咥え、上下にゆっくりと頭を揺らす。
食いしばる口元から漏れ聞こえる、声にならない龍之介の声を耳で楽しみながら、
悠理は舌先を尖らせ、龍之介の先っぽを弄り、そのまま裏筋まで舌を滑らせた。
龍之介は自分が口にした言葉の枷で外すに外せないタイツの手錠を、ぐいぐいと引く。
だが、引くたびに手首に食い込むタイツの痛みは、悠理のくちびるや舌から伝わるねっとりとした感覚に、
麻薬か麻酔薬を、もしくは媚薬をかがされたように、まったく感じることはなかった。
悠理はさらに龍之介の芯を丁寧に舐め上げて玩びながら、その手は根元の部分を柔らかく握って、
二つの袋をさわさわと揉む。

「あ゙・・っく、だっダメだっ・・そこはぁっ」

龍之介の身体がぴくんと震えたのを感じ取り、悠理はスパートをかけるように最も感じる場所を吸い上げた。
龍之介の脈動と、何かがバチンと弾ける音は同時だった。
悠理の口の中は、先ほど何度も悠理の身体に吐き出した分を考えても、多くの白い液体が溢れた。
それをこくんと飲み干して、口元に零れたのもぺろりと舌で舐め取り、悠理がそっと顔を上げると、
いつのまにかタイツの手錠の緊縛から逃れていた龍之介に抱き締められた・・・というよりは囚われてしまった。





「さて・・・どうにか主導権は取り戻せそうだな」
「・・・ずるいよ。外しちゃだめだって言っただろ・・・」
「・・・外してねぇっての。ほら」

龍之介は悠理を片手で抱いたまま、もう片方の手を見せた。
ベッドに囚われの身にしていたタイツの手錠は、手首に絡みついたままですっかり引き千切られていた。
龍之介の引っ張る力に耐えきれず、ほつれていた部分から切れてしまったようだ。
だが、悠理はそのことよりも、すっかりタイツに擦られ赤くすり切れていた龍之介の手首に気づき、
まだその両手を縛りつけていたタイツの切れ端を、慌てて外した。
そして、少し泣きそうな顔で龍之介を見上げた。

「・・・ごめん、りゅう、ごめんね。痛くない?」
「・・・へーき。悠理にイイコトされてたからそんなに感じなかった。でもな・・・?」
「でも?」
「オレはされっぱなしはキライだ」

悠理が掴んでいたはずの龍之介の手は、いつのまにか逆に悠理の手首を掴んでおり、
そうしながら龍之介は悠理にくちびるを重ねた。
悠理の舌に、自身の体液の味を微かに感じたが、構わず深く深く舌を絡めた。
そして悠理の胸をやわやわと揉みしだきながら、その身体を完全に組み敷いた。
悠理のくちびるを離れた龍之介の舌は、容赦無く悠理の身体中を這い回り、
さっきまで縛られていた手は、悠理の脚の付け根へと滑った。

「あぁん・・ぃゃぁ・・・」
「悠理、ここ・・濡れてるんだろ?お前が跨ってたオレの膝まで溢れてきてた」
「う・・うそだぁ・・・」
「んじゃ、悠理の身体に聞いてみるぞ・・・?」

龍之介が言うとおり、龍之介を弄びながら、
悠理は自分でも知らないうちに、龍之介の膝に自分のそこを擦りつけていたようで、
龍之介の指の動きに合わせるように、悠理のそこは正直な音をたてた。

「・・・ほら、もうこんなになってんじゃんか」

形勢は完全に逆転した。溢れる悠理のそこに埋める指を、龍之介はさらに増やしていき、
その感触と共に、自分の身体がたてる、さらに卑猥な音が悠理の耳にも届く。

「ぁああん・・っ・・!」
「まいったな・・・散々やった後だし、悠理に飲まれたばかりだから、
ちょっと休憩もらわないと、今すぐここにオレのを入れるってのは無理だよなぁ」

中指と人差し指をぐいっと奥に沈めて、円を描くように内壁を擦り上げながら引き上げる。
龍之介は、自分にしがみついている悠理の顎を胸を弄っていた方の手で触ると、自分の顔に向かせた。





「指でいじられてるだじゃ我慢できねぇだろ」
「・・・や・・ん」
「・・・悠理も舐めて欲しいか?ここ」
「・・・ばかぁ」

悠理から溢れたとろとろした液体で濡れた龍之介の指は、さらに悠理の身体をさぐって、
すっかり腫れて敏感になっていた陰核クリトリスを見つけた。
一番感じる部分に指を擦り付けられて、悠理はむずがるようにいやいやをした。

「もぉ・・・意地悪ぅ・・・」
「オレだって意地悪されたもーん。
でも、ま、いーや。意地悪に意地悪で返すのはさらに意地悪だもんな・・・」

龍之介は組み敷いていた悠理から身体を起こすと、自分の指が埋まっている悠理の股の付け根に視線を落とした。
その視線に気づいて、悠理は思わず両股を閉じた。だが閉じても龍之介の指は悠理の中を蠢いている。

「閉じんなよ、見てんだろ?」
「や・・だぁ・・・見んなぁ・・恥ずかしいよぉ」
「しょうがねぇなぁ・・・よいしょっと」

龍之介は悠理から指を抜くと、閉じられた悠理の両股と腰を持ち上げ、自分の肩と膝に乗せた。
悠理の濡れそぼったそこは龍之介の目前で開かれた。

「こんなカッコやだぁ・・・」
「そう?悠理のココ・・すっげぇ可愛いけどな」
「りゅーのばかぁ・・・そんなに見ちゃやだってばぁ・・・」
「見てないってば・・・」
「うそだぁ・・見てるぅ・・・」

その返事の代わりに、龍之介はくちびるで悠理のそこにそっと触れた。

「はんっ・・・」

柔らかく押し付けられるくちびるの感触に、悠理は微かに背中を跳ねさせると、
自分の股に顔を埋める龍之介の髪に触れようとした。
が、途端に龍之介の舌が悠理の中に差し込まれ、溢れるものを啜りはじめると、
指で触れられるときとは少し違う、だがさらに卑猥な音が悠理を震わせた。





「りゅ・・う・・・やだぁ・・ぁ・・ぁん・・・」

悠理の声の艶は、言葉ではヤダと言ってはいても、本当には何もいやがっていないことを龍之介に伝える。
龍之介はさらに自身のくちびると舌を悠理の奥へと進めた。

・・・や・・だ・・りゅうの鼻が・・な・・んかヘン・・なとこにあたってる・・・っ

悠理のそこを夢中で舐めている龍之介の鼻が、
先ほど散々指で弄られて敏感になっている悠理の陰核にダイレクトに擦りつけられており、
その硬い骨ばった感触が悠理をさらに乱した。

「あ・・っ・・あ・・ああ・・やぁ・・っあぁああんっ!」

気をやり、汗ばんでくったりと脱力した悠理の腰を膝から降ろし、龍之介は再び悠理に身体を重ねてきた。
そして、息を付く隙も与えぬように荒荒しくくちびるを貪った。

「ん・・っ・・あ・・
・・む・・・」

ついさっきまで自分のそこを舐めていたその龍之介の舌は、おそらくは自分の味。
だが、それを言うのなら、龍之介もその前のキスで自分のそれを舐めた悠理のくちびるを味わったはずである。
悠理も躊躇うことなく、龍之介の舌に自分の舌を絡めた。
深く口付けを交わしながら、悠理は龍之介のそこが再び芯を取り戻しているのに気づいた。

「りゅ・・う、休憩はもぅ・・オシマイ?」
「・・・あぁ、そうみたいだな。入れるぞ?」
「ん・・来てー・・・」

龍之介は自身のそれを握ると、悠理の中にゆっくりと埋めていく。
その間、悠理はきゅっと目をつぶる。

「なぁ・・どうしていつも目ぇつぶるんだ?」
「だったら・・目ぇ開けてどんな顔すればいーんだよ」
「オレのこと見て、好き好きって思ってればいいだろ?いつもみたいに」
「あたいっていつもそんな風?」
「うん。そんな風」
「・・・そーゆーこと思ってるときのあたいってどんな感じ?」
「もぉ、むちゃくちゃ可愛い♪」
「・・・ばかぁ」

照れくさそうに、でも嬉しそうにはにかむ悠理を見下ろし、龍之介も嬉しそうに笑みを浮かべた。
悠理は両腕を龍之介の肩に回してしっかりと抱きついた。

「・・・りゅうのこと、大好き♪」

その囁きは龍之介を突き動かす大きな原動力へとかわった。





「悠理、腹減っただろ?」
「・・・なんでわかったの?」
「いつものことだもん。軽くスープでも作ろうか。飲む?」
「うん。飲む!」

龍之介はパジャマの下とTシャツ、悠理は龍之介のパジャマの上を着て、
夜中のダイニングキッチンで2人は並んで座り、
大き目のマグカップいっぱいに入った熱いコーンスープを、ふぅふぅしながらずずっと啜った。
半分ぐらいを飲み干して、その暖かさに身体がぽかぽかしてきた悠理は、ふと隣に座る龍之介に尋ねた。

「・・・ねぇ、りゅう?」
「んー?何?」
「・・・あたいのアレ、ヘタ?」
「アレって?」
「・・・あたいがりゅうの・・アレ舐めるの」

いきなりそんなことを言われた龍之介は、飲んでたスープが変なところに入ったらしく、
ごほごほとむせてしまった。

「だっ、だいじょーぶっ!?」
「・・・だ、大丈夫。」

口のまわりに少し零れたスープを拭いながら、龍之介は隣の悠理を見つめた。

「・・・何でヘタだなんて思うんだよ?ま、あんな状態でされるのには正直参ったけどさ」
「・・・だってー、りゅう、いつもあたいが舐めてあげようとするといやがるだろ?
だから、あたいヘタなのかな、って」
「・・・ヘタじゃねぇよ。現にオレはお前に何度もイカされてんだろ?」
「でも・・・」
「オレが悠理にあまり・・・アレをさせないのは、
オレのあんな兇悪なのを悠理にしょっちゅう咥えさせるのは気が引けるっつーか・・・」
「・・・きょーあくじゃないもん。りゅうのアレは可愛いもん!」
「へ?」
「・・・可愛いってゆーか、なんか逞しくて、すごくスキなんだもん。
アレするのだって、あたいがホントにしたいと思うからしてるんだ。気が引けるなんてゆーな・・・」

悠理は頭をもたげて、龍之介の胸に寄り添い、
龍之介は飲みかけのマグカップを置くと、悠理の細い肩をぎゅっと抱き締めた。

「あのな・・・理由はもう1個あるんだ。なんつーか・・・気持ちよすぎてクセになんないようにっていうか」
「・・・クセになりそうなぐらいイイのか?」
「あぁ・・・すっげぇイイ。」

自分の腕の中から見上げる悠理の顔に、龍之介が照れくさそうに答えると、
悠理の顔が見る見るうちに嬉しそうに輝いてきた。

「じゃ・・・クセになっちゃえばいーのに」
「まぁなぁ・・・確かにアレしてくれた後の悠理、むちゃくちゃエッチで可愛いもんなぁ?
触ったら蕩けそうな顔しちゃってさ♪」
「・・・クセになるって、そーゆうことぉ?」
「ま、全部ひっくるめてだけどな?」
「てことは・・・また・・してもいいのか?」
「手錠がナシなら」
「だけど、それじゃぁ、すぐに龍之介に主導権取られちゃう・・・でも手錠はもうしない。
もう、りゅうの手、痛くしたくないもん・・・」

そういうと悠理は龍之介の手を取って、まだ微かに赤い手首をそっとさすった。
そうする悠理を、龍之介は優しく見つめた。

「悠理・・・」
「・・・ん?」

急に名前を呼ばれて見上げた悠理に、龍之介はさらりとくちびるを重ねた。
2人はしばらくそのままでいた。
真夜中のキッチンで交わすキスは、どんなスープよりも暖かかった。


いっぱいエッチさせても、結局最後はほのぼのなラブラブにしてしまうというところに、
まだまだ照れが隠せてねぇな・・・。


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