その夜、日付が変わったばかりと思われる頃、オレは単身、大敵ケイハ国の機密を知るためにある研究施設に潜入していた。
今回は様子見程度で終わらせる事になっていた。
まだ誰も踏み入れた事のない領域に侵入するからだ。
この国の重要な軍事基点の一つである組織。危険度はランクSだ。
以前、祖国サイハに侵入してきたスパイを尋問して得た情報を元に、まだスパイ仲間の誰も潜入した事のない場所まで、来る事ができた。
だが、敵はそんな簡単に潜入を許してはくれなかった。
機械技術が世界一発達していると言われるこの国で、自国では開発すらされていないようなセキュリティ装置に捕えられてしまった。
薄れていく意識、闇に飲み込まれていく視界の中、最後に見たのは研究員の不気味な笑顔だった。

どのくらいの時間がたっただろう。
次に意識を取り戻した時、辺りは暗闇だった。
(……?)
『気づいたか?』
男の声が聞こえた。
だが、それは、違和感があった。
耳から聞こえるという感じではなかった。
直接脳に響いてくると言った方が正しいように思えた。
『不思議に思っているようだなぁ、まあ無理もないか』
どこかふざけているような間延びした口調。
優秀な科学者程、頭のおかしい人間が多いから好きではなかった。
男が相手を侮蔑しているような、そんな調子で言った後、急に明るくなった。
ケイハの紋章入りの制服を着た男が、どこかの部屋で機械の操作パネルを叩いている姿が見えた。
だが、体が全く動かせない。
自分の手足の感覚がない。
(これは…?)
『無駄だよ、お前にはもう肉体はないんだ』
くくっと、視界に見えている男が小さく笑う。
いかにも外で運動はしていなさそうな、背の低い体、痩せこけた頬で、目元にくまができた顔があいまって不気味だ。
『ははは、お前は脳だけ取り出して、機械に埋め込んだ。セキュリティコンピュータの一部としてなぁ!
お前の考えている事は、オレが今いる操作室の機械で、お前の脳内の変化を読み取って、知る事ができるけどな』
(……そんな……!)
『今、お前がオレを見ることができるのは、お前の脳の視床に、オレがいる部屋のカメラの回線を繋いでいるからさ。
同じように、お前がオレの声や外部の音を聞く事ができるのは、お前の大脳皮質の聴覚野に直接コードを繋いでいるからさ』
愉快そうに男が笑った。
(貴様…!こんな事をするぐらいなら、殺せ…!)
『ふん、そう言うな。オレだって、考えがあってした事だ。まあ、見てみなよ』
男が手元のパネルを操作すると、男の部屋以外に、もう一つの風景が視界に入った。
それは、この建物の外だった。
夜の風景が視界に広がる。
『お前の視床は、外の監視カメラの回路にも繋がれている。遠くまで見通せるだろ?これでお前の国の者が侵入してきてもすぐわかるぞ。
口はどんなに嘘をついても、脳は嘘をつかない。お前は仲間を見れば、どんなに冷静でいても脳波は必ず一瞬変化する。楽しみだな』
そう言うと、男はまた一層不気味に笑った。

それからどのくらいたったか、正確な時間は分からないが、自分が帰る事はなかったため、ついに別の仲間が来てしまった。
夜の闇に紛れて、静かに近づいてくる。
心臓はもうないが、もしもあれば、破裂していたかもしれない。
あれは…
弟だ…
両親が早くに死んだ自分達の、お互いにたった一人だけの肉親。
だから、二人で生きてきたといっても過言はない。
家を出る前に、きっと無事に帰ってくるからと、約束した事が思い出される。
(ここに来たらだめだ…!)
だが、どんなに無心でいようとしても、僅かな感情の変化が、脳内物質の分泌や脳波の変化に顕れてしまう。
それをあの男はしっかりと見ていた。
『誰か顔見知りでも来たのか?今、お前の脳のアドレナリンの分泌量が変化したぞ』
また脳に直接声が響いてくる。
邪悪な笑い声がした。
『さぁ…誰が来たのかな。お前の記憶を探ってやろう』
男がコンピュータの画面を操作し始めた。
(……!)
記憶の奥底に、今発見した人間の事を沈めようと思った。
だが、電気信号がシナプスとニューロンの迷宮を侵入してくる。
やがて、男が口の端をくいっと上げて笑みを見せた。
『…そうか、今度のスパイはお前の実弟か。会いたいよなあ、大切なたった一人の家族だもんな。
連れてきてやるよ、ここまで。感動の再会だ』
自分のせいで、弟はすぐに捕まってしまった。
すぐに、自分の脳が埋め込まれたこの機械のある部屋に連れて来られる。
機械の一部になった自分を兄と認識できるわけもなく、ただ、何をされるかわからない不安に、ロックのかけられた部屋を見回していた。
『ふっふっ、お前の手で遊んでやればどうだ』
楽しそうな男の声が響いた。
(貴様……!)
そう叫んでも、どうする事もできなかった。
こんなにすぐ側にいるのに、ただ、動かされてゆく機械を眺めているしかない自分が、兄としてあまりにも情けない。
男が何かのスイッチを入れると、機械からたくさんのコードが伸び始めた。
「何…!」
思わず叫ぶ弟の体に、幾本もの太い機械のコードが伸ばされていく。
(………?)
コードが弟の体に触れた瞬間、まるで、自分が彼の肌に触れているような感触がした。
『驚いたか?このコードには、お前の脳の頭頂葉と繋がったファイバーが配線されているんだよ。まるで自分の指で触ってるみたいだろ?』
男が説明しながらパネルを操作して、さらに弟の体にコードを伸ばしていく。
弟の両腕は頭上でまとめて括られ、両足は大きく開かされてコードで固定される。
それを全て自分で行っているようだった。
弟の体を拘束しているという感触だけでも耐え難いのに、また別のコードがその体に近づいて行った。
引き裂かれていくボディスーツ。
生身の肌が顕になる。
「……くぅ…?」
裸にされ、コードで縛られ、宙吊りにされて、弟は呻いた。
『さあ、好きなだけ、触れさせてやるよ』
また頭の中で、あの男の声がこだます。
手元のパネルを操作しているのが見えた。
「あ…っ何を……」
全裸にされた恥辱に、かすかに声を震わせながら、弟が呟いた。
日々の訓練のおかげで逞しく引き締まった体に、今度は細い機械のコードが伸びていく。
その先端は、腕や足を縛った先程のコードとは違って、爪のようなものがついていた。
開脚させられて晒されている股間に、爪の部分を開閉させながら、コードが触れた。
(やめろ…!弟にこれ以上何かをするなら、全部オレにしろ…!)
弟の性器を弄るなんて。
もう自分には肉体はないはずなのに、睾丸の弾力がリアルに伝わってきた。
「ひい…ッ!」
睾丸を掴まれて、弟のかすかな悲鳴が響いた。
そのまま股間を弄くるコードとは別に、また新しいコードが尻の付近に手を伸ばし始める。
それは人間の指の太さと同じぐらいだった。
『なぁに、オレは優しいから、ゆっくり慣らしてやろうと思ってねえ』
面白そうに男が笑った。
弟の尻を犯す気だと、気づいた。
ぐねぐねとうねるコードが尻の肉を左右に割って、中に進んでいく。
内部に入れられたコードは締め付けられ、きついと感じた。
「ひ…ッ!」
金属のひんやりとした感触に、弟が身を強張らせる。
「うあぁ……っ!」
激痛に、弟は背を仰け反らせた。
慣らすといっても、ローションも何もない。
いきなり奥まで貫かれ、後孔からは血が流れていた。
そのまま血の滑りを利用して、コードは内部で回転し、振動し、徐々にほぐしていく。
『ちょっと痛かったかなぁ?』
小さく笑って男は、股間を弄っているコードの動きを変更した。
睾丸を握って刺激しているコードとは別に、新しいコードが亀頭を突付き始める。
「ぁう……っああ……」
痛みに萎えかけていた陰茎が、再び硬くなりはじめた。
「うあ…っ!」
再び甲高い声があがった。
後孔を進んでいたコードが、前立腺を突いたのだ。
『見つけたよ、イイとこ』
そう、確かにコードの感触は、最初の、狭い中を無理矢理突き進んでいる感覚とは、変わっていた。
狭いことに変わりはないが、それは弟の後孔がコードをぎゅうっと締め付け始めたからだ。
「あ…くぅ……はあ…ぁ…ッ」
前立腺をなぶられながら、前をすかれると、彼の悲鳴は完全に喘ぎに変わった。
厳しい訓練を潜り抜けてきたとは言え、生理的な快感はまだ克服できてはいない。
『ふはは、ケツも気持ちよさそうだな。他の部分もいじってやるか?』
(もうやめろ…!こんなこと……!)
そう思っても、男は鼻で笑って一蹴し、またパネルを操作した。
今度は人間の小指よりもさらに細いコードが、勃起している陰茎に向かっていく。
先走りのあふれ続けるその入り口に、ねじこまれる。
「ひい…ッ!」
いきなり尿道の奥まで侵入してくる異物の痛みに弟が悲鳴をあげた。
細いコードが尿道の中で後退と前進を繰り返し、内部を刺激していく。
「やめ……あぁッ!…ぃあ……」
それに、まだ陰茎や前立腺を嬲るコードの動きも止まっていない。
射精寸前の所を止められ、弟は涎を一筋垂らして、呻いた。
胸の方も、別の細いコードが乳首に絡み始める。
根元をきゅっと縛って、ぷくりと色付いた先端をつついたり、ぴしりと弾く。
「ぁ…嫌だ……ッ兄さん………っ!」
冷静さを失った弟が、自分を呼んだ。
(……!)
ここにいるのに、何もできない。
『あははは!可哀想になあ、お前のことを呼んでいるぞ。お前はこんなに近くで、こいつの陵辱を味わっているとも知らずに』
(陵辱させているのはお前だ……!こんな無意味な事、もう十分だろう!)
声帯は無く、空気中にさえ放出されない、この男にしか聞こえない言葉が、虚しく響く。
『そうだがなぁ、だがお前、弟の姿に心のどこかで興奮しているようだよ。脳内にドーパミンが僅かだが分泌されている』
(何……!)
『よぅし、今度はコードを、お前の快楽中枢にも繋いでやるよ』
男がパネルを操作すると、尻穴を犯しているコードから、別の感触がした。
締め付けられると、気持ち良い…
まるでセックスの時のように。
「んあぁ…ゃあ……ッ!」
弟は裸に剥かれ、足を大きく開かされ、性感帯をたくさんのコードで弄くられて、女のようによがっている。
確かに、今まで見たこともないその痴態は、どこか興奮を誘われるのかもしれない。
『おやお前、今度はノルアドレナリンとエンドルフィンも出てきたよ、ひどい兄だ。どうせなら、中も覗いて見るか?』
男はそう言うと、先端に小型カメラのついたコードを出した。
『今度のコードは、先端のレンズとお前の脳の視床を繋いである。お前の弟の姿を捉えたセキュリティカメラと同じようにな』
(く……っ)
また指の太さと同じぐらいのそのコードを、すでにコードが挿入されている弟の後孔の隙間にねじこまれていく。
淡い桃色をした入り口が蠢いている光景が映る。
さらに進んでいくと、肛門の内部の、収縮する肉壁が見え始めた。
『どうだ?よく動いているな、お前の弟の尻の中は。咥えるのに必死なんだな』
楽しそうな男の声がする。
敵に対する憎しみではなく、ただ純粋に実験や観察を楽しんでいるように。
「あう……はあぁ……ッやめ……」
二本のコードの別々の動きに、弟が翻弄される。
さらに奥まで、カメラ装着されたコードが進んでいく。
途中でズームアップされ、直腸の襞までもが見え始めた。
『面白いだろう?こんなに収縮を繰り返して。女の中もこんなんじゃないのか?』
からかうように笑い、男は、肛門内を移した画面から、室内を移した最初の画面に目を戻した。
『ふはは、涎と先走りでぐちゃぐちゃだな。もう一つ、試してやるか』
(今度は何を…!もうやめろ……!)
『あせるなよ、微弱な電流を流すだけさ』
男が手元のスイッチを押すと、弟を弄ぶコードから電流が放たれた。
「ひああぁ……ッ!」
後孔と乳首と尿道と睾丸に、電流の刺激が走る。
陰部に電気ショックを与えられ、弟の体がびくんと跳ねた後、小刻みに痙攣した。
(貴様…!)
『聞いたか?嬌声なんかあげてるぞ。しばらく電気でも刺激してやろう』
満足そうに笑うと、男は椅子から立ち上がった。
(待て、どこに…!)
『さあて、オレはそろそろ寝させてもらおう。機械は疲れる事がなくていいだろ?
コンピュータ操作をオートにしておくから、今晩は弟と遊び続けてやりなぁ!』
そう言い残すと、男は操作室から出て行った。
(貴様……!)
弟を陵辱する無数の機械の触手の動きと、不規則に与えられる電流の刺激は一晩中止まなかった。
「はあ…ッ!んく…やあ……っあぁぁ!」
射精を止められたままの弟は、最初は耐えていたものの、やがて目に涙を溜めて悶え始めた。
気絶しても、絶え間ない刺激に、すぐに覚醒してしまう。
あの男がプログラムしていったのか、一定の時間を過ぎるとまた新しい機械のコードが伸びてきた。
今度は性感帯だけでなく、へその周りや耳、うなじなどの、敏感な部分を、電気刺激を伴いながら嬲っていく。
「は…あぁ……ッ!」
操られているとはいえ、リアルに感じられる弟の肌の感触、陵辱しているという罪悪感。
こんなにも近くにいるのに、助けを呼ばれているのに、自分はたった一人の弟に何もしてやれない……

『どうだ、楽しめたか?』
機械のコードに陵辱され続け、喘がされて、弟の声が枯れてきた頃、男が戻ってきた。
どうやら夜が明けたようだ。
『そういえば、尿道ふさいだままだったな。射精できなくて、辛いだろうに』
くすくすと笑う声が脳に響く。
「ぁう……あぁ……ッ」
半開きの唇から涎を垂らし、視線を宙にさ迷わせている弟の表情を見て、男は笑った。
勃起した陰茎からは、差し込まれたコードの僅かな隙間から、先走った透明な液があふれ出し、固まっていた。
男がパネルを操作すると、弟の体は仰向けに床に下ろされ、絡みついて犯していたコードも離される。
「あ、うぅ……」
ずぶりと、肛門から抜き出された二本のコードには、茶色い便も付着していた。
『汚ねえな』
弟の体は小刻みに痙攣し、汗にまみれてぐったりしていた。
『イかせてやろうか』
息も絶え絶えの弟の、勃起した陰茎を、一本のコードで根元からなぞらされる。
先走った精液のぬめる感触が伝わってくる。
「んあ…ッああぁぁ……ッ!」
待ち望んだ解放に、獣のような声をあげて、弟は射精した。
「はあ…っ…はぁ………」
汗にまみれた腹の上に放出した精液を受けながら、荒い息をつく。
萎えた性器の先端から、今度は小便があふれ出した。
『はは、子供みたいに漏らしやがった!一晩中我慢していたもんなあ!』
(貴様…!)
じょろじょろとあふれ出す尿の長い筋が、冷たい床の上に水溜りを作って、どんどん広がってゆく。
「く…うぅ……」
見られていると、知ってか知らないでか、弟は恥ずかしそうに眉をひそめて呻いた。
だが、その瞳は放尿の快感に潤んでいた。
「ん……っ」
やがて、陰茎の先端から出るものが小さな水滴になった。
ぽたぽたと落ちる尿の雫がついに出なくなると、弟は軽く身震いした。
男はその様子を可笑しそうに観察していた。
(これからオレ達をどうするつもりだ…!)
『そう焦るなよ。くくく、今日はもう一つ、お前にいいものを見せてやろう』
男がすぐ側に誰かを連れてきた。
(それは…!)
自分の体だった。
ただし、祖国サイハのスパイ組織の制服ではなく、ケイハ国の紋章の入った軍服を着せられていた。
『そう、お前の体は棄てたわけじゃない。脳を取り出した事以外は傷一つつけてはいない。
脳の代わりにコンピュータを埋め込んで、オレの忠実な操り人形にしたのさ。このままお前の弟を迎えに行ってもらおう』
(やめろ…それでは…!)
敵国の服を着ているなんて、まるで寝返ったようではないか。
『お前の弟がどんな顔をするか楽しみだな』
やがて、倒れる弟の横に、自分の体が近づくのが見えた。
(やめろ……!)
うめき声をあげて、弟が目を開けた
「兄さん…!」
漏らしたことも、全裸で精液を付着させたままである事も忘れて、弟が笑顔を見せた。
だが、それは一瞬だった。
「その…服は……?」
仰向けになっていた所を、残された力を振り絞って身を起こす。
目を見開いて、切れ切れに呟く。
「知っての通り、ケイハの軍服だ」
自分の声が部屋に響いた。
だが、その言葉は自分の言葉ではない。
操られた自分の体が、男が操作で入力した言葉を、きちんと抑揚をもつけて話し、少し悲しそうな表情まで作って見せる。
(やめろ…やめてくれ……!)
「裏切ったのか……!?」
自分がこんな事になっているとも知らず、弟の声が怒りに震え、驚愕の表情を見せた。
「仕方なかったんだ……この国はサイハよりもオレの能力を買ってくれた……」
偽の自分の言葉が、偽の自分の表情とともに綴られていく。
「そんな……僕は兄さんを助けに……助けに……!」
傷つけられていく弟の姿を見るのが、もう耐えられない。
「見損なったよ……兄さん!金のために、仲間を裏切るのか!
だったら、祖国の名にかけて、たった一人の家族として、僕がこの手で殺してやる!」
(違うんだ、気づいてくれ、信じてくれ…!ここから逃げてくれ…!)
そう思っても、自分の心の中でしか再生されないその声が、弟に届くはずはない。
『ひゃはははぁ、すごい恨まれようだな!』
笑いながら、男がパネルを操作した。
先端に針のついた細いコードが、弟の背後から、素早く向かっていく。
強力な麻酔薬の入った先端の針が、弟の首筋を刺した。
「あ…っ!」
弟はそのまま気絶して、床に崩れてしまった。
(やめろ…やめろ…!弟に何かするなら、オレにしてくれ…!弟には何もするな!頼むから……)
『優しいお兄ちゃん。でもつれない事を言うなよ、人間の体が二つあれば、二通りの楽しみ方をするのが科学者だ』
(貴様…!絶対許さない……!)
『ふふん、それで?オレに何ができる?そんな姿で』
わざとらしく、耳障りな声をあげて、男が嘲笑った。
確かに、今や自分は、この男の手の中にある。
これからも再び仲間が来るたびに、同じことが繰り返される……
『さぁて、お前の弟はどうするかな…』
自分の体を操作して、弟をキャスターに乗せて運ばせながら、男が呟いた。
(やめて…やめてくれ………!)
『そうだ、昨日は散々よがっていたなぁ。首とケツだけの姿で生かして、公衆便所にしてやろう。
完成したら、男達に可愛がられてる所、お前にも見せてやるよ、あっはっは!』
声高々に笑って、男は操作室から去っていった。
自分の体を使って、弟を連れて行かせて。
体を奪われ、自由を奪われた自分は、たった一人の家族を救い出す事も、どうする事もできなかった。


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