一人の魔物退治屋が、森に侵入してきた。
程よく日に焼けた健康的な肌、短めだがさらさらとした黒髪、透けそうな灰の瞳、整った顔の男。
引き締まった体格だが、まだ大人になりきっていない少年の顔だった。
また一人のハンターが、この人間を惑わす危険な森の餌食となるんだね。
今もこの森は、光が射し、鳥が囀り、きれいな緑の葉が生い茂る木々が笑っているように見えるけど、それはまやかし。
本当は、魔界の植物が空を隠す程生い茂る暗い森。
オレの住む家も、平凡な木の小屋に見えるけど、それはまやかし。
本当は、森に迷い込んだ人間の死骸が散らばる恐ろしい家。
人間の女から見れば可愛らしく見えるであろうオレの顔も、柔らかな栗毛色の髪と、鳶色の瞳の、彼と同じぐらいの少年の姿もまやかし。
本当は…
「こんにちは、旅人さん。それとも、その服装はもしかして、ハンター?」
オレは彼に話しかけた。
使い込んだ剣や、背に負った弓矢。
近くで見ると、程よく筋肉がついているが、今までやって来た熟年のハンター達を思い出すと、やはり顔つきにはまだ幼く見える気がした。
「ああ、そうだ。この森には人が住んでいるんだなあ」
彼は愛想良く笑うと、さらに少年らしさが増す。
「ええ、この辺りは、きれいでしょ?危険なのはもっと奥で、ハンターが来る度に止めるんだけど、みんな聞かなくて…」
「仕方ないさ、魔物退治はハンターの仕事だから、どんなに危険でも」
今度は凛とした表情で言う彼。
その誇りが命取りになるとも知らずに。
「そうか…。もし良かったら、せめて今晩ぐらいオレの家に泊まっていかない?今から奥に行っても、途中で日が暮れてしまうと思うしね」
「そうだな、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
彼がオレの小屋に入ってくる。
今までのハンター達と同じ手で、彼もこうして惑わされていく。
「オレはガーディアって言うんだ。君は?」
「リクトル」
聞き覚えのある名。今までここに来たハンター達と同じように。
この難攻不落の森にやって来るのは、名高いハンター達だけだ。
「ああ、君が。知っているよ。若いのに、凄腕のハンターって、有名じゃないか。だから、ついに君もあの森に行く事になったんだね」
何気ない世間話をして、彼を安心させる。
正体を悟られないように。
やがて来る夜は魔物の時間。
日の暮れる前に、この森のまやかしに気付かなかった者は、明日の朝を迎える事はない。
黄昏時は魔物の時間。
隠されていたものが顕れる時間。
眠る彼の側で囁かれる魔物達だけの秘密の話。
やって来たハンター達をどう調理するか。
彼は確かに、今まで何十、何百という魔物を殺してきただろう。
だが、この魔物の森は魔物の思うがまま。彼を殺す事など、赤子の腕をひねるようなものだ。
オレ達は彼がわからないように彼の腕と足に、植物の魔物に頼んで、毒性のある花粉をつけた。
少しだけ痛みに歪められる顔。
次の朝、彼は体の激痛を訴えてきた。
「感染してる…」
オレは付け根付近から青く変色した彼の腕や足を見て、意味深な言葉を呟いた。
「感…染…?」
「そう、感染…この森に初めて来るものがよく掛かる…このままだと、この毒が全身に回って死ぬ」
彼は声も出せずに驚いた。
「そんな…」
しばらくして横たわったまま、彼が呟いた。
今、必死に激痛に耐えているだろう。
「オレも気づかなくて悪かった…今まで来たハンターはみんな無事だったから…。
君はいくら強くても、体はまだ成長期だから、十分な抵抗力がなかったのかも…」
もちろんそんなわけは無いが、他のハンターは平気だったと聞かせると、彼らのプライドを揺すぶり、こちらが非難される事はなくなる。
「感染した箇所を切り落とすしか、助かる方法はない…つまり、両腕と、両足…」
「嫌だ…!それなら、残された時間で魔物を退治する、魔物と戦って死んだ方がマシだ!」
オレは、這ってでも出ようとする彼の剣をすばやく手に取り、彼に向けた。
「行かせない」
変色している彼の腕…その付け根の肩に剣の切っ先を当てる。
「何をする…!」
彼が驚いて灰色の瞳を見開く。
「死なせない」
彼を見返した。
普段は茶色いオレの瞳が、金に輝き始め、まやかしの瞳孔が本来の縦に変わったのを見て、彼はオレの正体に気づいた。
「ガーディア…!あんたが魔物…!」
こちらを見る彼の瞳に、殺気がこもった。だが、今更気づいて何になるというんだ。
「今までこの森に侵入してきた何人ものハンター達は、殺して魔物達の餌にしてきた。
でも君は見た目がいいから、趣向を変えてみるよ。みんなで相談したんだ」
大人になりきっていない彼の顔立ち、体つき。
筋骨逞しい腕や足が無くなれば、もう少し可愛らしく見えるはず。
「やめろ…!」
剣を振り落とした。
肉を裂いて、赤い筋肉の中に埋もれている白い骨が見え、割れたそこから、骨髄が飛び散る。
真っ赤な血液があふれでる。
「くぅ…ああ……あぁぁ…!」
響き渡る彼の悲鳴。
それは心地よい旋律でもあった。
「そんなに泣かないで。すぐに傷を治してあげる」
そのまま四肢を切り落とし、激痛に気絶してもなお、涙を流したままの彼の、残っていた着衣をすべて取り除く。
現れた、トルソーとなった美しい体。
その肉の、四肢の切断面に種を植えた。
魔物界の寄生植物。
動物の傷口から体内に入り込み、血管に根を張り、寄生した動物の体と融合して共存する。
「あ…がぁ…ッ!」
根が張られていく痛みに、彼は白目を向いて痙攣し始めた。
口からは涎を垂らし、股間からは排泄物が溢れ出す。
寄生し終わり、たくさんの蠢く植物達に覆われた切断面はまるで、幾つものいぼが生えているようだった。
「う…っ」
寝台に全裸で横たわる彼が、呻き声をあげて目を覚ました。
「起きた?これでもう君はどこにも逃げられないよ」
胴だけの体に触れてなでた。筋肉の弾力性が心地よい。
彼が今までのいかにもというようなハンター達と違い、若いという事もあるが、小さくなると不思議と可愛らしい。
健康的な肌がきれいだ。
「この…化け物が…!」
四肢を失った自分の体を見て、彼は涙を零しながら叫んだ。
しかも、切断面は植物の無数の突起が生えて、とてもグロテスクな様子に変わっている。
彼の口の中で、歯が舌を噛もうとしているのが見えた。
「だめだよ」
オレは笑って彼の頭をなでた。
「自害はできないよ。君の舌、人間の力では噛み切れないように、魔界の植物で覆ってあげたからね」
「お前が、今までやって来たハンター達を殺してきたのか…!」
「そうだよ。オレ一人じゃないけどね」
そうして、みんなで決めた結果を実行するために、彼の肛門に指を入れた。
「う…っ!」
びくりとして、彼が呻き声をあげる。
「ここに触れられるのは初めて?」
そう聞きながら指を進める。
「…ッやめ…っ!」
ある一点を突くと、彼は驚いて怯えたように、びくんと身を震わせた。
「違うね?でも気にしないで、傭兵団の中ではよくある事でしょ」
今度は部屋の壁でおとなしくしていた植物の魔物達に声をかけた。
もう彼に、まやかしを見せる必要はないから。
人間の性器よりも太い一本のぬらぬらと濡れ光った触手が、彼の後孔を突付く。
「やめ…やめろ…!」
入り込もうとしている触手を見て、彼は叫んだ。
「オレもすぐに遊びたいけどね。今の君には無理かな。それまでに、それで慣らしておいてね」
自分は今は人間の姿でいるけど、せめて性器ぐらいは魔物本来のものを使いたいし、それに、何匹もの魔物達が彼をやりたいと言い出した。
「ひ…!」
他にも彼の体に集まってきた触手達。
若々しい緑色が、赤茶色にかわり、粘液を分泌しながら彼の肌を撫で回し始める。
「嫌…嫌だ…!」
繊毛のような触手が彼の睾丸を包み込んでざわざわと蠢き、尻の奥に太い触手が入り込み、
きゅうっと締め付ける後孔の内部でさらに幾本もの細い触手に別れ、内壁を隅々まで弄り始める。
彼の尻の中で触手が内部で縮んだり膨らんだり、伸びたり窄んだりするたびに、ぐちゅぐちゅという卑猥な水音がした。
細い触手は、勃起し始めた彼の陰茎の入り口から、尿道に入り込み、うねりながら奥まで伸びていった。
「んあ…ッ!あぁん……ッ!」
これには彼も、参ったようで、噛み締めていた唇から、甘い喘ぎを洩らし始めた。
その声を聞いて、魔物の方も興奮したのか、さらに何本もの触手を伸ばし、彼の体を蹂躙していく。
無数の細い触手は彼の敏感な陰部を同時に嬲っていた。
数本が亀頭のくびれをなぞると同時に、また別の数本は裏の筋をなぞる。
その裏筋をなぞる数本の中でも、さらに動きは別れていた。
一本は根元から先端へかけてなぞる中、もう一本は先端から根元にかけてなぞるというように。
「あ…ふ、ぁ………あぁん…ッ!」
もちろんそれらの二箇所以外にもまた別の触手が、付け根や睾丸、ひくつく後孔の周辺を隅々まで丁寧にまさぐっていた。
嫌がって振られた首と一緒に乱れる、しっとりとした彼の黒髪がきれいだ。
「やめ……そんなとこ…ろ…っ!や…ぁ……ッ!」
太い触手は粘液を絡めて彼の肌に塗りつけるようになでていく。
「は……っはあぁ…っ!」
ぐちゅぐちゅと濡れた音を立てる触手に、後孔の奥、尿道の中、乳首をくまなく弄くられ、彼は涙を流しながら快楽に埋もれた。
尿道を塞がれているため、彼は射精することもできない。
「はあ…あ…ふ、あぁ……ッ!」
喘ぎ続ける彼は、少しうるさかったため、口に新たな触手を突っ込んだ。
「ん…ぅ……んん…っ」
「じゃあ、オレは寝るよ、おやすみ」
くぐもった呻きをあげる彼を放って、オレは床についた。
朝起きた時、夜通し、触手に弄ばれ続けていた彼は、まだ甘い声を洩らしながら、今は胴だけとなった体を痙攣させていた。
オレが近づいても何も反応を返さない。
「壊れちゃった?」
そう聞くと、僅かにこちらを睨む。
「んぐう……うぅ…ッ!」
涎と粘液にまみれた口から、苦しそうな喘ぎが漏れる。
「まだ、大丈夫なんだ」
オレは笑顔を返して、彼の体を眺めた。
彼は、頬も体も、興奮に赤く染まっていた。
触手の粘液にまみれた肌を奮わせている。
その刺激と同時に、切断面に寄生させた植物の無数の突起が震えていた。
陰茎を見ると、尿道に入り込んでいる細い触手の隙間から、透明な先走りがあふれている。
「イきたいんだね、でももう少し我慢してね。今日は友達が来るんだ」
その日、午後からやって来たのはオーク族。
人間の標準的な成人男性よりも二倍程大きい体、褐色や灰色の醜い肌の色、尖った耳や牙、豚のような鼻をした粗暴な種族。
その姿を認めると、さすがにリクトルの顔色が変わった。
彼だって、何匹も退治してきたはずだ。
「この二人が友達、ドゥーリャとボリックって言うんだ」
「よろしく、ハンター」
下品な笑いをたてて、二人は早速、触手に弄ばれたままのリクトルの前に立った。
「ん…ふ……ッ」
「小さいな、人間は。オレ達の、突っ込まれたら、壊れるんじゃないかぁ?」
「大丈夫だよ、一晩中、その触手で拡げておいたからね」
そう言って、彼を弄んでいた触手をはずした。
「あ…っ!」
その刺激で、一晩中快感を与えられ続けたにも関わらず、尿道をふさがれていたせいで射精できなかった彼は、すぐに達した。
「いい声だな」
「こいつは期待できそうだ」
後孔を犯していた一際太い触手よりもまだ、大きい一物を、オーク達が下穿きから出し始める。
「あぐ…う………!」
ぼんやりとしている彼の尻と口に、オーク達は容赦なく挿入した。
「ん…んんう…っ!」
びくんと跳ねる、オークの前ではあまりにも華奢な人間の体。
「はは…締まる…!」
後孔を犯していたドゥーリャの方が、歓喜の声を上げた。
荒い鼻息で笑いながら、リクトルの引き締まった腹の上に、唾を飛ばす。
「んぐうぅー…!」
孔が切れて、中から血が流れ出した。
それに絡めて、くちゅくちゅと、醜いオークが巨大な性器の送出を繰り返す。
「締まるんじゃなくて、君のが大きすぎて、圧迫されてるんだよ」
凶器のような陰茎を突っ込まれ、血を流しているリクトルの後孔。
慰めるように、痛みで萎えきっていた彼の中心をさすった。
「ん…ふ…ッ」
不意に漏れる甘い声。
オレの手の中で、萎えていた性器も、徐々に硬度を増していく。
「フェラは下手だな」
ボリックのぶよぶよの腹の肉に、食われそうに当たっているリクトルの顔は、オークの強烈な体臭に歪められていた。
「仕方ないよ、人間のしか舐めたことないんだから。毎日させていれば、そのうち上手くなるさ」
毎日、という言葉に反応したのか、彼が一瞬喉をひくつかせた。
「大丈夫、毎日して、慣れてしまえば嫌じゃなくなるよ」
慰めるように彼に囁いた。
「んん…ッ!」
陰茎をさすり、亀頭をつつくオレの手と、ドゥーリャの突き上げに慣れ始めたせいもあり、彼は段々、頬を赤く染め鼻にかかった息を洩らすようになった。
「ふ…ん…ッ……んん…っ」
乱れていく呼吸。焦点を失っていく瞳。あふれ出していく涎。
「みじめだなァ、ハンターが魔物に無理矢理犯されて、女みたいに喘いでらあ!」
「んぐ…っ」
悔しそうに睨んでいた瞳も、オレが鈴口をなぶり、ドゥーリャが後孔の内部をかきまわすと、悦楽の色が濃くなる。
「今までのやつらみたいになぶり殺すのも良かったが、こうして奴隷にするのもいいな」
「そうだ、お前は幸せだよ。今までのハンター達は、捕まったその日の晩餐として生きたまま喰ってきたけど、
お前はこれからずっと気持ち良くなれるんだからな」
オレはそこで、思わず笑った。
醜い化け物達に、犯され続け、喘がされる事が幸せだろうか。
「んん…ッ!んんぅー…!」
日も暮れて残ったのは、彼自身と、オレと、オーク達の、たくさんの精液でびしょびしょに濡れ光る体。
口の中からも、後孔の中からも、汚くて匂いのきつい魔物の精液が溢れ出している。
散々弄ばれた彼の、濁りのなかった瞳は、もう何も見ていなかった。
「ほら、ご飯」
「ん…っ」
あの切った腕の肉をどろどろに溶かして作ったシチューを飲ませてやると、彼はとても嬉しそうに微笑む。
毎日代わる代わる、憎むべき魔物達に陵辱され続ける拷問のような苦痛と屈辱から、彼が逃れる術は、狂ってしまう事だけだった。
存在意義も、大切なものの事も、全て忘れてしまった彼は本能に従って生きている。
食欲と睡眠欲と性欲。
「まだ、欲しい…ガーディア…」
彼の体の中で唯一動かせる部分である、首を揺らして、二口目をねだるその姿が、幼子のようだ。
「そんなにあせらなくても、まだまだたくさんあるから」
左腕も両足も。
「ねえ…あれ…して……気持ちぃの…」
普段から、自慰でもしていたのだろうか、それとも意中の女でもいたのだろうか。
彼の体は、そのどちらかの処理の習慣をまだ覚えているようだった。
最初はあんなに犯されるのを嫌がっていた彼も、今は自分からねだるようになってきた。
腕が無くなってもう自分ではできないから。
寝ている時以外は一日中、オレや触手や、たくさんの魔物たちに弄くられている体は、もう快感無しにはいられないのだ。
「いいよ、ほんとに気持ちいいの、すきだね」
「くふ…あ…っ…」
指を入れて解していく。
嬉しそうに、早速きゅうっと締め付けてくる淫らなそこ。
萎えていた中心も、先端がぴくぴくっと反応し始める。
「あ…っ」
少し意地悪く、入り口付近の浅い部分で止めたままでいると、焦れったそうに声をあげた。
「んん…っもっと…!」
びくびくと波打つ腹をなでながら、一気に指をすすめた。
「あぁん……!ふ…ぁ……ッ」
四肢のない体を、芋虫のようにくねらせて、喘ぐ。
その刺激に、彼の腕や足の切断面に埋まっている植物が、ぐちゅぐちゅと蠢いた。
「あ…っ…もっと…いつもの太いの…」
「しょうがないな」
指を抜いて、彼の後孔にオレの性器を深く突き入れた。
「あああ…ッ!あぁ…ん……!」
ひくひくと身悶える彼の中心を握って、さする。
「若いから、たくさん出るね」
手の中に粘つく蜜を、射精の余韻に身を震わせている彼の唇にあてた。
「んく…っん……」
舌を出して、ぴちゃぴちゃと必死に舐める。
この淫乱な生き物が、名高いハンターの成れの果て。
土の上に転がる喰い残された腐肉や骨が、誇り高いハンター達の成れの果てであるのと同じように。
「さあ今日は、ゴブリン達が来るよ。下等で貪欲な種族だから、泣き叫んだってずっとし続けてくれると思うよ」
人間の子供よりも小さな体、褐色の肌、ぎょろぎょろとした瞳、長く尖った耳、長い鍵爪…
そのような姿をしている邪悪な妖精、ゴブリン達は雑食性だった。
「いや…もういや…!いたぁい……たすけて…ガーディア…っ!」
ゴブリン達が、彼の両腕や両足の切断面に寄生した植物を食い散らしながら、彼を犯す。
しばらく放っていれば再生するが、彼の神経と一体となったそれは、食いちぎられる時も再生する時も、もちろん激しい痛みを伴い、彼は何度も泣き叫んだ。
裂けた傷口から黄色い植物の体液が迸る。
その体液さえも、ゴブリン達はぺろぺろと舐め取った。
「いい子だから、我慢するんだよ」
泣き叫ぶ彼の頬をなでた。
ゴブリン達は、四肢の切断面付近の彼自身の肉もかじっていた。
そこを、再び植物が根を張って、侵食していく。
その痛みに彼はすすり泣いていた。
「何だ、助けてやらないのか?」
げらげらと、ゴブリン達が下品な声で笑いながら、また犯しては、寄生している植物を美味そうに食いちぎった。
「ひああぁ……ッ!痛い…っ…いたぁい………!」
彼がめちゃくちゃに首を振る。
気持ちよさそうに笑っている時よりも、オレ達の心を魅了するその姿。
「仕方ないよ、オレだって、魔物なんだから」
可哀想だと思うけど、この森に住んでいるのは魔物だけだから、人間の泣き叫ぶ声を不快に思う者なんていない。
この森中の住人が、彼の奏でる悲痛な旋律を楽しみにしてる。
「今日はバジリスクが卵を産みたいから来るって言っていたよ」
オークやゴブリンの次は、蛇の友達。
彼と遊びたいという魔物の友達が後を立たない。
「ほら、来たよ。目を見たら石化するから目を閉じているんだよ」
しゅるしゅると、大きな蛇の魔物がオレの側を這ってきた。
寝台に上った蛇の怪が、そこに横たわっている彼の尻の穴に、最初は戯れにその尾を入れた。
「はあ……ッ!」
刺激を受けて、彼は甘く喘いだ。
蛇の魔物の最も細い部分の尾でさえ、成人男性の腕ほどもある。
「ん…んう……ッ」
漏れる声と、きゅうっとしめつけてくるその後孔が面白かったのか、バジリスクは彼の尻の中で、尾を振り出した。
「あ…ッあぁん……ッ!気持ちぃ……ッ」
ひくひくと、彼が胴だけの体を震わせる。
魔物達の淫乱な玩具。
それでしばらく遊んで、気が済んだのか、蛇は尾を抜いた。
「ぁん…ッ」
その刺激にすら反応する彼の後孔に、今度は長く太い生殖器官を伸ばしていく。
彼の中に産み付けるのは、森の中によりも、外敵はおらず安全だから。
「あ…ッくすぐったぁい……」
蛇は卵を産みながら、彼の体の上を這い回り、肌に刺激を与える。
目を閉じていて、どこに触れられるかわからないせいもあり、敏感に反応する。
「ん…ふ……ッ」
尖った乳首や、勃起した陰茎の上を這いずり回られると、彼は気持ちいいのか、濡れた声を洩らした。
「あぁん…ッふ、あぁ……!」
大きな卵が、彼の中に産み落とされる。
その塊が、まるで彼の後孔を犯しているようだ。
その度に、彼が嬌声を上げた。
それから数日間は、彼の尻が使えなくなって、オレは少し物足りなかったが、自分の尻の中で脈打つ卵に感じている彼を見るのは面白かった。
「あ…ん……!」
中にたっぷりと産みつけられた魔物の赤子を何匹も産み落としていく。
幼い蛇が後孔の内部をすっていくたびに、彼はひくひくと身を震わせながら喘ぎ続けた。
「…ん…ぁ…はあ…ぁ…ッ!」
彼の精巣はもう、人間の精子は作り出さない。
魔物の子供が好きな蜜を作り出す魔界の花を侵食させたから。
生まれた魔物の子が、それを吸うために、彼の陰茎を吸い始める。
「あぁん…ッもっと……」
陰茎は何匹も生まれた子達に群がられ、幾本もの舌で舐め上げられる。
時には根元から強く吸われ、彼の口から甘い喘ぎがとめどなく漏れ出した。
その刺激に、腰を跳ねさせながら吐き出される腹の上に飛び散った蜜に、まだ吸えていない別の子達が群がって、なめとっていく。
「ふ……ぅ…く…っ」
ひくんひくんと、震える彼の唇の端から涎が垂れていた。
恍惚に蕩ける瞳。もう幾匹もの魔物を気押してきた瞳とは思えない。
やがて、彼の陰茎からは、何も出なくなった。
「もう出し切っちゃったようだね」
股間に吸い付いている蛇の子供を抱き上げる。
「あ……ッ」
快感がなくなって、びくんと身を悶えさせた彼に微笑みを向けてから、魔物を家の外に放した。
「ご飯が…なくなっちゃった…?」
悲しそうに呟く。
子供の心配をする所は、きっと人間を守るハンターだった頃と変わっていない。
「大丈夫だよ、これからは」
生まれた赤子の心配をする彼の頭を優しくなでながら、言い聞かせると、幸せそうに微笑みを浮かべる顔。
「たくさん人間を食べて、大きくなるよ」
君がかつて、あんなに必死に守っていた人間を。
