テストが明けて2



「りゅーのすけーっ!!!テスト終わったぞぉっ!!!」
「おー!悠理、お疲れさん・・・ん!?」

部屋のドアを開けた龍之介は、いきなり悠理に飛びつかれた。
慌てて受け止めると同時に、くちびるも奪われた。

「ぅん・・・・ん
・・・んんん・・・」

2人はもつれ合いながらゴンゴンいろんなとこにぶつかりつつ、居間のソファへと倒れ込んだ。
そんなこともお構いなしに、情熱的なキスを夢中で続けていた2人は、
ようやくゆっくりと、くちびるを離すと、
2人のくちびるとくちびるを、混ざり合った唾液の糸が繋いだ。
久しぶりに会った勢いで、つい自分からこんな激しいキスをしてしまった悠理は、
照れくさそうに、手の甲で軽く口を拭って、自分の身体の下にいる龍之介の顔を見つめた。
久しぶりに間近で見るその愛しい顔は、どこも変わりなく、悠理の心をトクトクと疼かせた。

「・・・いきなり驚くじゃないか」
「だって・・・すっごく会いたかったんだ」
「うん・・・」
「龍之介、あたいのこと忘れてなかった?」
「忘れるヒマなんかなかったさ。毎日、悠理のテスト結果を心待ちにしてたんだから」
「どーいうこと?」
「みんなが、毎日オレにお前のテストの結果を知らせてくれてたんだよ」
「・・・そーだったのか」
「でも、ずっと会えなくて寂しかったよ・・・」

悠理は嬉しくなって、龍之介の胸に猫の子のようにぐりぐりと顔を埋めた。

「・・・あたい、すげーがんばったんだよ?」
「・・・ん。えらかったな」

龍之介は、優しく笑みを浮かべて悠理の頭をくしゃっと撫でて、
そこにやんわりとくちびるを落とした。
久しぶりのその感触に、悠理は目を閉じた。
龍之介の温度がゆっくりと身体に沁みてくる。

「・・・ところで、悠理、腹減ってないか?悠理の好きなもの、なんだって作ってあるぞ」

確かにキッチンからは、食欲をそそるいい香りが仄かに漂ってきていた。
しかし、悠理には、最も食べたかったものが目の前にある。

「んー・・・でも、その前にぃ・・・」

悠理は、思わせぶりに龍之介を見つめ、その制服のリボンをするりとほどいた。

「・・・イイコトしたいな」

久しぶりに見る、悠理のそんな艶っぽい仕草は、なかなかそそるものがある。

「こら・・・そんな誘い方どこで覚えたんだ?」
「・・・“ここ”で覚えたに決まってんじゃん」

悠理は龍之介の両腕を自分の身体に巻き付けると、その胸に再び顔を埋めた。

「今日の悠理は随分と積極的だな・・・」
「だってー・・・がんばったんだから、ご褒美欲しいもん。
会えなかったから、ずっとお預けだったんだしー・・・ダメ、じゃないよな?」

件のご褒美に、悠理はどうやら、龍之介自身をご所望らしい。

「しょうがねぇなぁ・・・何でもご褒美やるって確かに言ったもんなー」

龍之介は悠理に押し倒された身体を起こすと、悠理のあごに触れ僅かに引いた。
今度は、先程悠理がしたような切羽詰まった感じではなく、急がず余裕を持って、
さりとて愛のこもった長く甘い口付け。
“する”んじゃなくて“される”キスに、悠理の先程の強引さが、まるで嘘のように大人しく従順になる。
そんな愛されている実感の湧くような、久しぶりのとろけるような甘いキスに、悠理は、ふぅとため息をついた。





キスはだんだんと艶を帯びてきて、
龍之介の手は、悠理の制服の中へと忍び込み、その細い腰をそっと掴んだ。
重ねたくちびるの中で悠理の息が僅かに乱れる。
龍之介は、そんな悠理の頬にそっと触れた。温かい。

「・・・悠理、やけに顔赤いな」
「・・・久しぶりだからかな・・・少しドキドキしてるかも」
「ドキドキしてる?どれ・・・」

龍之介は制服の上から悠理の左胸にそっと触れた。
触れられた瞬間、悠理の身体が0.1mmほど飛び上がった。
その反応はまるで生娘のようだ。逆に龍之介の方が驚いている。

「おい・・・そんなに驚くことないだろ?」
「だってー・・・」
「何か、初めてした時みたいだな」
「気分的にはそんな感じ・・・かも」
「・・・じゃ、いっぱい優しくしないとな」
「ん
・・・」

再びくちびるを重ねながら、龍之介は悠理の制服のボタンを一つずつ外していった。
スカートのホックも外され、するりと脚を滑ると、悠理は瞬く間に下着姿にされてしまった。
こんなに簡単にこんな格好にされてしまうなんて、制服というものは案外無防備なものなんだなと、悠理は思った。
抵抗の一つもしないで、されるがままなのだから、当然と言えば当然なのだが。
テスト明け故に、勝負下着というわけにはいかないが、
その白いレース使いのブラとショーツは、なかなか清楚で逆に龍之介の男心をくすぐったようだ。
その証拠に、それ以上は脱がそうとはせずに、ゆっくりと、悠理の身体を仰向けに倒した。
悠理は恥ずかしそうに龍之介の視線から顔を逸らす。
顔を逸らしていても、龍之介が口元に笑みを浮かべているであろうことははっきりとわかる。
その指先がその形を確認するように悠理の身体のラインをなぞる。

「んぁ・・っ・・!」

それだけで、悠理は抗えない波に浚われそうになる。
ふと、その指先が離れる。
悠理は逸らしていた顔を、龍之介に向けた。

「・・・?」
「あ、ちょっと待てな」

そう言うと龍之介は、着ていたボーダーのラグランシャツを脱ぎ去った。
悠理はうっとりとその引き締まった身体に見惚れた。

・・・久しぶりの龍之介のハダカ。
うぁ・・・久しぶりばっかりであたい、どーにかなっちゃいそうだぞ!

久しぶりのエッチということもあるが、
ここしばらく、徹夜の試験勉強が続いていた悠理は少々寝不足気味でテンションが少し高くなっているようで、
悠理のやけに過敏な反応っぷりに、龍之介もそのことに気付いて、くすりと笑った。

「飯の前に軽くするだけのつもりだったけど、本気でヤリたくなった。いい?」

悠理が返事の代わりに小さく頷くと、龍之介は悠理を軽々と抱き上げた。

「りゅう・・・?」
「・・・じゃ、場所も変えような」

悠理は、これまた久しぶりに感じる肌と肌の触れ合う温もりを味わいながら、
しばらく龍之介の独り寝が続いたであろう寝室へと連れられた。





ふわりと、ベッドの上に降ろされた悠理は、龍之介のキスに再びくちびるを塞がれた。
キスは、徐々に位置を下げ、首筋や鎖骨の上を丹念に滑り出した。
ブラの上から大きな手のひらが悠理の胸を包み込み、
そのずっと待ちわびていた感触に悠理は、可愛らしい吐息を漏らした。
龍之介は、ブラのホックを外すのももどかしく、
悠理の胸を隠すその小さな布を、上にたくし上げると、
現れたそれは、龍之介に見つけられるのを待っていたかのように、すでに先端を尖らせて震えていた。

「初めての時みたいに、優しくするんだったっけ・・・痛いか?」

龍之介の問いかけに、悠理はただただ首を横に振った。
締め付けられる痛みよりも何よりも、ただただ切実に、悠理は龍之介に触れられることを待っていた。
ブラをたくし上げられたせいで、悠理の胸は少しだけいびつな形に変形していたが、
その分、寄せ上げられていつもよりもそのサイズを大きく見せている。
そのいじらしくも可憐な様子に、龍之介は両手で柔らかく包み込みながら、堪らずくちびるを寄せた。

「ぁんっ・・・」

まるで高貴なものに触れるかのような口付けの後、龍之介はその桜色の頂を口に含んだ。
舌先で弾きながら、その弾力を楽しむと、軽く歯を立ててみる。
その反応は、早くも悠理の吐息の乱れとして現れる。

「あぁ・・っ・・りゅうっ!ぁはぁ・・っ」

強く吸ってみる。
切れ切れの言葉を発し、悠理は身体をくねらせる。
細く長いその内股を擦り合わせる。
その間に手を滑らせ、ショーツのクロッチ部分に触れてみると、
そこはすでに湿り気を帯び、ゆるゆると絡みついて龍之介を受け入れようとしていた。

「・・・き・・て。今・・すぐ・・・」
「ん・・・」

悠理の潤んだ眸に頷くと、
龍之介はすでに憤っているであろう己の熱い塊を解放するため、腰のベルトを緩めた。





久しぶりとはいえ、十分馴染み深いお互いの身体である。
重ねてしまえばいつもと同じように、自然と身体は動くものだ。
悠理は、龍之介が入って来やすいように、そっと脚を開いた。

悠理は、龍之介が入ってくる間、じっと目を閉じている。
身体に、というよりも、子宮に、ずんっと響く。

「んっ・・・!」

全てが自分の中に納まったのがわかると、悠理はそっと目を開けた。
そして恥ずかしそうにささやく。

「初めてみたい・・・って言ってたのに、こんなにすんなり入っちゃった・・・」

悠理は自分がいつもよりも濡れていることを自覚して恥ずかしがっているようだ。
しかし、龍之介には、悠理のその恥ずかしそうな仕草だけで、
いつでも初めての時と同様の新鮮な思いで悠理を抱くことができるのだった。

「それでいいんだよ。それだけオレたちは馴染んでるんだからさ。
ほら・・・掴まって」

言われるままに悠理は龍之介の首に両腕を回した。
いつもの定位置。久しぶりの行為がどんどんいつもの行為へと戻ってくる。
それは決して新鮮味を失ったというわけではなく、やっと安心できる2人だけの世界に戻ってきた、そんな感じだ。
2人の間でぐちゅぐちゅと響く音も、
どんなにいやらしくても、恥ずかしくても、2人の交わす愛のオマケ。
悠理が息を乱しながら龍之介に言った。

「・・・どぉしよ、りゅーのすけぇ・・・」
「ん・・・?どうした、悠理」
「・・・がんばって勉強したコト、どんどん頭の中から流れていっちゃいそうだー」
「うーん・・・それは困ったなー」

しかし、龍之介が動きを止めると、悠理は赤ん坊がむずがるように身体をくねらせた。

「・・・やっ・・やだぁ、やめ・・ちゃヤダ・・・」
「わかった・・・やめないから」

龍之介は悠理の身体を起こすと、自分の膝に乗せ座位の姿勢をとった。
そして、悠理の背中に手を回すと、それまでずっとたくし上げられて、
悠理の胸を締め付けたままの白いブラジャーのホックをパツンと外した。
やっと解放された悠理の両胸は、小さいなりに可愛らしくぷるんと揺れる。
しかし、ワイヤー入りだったためにブラのあとが、まるで緊縛の痕のように、赤く悠理の白い肌に残っていた。
その赤い筋を指先でそっとなぞりながら、龍之介は悔やむようにつぶやいた。

「あー・・・赤くなってる。やっぱりすぐ外せばよかったな」
「大丈夫だぞ?痛くないしー・・・」
「でも、オレのキスマーク以外の痕が悠理に付くなんてさ・・・」
「・・・じゃ、上からキスマークつければいいじゃん」
「そーする?」
「・・・そーして♪」





再び悠理の胸の上に龍之介のくちびるが這う。
龍之介の膝が悠理を揺らす。悠理も自ら腰を揺らす。

ぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・・あぁぁ・・っ!」

龍之介に腰と背中をしっかりと抱きかかえられ、
身体を支えるほどの力も抜けてしまっても悠理はその快楽から逃れられない。

「だ・・・だめぇ・・・こ・・こんな・・・あぁぁ・・っ」
「気持ち、いい・・?悠理・・・」
「・・・ぃぃ・・」
「オレも・・」

2人は同時に高まりを覚え、龍之介の背後へと身体を倒した。

「りゅーう・・・」

悠理は龍之介の胸の上で甘えた声でその名を呼んだ。

「ん・・・?」
「りゅーう・・・りゅうっ!龍之介・・・」
「なーに?」
「・・・うふふ。」
「なんだよ?」
「・・・りゅう、大好きだ」

悠理は龍之介の身体をよじ登って、ちゅっとそのくちびるに軽くキスをした。
龍之介の頬がわずかに紅潮したのを、にししと笑いながら嬉しそうに見つめる。
それから、身体を起こして困った顔でお腹を押さえた。

「・・・どした?」
「んー、お腹空いた〜・・・」

気付くと2人がベッドに潜り込んでから、もうたっぷり2時間ほど経っていた。
龍之介も悠理につられて空腹を感じてきた。

「んじゃ、飯にしよっか」
「うんっ!」

悠理は側にあった龍之介が昨晩着たと思われるパジャマのシャツを裸の上に纏った。
大きめのそれは、悠理の太股まですっぽりと包みこみ、
何も着ないよりも、さらに色っぽく見える。

「・・・今晩は泊まってくから、ご飯のあとで、また・・・しような」

うふふ、と踊るように寝室を出てった悠理を見送って、
龍之介は一仕事終えた相棒につぶやいた。

「飯のあとで、また・・・だってよ。望むところだよなぁ?」

・・・さて、と。
飯の用意、してやらないとな。

龍之介はゆっくりとその身体を起こした。


そーいや、聖プレジデントの制服って、季節を問わずタイツ着用だった・・・。
制服脱いだだけじゃ、ホントは下着姿にはならないよな。
下着の上に直で制服ってのもしないと思うし・・・。
いや、悠理はそうなんだ!・・・ということにしておこう。

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