「ん……っ」
耳を優しくなでられるのを感じて、フィルシスは目が覚めた。
「シャーレン……」
小さく呟くと、すぐ隣で寝転がっているシャーレンに抱きつかれる。
布団の中で尻尾に触れられて、根元からなでられた。
「今日は用事があるので早起きしましょうね」
「うん……」
そう言われたものの、まだ寝惚け眼のまま、シャーレンにしがみついていると、顎をそっとつかまれる。
「ん……っ」
形良い唇が近づけられるのが見えた。
そのまま口元に重ねられ、舌を内部にねじこまれて、ゆっくり歯茎をなぞっていく。
それだけなのに、下肢に鈍い疼きを感じてしまった。
「ふぁ……っ」
唇を吸いながら、徐々に奥まで侵入して、舌がねとりと絡められる。
頬を、絹のような水色の髪がなぞっていく。
ぎゅっと抱きついたまま、しばらく口内への愛撫を受け入れた。
「んう……っ」
口の中に溜まった二人分の唾液を飲み込むと、解放される。
しばらくキスの甘い余韻に浸っていた。
「トイレ…」
俯いてそっと呟くと、耳をなでられた。
「そうじゃないって言ってるでしょう?」
「…おしっこ……」
少しためらった後、恥ずかしくて俯いたまま呟いた。
「わかりました」
シャーレンにやさしく手を繋がれて、寝室を出る。
しかし、何故か居間に連れていかれた。
「あ……!」
テーブルのとソファの側に来た時、いきなり寝着のボタンに手をかけられた。
「嫌だ、どうして…!」
抵抗も空しく、寝着を剥ぎ取られて裸にされる。
「そこで、おとなしく待っていなさいね」
ここで逃げたら、後で何をされるかわからない。フィルシスは仕方なくじっと床に座り込んで、シャーレンの様子を見た。
部屋の隅の棚から拘束具を取り出される。
「あ…っ嫌だ……っ」
床に押し倒され、腕を頭上でまとめて黒革のベルトで縛られる。
「んあ…やだ……」
しっかりと足を開かされ、足首と太股にも拘束具をはめられる。
足を閉じられないように、先程手首にはめられたベルトと拘束具が鎖でつながれる。
首輪にも鎖を繋がれて、すぐ側のテーブルの柱に括りつけられた。
フィルシスの華奢な体には、肌の白さがよく映える黒革の拘束具が似合っていた。
「いい格好ですね。あなたの恥ずかしい所が、全てさらけ出されているんですからね」
「ん…やだ……」
次は肛門にガラスの管を埋める。
その先はカテーテルに繋がっていた。
「やぁ…だ……ッ!」
嫌な予感がしてフィルシスは抵抗したが、構わずに、性器の拘束具をはずされ、カテーテルの先端を尿道に通される。
「さあ、出させてあげますよ」
「ふぁ…ッやあ…っん……」
尿道を刺激されると気持ち良くて、思わず甘い喘ぎを漏らしてしまう。
小さく萎えていた乳首がぷくりと尖り始めたのは、感じている証拠だった。
「あ……ぅ……」
膀胱に辿りつくと、尿が解放され始めた。
そしてそれは、繋がれた自分自身の後孔の中へ注がれていく。
「私もあなたのために、我慢していたのですよ」
シャーレンに跨られて、口に性器をねじこまれる。
苦しくなって、仕方なく咥えると、耳を優しくなでられる。
「ん……ッ!」
そのまま喉の奥に流し込まれる。
苦しさに涙をにじませながらも、従順に喉を動かして飲み干す。
目を開けていると、うっとりと微笑んでこちらを眺めているシャーレンと目が合い、恥ずかしさにきゅっと目を閉じた。
下肢では、尿意が解放されると同時に、後孔が満たされていった。
動けないまま、排泄物を飲み込まされ、自らのもので浣腸をする事になって、便器のような扱いに羞恥と苦痛に呻く。
「ぁう……っ」
自分の中に排尿し終えると、性器からカテーテルを抜かれる。
管の内部に残っていた尿が、全て後孔の中に向かっていった。
「気持ち良かったようですね」
色づいて、ぷくりと尖り始めている乳首をなでられる。
「ん……ッ」
硬くなり始めている性器にもう一度、拘束具をはめ直され、尻に触れられた。
「こっちはまだ出しちゃ、だめですよ」
ガラスの管を抜かれると、排泄したそうに収縮する後孔に、代わりに張り型を埋める。
だが、それは奥までではなく、自分の力で咥えていなければ、抜けそうだった。
「あ…ん……」
「今日はラークが来ますよ」
そう言いながら、シャーレンに腹をなでられる。
「大丈夫ですよ、あなたの姿は魔法で見えなくしておいてあげますから。
でも、声を出したり、漏らしちゃったら音と臭いでバレると思いますから、気をつけて下さいね」
「ゃ…そんな…っ……」
だから、こんな場所で、こんな風に拘束したのだと分かった。
「んあ…やだ……出させて……」
腹がごろごろし始める。
苦しくなって、涙目で訴えたが、シャーレンは腹をなでながら、優美に微笑むだけだった。
「ぁ…はずして……っやだ……ッん……!」
縛られた体を懸命に動かして抗議していると、口枷をはめられる。
「ん…ッんん……」
そのまましばらく、乳首を根元からしごかれたり、そっと爪を立てられたりして悶えていると、呼び鈴が鳴った。
「では、おとなしくしているんですよ」
ソファのテーブルの間に横たえられていた体を、テーブルの下に入るように移動させられる。
「ん…!んうぅ…ッ!」
呪文を唱え、魔法をかけると、シャーレンは玄関に向かっていった。
「………っ」
しばらくすると、ラークを連れて、シャーレンが戻ってきた。
シャーレンが自分のすぐ側のソファに座り、テーブルを挟んでラークがその向かいに座る。
緊張で体が強張った。
もう、たった一言でも声を漏らすわけにはいかない。
「事件って、何だ」
シャーレンがラークに切り出す声が聞こえる。
「海から怪物が現れて、付近の人間をさらっていったそうだ。このままじゃ、安心して漁もできないから調べて欲しいってよ」
二人の話を聞きながら、必死に声を殺した。
だが、そこでいきなりシャーレンに胸の先端を踏まれた。
「ん………!」
思わず小さな喘ぎが漏れたが、幸いにも、話に集中していてラークの耳には入らなかったようだ。
だが、シャーレンは足を退けてくれそうにはなかった。
テーブルに隠れて、ラークからはシャーレンが足を動かしているのは見えないようだが、もし喘ぎが聞こえてしまったら、さすがに不審に思うだろう。
「で、俺の部下が何人か調査したんだが、そいつを倒す事はできなかったそうだ」
「それを倒すのを手伝えという事か」
涼しい顔で、ラークと話を続けながら、ブーツの先で乳首をぐりぐりと弄られる。
先程からの刺激のせいもあって、陰茎は早くも勃起してしまった。
「…ッふ………っ!」
執拗に玩ばれて、反射的に尻尾が跳ねる。
その刺激で張り型が抜けてしまいそうになり、汗が吹き出た。
だが、あまり身悶えてしまっては、首輪に繋がれた鎖が音を立てそうだった。
「そう。それと、さらわれた奴等の消息と、怪物の住処の特定もだぞ」
会話はまだ続いていた。
その間も、乳首をブーツで踏まれるのは止まらない。
早く解放して欲しいのに。
縛られた腕や、無理矢理開かされて固定されている足が鈍く疼く。
震えそうになる肌を必死に押さえた。
「面倒だな」
「たまには建設的な事にも魔法を使ってくれよ」
全くだ、と思っていたら、今度は陰茎も踏まれる。
「ん…ぅ………ッ!」
快感と、我慢させられている苦しさが混ざり、再び小さな呻きが漏れてしまう。
「どんな魔物だったんだ?」
「巨大なアメーバのような魔物で、どうやら刃物が通用しないらしい」
「…それは、楽しみだな」
そこで、陰茎の腹ばかりを弄っていた爪先が、今度は亀頭だけを狙う。
「……ん……ッ!」
突然、刺激を与える場所を変更されて、フィルシスはまた小さく喘いでしまった。
陰茎の先端から先走りが漏れだすのを感じる。
「何がだよ」
「ああ、何でもない、こちらの話だ」
含みのある返事だったが、今はそんな事を気にしている場合ではなかった。
「ぁ…っん………」
性感帯を弄る足は止まらなくて、喘ぎが漏れそうになる。
体中が熱くなって、呼吸が乱れているのが分かった。
「じゃあ、明日だぞ」
ラークが立ち上がろうとする音がした。
やっと帰ってくれる…
「………っ」
だが、ほっとしたのは束の間だった。
「折角来たんだから、もう少しゆっくりしていったらどうだ?」
帰ろうとしたラークを、シャーレンが引き止めた。
茶を出すために、居間と繋がっている台所で湯を沸かし始める。
「ん……っ」
もう我慢できないのに…
涙が新しくあふれてきた。
「なあ、あいつはどうしたんだよ」
そう聞くラークの声が聞こえると、どきりとした。
今、こんな格好で、こんな事をされてるなんて、知られるわけにはいかない。
「まだ寝てる」
返事しながら、シャーレンが茶を淹れて戻って来ると、そ知らぬ顔で、また乳首や陰茎を踏まれる。
「昨夜、玩具でたくさん遊んだからな」
「………っ!」
昨日は何もしてないのに…!
からかっているように、今度は後孔の張り型を、爪先でぐりぐり押される。
「ん……ん…っ!」
尻にこめていた力が緩んで少し漏れたような気がして、フィルシスの尾がまたびくんと跳ねた。
「お前、毎日そんな事してるのかよ」
笑みを漏らすラークの声が聞こえる。
それが一瞬、まるで自分の様子を見てのように思えて、冷たい汗が流れた。
「かわいいじゃないか。蝋燭を垂らしても、鞭で打っても、何をしても悦ぶなんて」
ブーツでフィルシスの睾丸や乳首を踏みながら、シャーレンが言った。
必死に我慢しているのに、執拗に性感帯を刺激され続け、痴態を暴露され、フィルシスは小さくすすり泣いた。
もうすでに、浣腸された状態のままの後孔も、快感を与えられ続ける性器も、我慢の限界だ。
なのにまだ、話は続いていた。
「縛って放っておくだけでも感じるんだからな」
「………っ!」
今のは絶対自分に向けて言ったんだ…!
だが話を聞いて、行為を思い出してしまうと体の奥が疼き始めた。
興奮に息が荒くなる。肌がぴくぴくと痙攣する。
浅く埋められた張り型や、足で悪戯に触れられる程度では、とても足りない。
悶えている間にも、会話は続けられていく。
「あいつの方から頼んでくるのか?」
「いや、いつも嫌だ嫌だと言っているが、実際始めると、乳首だけでも達するんだ」
シャーレンが余計な事ばかりラークに吹き込んでいるのを聞くと、涙が止まらなかった。
だが、話の内容が気になりながらも、与えられる刺激や便意を堪えるのに必死で、ほとんど気を失いそうになっていた。
「また明日な」
シャーレンが散々好き勝手話した後、やっと二人ともソファから立ち上がる。
だが遠くから、二人の会話が所々耳に入った。
「早くあいつに構ってやれよ」
「何だ、気づいてたのか」
「勘だよ、勘。お前が意味もなく、俺を引き止めるわけないだろ」
そんなやりとりを聞くと、次にラークに会う時に、もうどんな顔をすればいいか分からない。
もしかしたら、鎖の音や、喘ぎ声が聞こえていたかもしれないと思うと、涙がまたにじんだ。
しばらくすると、戻ってきたシャーレンに魔法を解かれる。
「んう…ッ」
轡をはずされると涎が糸を引き、口内に溜まっていた唾液も、どろりと溢れ出した。
「あ……くぅ……」
「上でも下でも、たくさん垂れ流していますね」
透明な先走りの雫を漏らしている陰茎に、触れられる。
「んあ……!シャーレンのばか……」
二人だけになったと思うと、堪えていた涙が次々と溢れ出した。
「ちゃんと我慢できましたね。いい子、いい子」
耳をなでられるとほっとしてしまい、こめていた力が抜ける。
「ぁ……ッも……出ちゃ…ぅ……」
「何がですか?」
意地悪な笑みを浮かべて、シャーレンが白々しく言う。
そうしている間にも、すでに限界を超えている後孔は、一旦緊張が解けると収縮を始める。
「トイレ…連れて………」
言い終える前に、緩く差し込まれていた張り型がずれた。
「あ……ッ!」
ただ、意地悪く微笑んで眺めているシャーレンの目の前で、便がはみ出し始める。
「……!んんー……ッ!ふ、ぁ……!」
張り型が抜け落ちるとすぐに、痙攣する太股の間から、太い便が顔を出した。
「おや、出掛かっていますよ。ここをどこだと思っているのですか?」
「やだ…!や……見ないで……ッ!」
器具によって開かされた内股の肌と、腹部の表面が波打ち、排出される空気がぶりゅっと大きな音を立てた。
汚液を吐き出しながら、後孔の内壁を這って、外に出て行く。
「や……っ…ぁ……」
硬い便の隙間から、どろどろに溶けた便と入れられた尿が霧のようになって、ぶしゅりと音を立てながら排出されていった。
「あー、出しちゃいましたね」
わざとらしくそう言いながら、シャーレンが耳をなでる。
「ん…く……あッ……」
やっと解放された事の気持ちの良さに、じっくり観察されている事も忘れて、荒く喘ぎながら尻に力をこめ続ける。
後孔の内部の前立腺をすって、新しい便が出ていく度に、勃起している陰茎がびくびくと脈打った。
「ぁう……ッくぅ…ん……」
「まだ、中は汚れていますからね」
蠢く後孔が何も吐き出さなくなると、今度は洗浄のために、ぬるま湯を注がれる。
「あ……やぁん……っ」
びちゃびちゃと卑猥な水音を立てながら、薄茶色に染まった湯が吐き出される。
何度も湯を入れ直されて、排出される液が透明になると、やっと拘束をはずされた。
そうすると今度は、ソファに座ったシャーレンに膝の上に座らされる。
「お漏らしするの、本当に好きですねえ。今日は絨毯がこんなに汚れましたよ」
絨毯の上に溜まっている黒い塊。
そこから染み出ている液で、金や銀のきれいな刺繍が茶色く汚れている。
テーブルの柱にまで、汚液が飛び散っていた。
「……ッも…やだ………っ」
反射的に顔を背けようとすると、後ろから顎を掴まれる。
「う…っぅ……」
ぎゅっと目を閉じると、涙が溢れた。
「仕方ない子ですね」
恥ずかしくて泣いていると、シャーレンが呪文を唱える。
飛び散っていた排泄物も、その臭いも、跡形もなく消えた。
「ほら、可愛がってあげますから、泣きやんでくださいね」
「んあ……っ!」
そっとしておいてくれた方が、涙が止まるような気がしたが、素早く腰をつかまれる。
膝の上で体の向きを変えて、向かい合わせになるように座らされる。
「ん……っ」
勃起したままの性器が、黒いローブに擦れる。
ひくつく後孔の入り口に、シャーレンの股間が服越しに当たるが、抱き上げられただけでまだ挿入されない。
「さっきの話、ちゃんと聞いてました?」
尻尾をつかまれてなでられながら、シャーレンに聞かれる。
「ん…ッ魔物が…」
堪えるのに必死で、きちんと聞いていたわけないのに。
ただ、少しだけ耳に残っていた単語で答えようとすると、遮られる。
「それじゃないですよ、あなたの恥ずかしい話ですよ」
「…ひあ…っ!あ…っ」
答えようとしたが、いきなり耳をねっとり舐められて、体がびくんと跳ねる。
先程から疼きだけが高まっていくのに、未だ挿入されていない事もあり、喘いでしまった。
「ん……っん…もう……」
早く入れて欲しいのに、そんな気配は全くなかった。
もどかしくなって、気づけば自分から腰をゆすって、シャーレンの股間の辺りに尻をすりつけていた。
陰茎の方も腹部に当たって、吐息を漏らしていると、耳をなでられる。
「じゃあ、もう一度言ってあげましょうね」
「ぁ…きいてた……っ」
くすっと笑ってシャーレンが言うのを聞いて、慌てて答えたが、構われずに乳首をつままれる。
「あなたのここが、初めての日よりも大きく膨らむようになった、とか」
意地悪く言われて、しかもそれを他人に話した事を思い出すと、恥ずかしくて涙が出てきた。
「あう…や……!」
優雅な指が、乳首をぐりぐりとこね回して弄り始めた。
右の乳首の根元を押さえられて、先端を人差し指でつつかれる。
もう片方の乳首は唇で触れられて、ゆるく噛まれた。
「ひ…あ…ッ!や……ぁん…!」
そのまま右側は、爪で弾かれたり、つままれてぐいっと引っ張られて伸ばされる。
もう片側は、ちゅっと吸われて、唇の中で舌先でつつかれ、舌の上で転がされると、たまらなくなってシャーレンの頭を押さえつけた。
そうするとシャーレンが小さく笑って、乳首を解放される。
だが話はまだ、それだけでは終わらない。
今度は、下肢に触れられて、尿道口を塞いでいる拘束具をぐりぐりと弄られる。
「ぁう…やぁ……っんー…ッ!」
「こっちも痛くてたまらないはずだったのに、今はこんなに気持ち良くてよがる、とか」
尿道への刺激に耐えられず、シャーレンの胸元に顔を埋めてしがみつくと、耳元で囁かれる。
拘束具を外されないまま、色々な場所を焦らされ続け、意地悪ばかり言われて、涙がこぼれた。
「あ…っあ…っわか…ッも…いれてぇ……」
観念して、すすり泣いて自分からねだると、物欲しそうにしていた後孔に、人差し指を入れられる。
中でぐっと折り曲げられた。
「後ろも、いつもこんなに卑猥に蠢いて、突っ込んだ途端に締め付けてきて淫乱だ、って話をしてたんですよ」
「んう…ちが……ぁ…!」
朦朧とする意識の中、口走る。
指が欲しいのではない事と、淫乱と言われてそれを否定する事が混ざっていた。
「や……っ太いの……欲し……ッ」
散々焦らされて、泣きじゃくりながら、うわ言のように呟くと、耳を優しくなでられる。
「ふふ、かわいい」
ソファの上に押し倒されて、両足をかかえられ、膝が胸につく程持ち上げられる。
やっと終わると思ったのに、今度は後孔の入り口に先端を当てられる。
「ん……はぅ……」
呼吸を荒くして、フィルシスは侵入してくるのを待っていた。
だがシャーレンは、性器の先端を入り口に当てたり離したりして焦らすだけで、なかなか挿入しない。
「あ…っ早く…入れて……っ!」
羞恥よりも疼きの方が、大きくなって、フィルシスは淫らな願いを口走っていた。
耳をぴくっと震わせ、ばたばたと尻尾を振って、身悶える。
「やっぱり、全然我慢できない淫乱な犬じゃないですか」
「んあ……ッ!」
尻肉を押し広げられ、根元まで挿入されると、無意識の内にきゅっと締め付けて咥えこんでいた。
だが、意地悪はまだ終わらなかった。
「あ…っん……」
挿入されるだけで、全く動いてくれない。
じれったくて、自分から腰を振ってしまうのを止められない。
「やだ…やだぁ……!もう……イきたぁい…もっと奥…突いて……っ」
フィルシスは下肢を動かしたまま、シャーレンにしがみついてすすり泣いた。
「注文が多いですね。もうどんなに泣いても手加減してあげませんよ」
シャーレンがそっとそう言った言葉は、泣いているフィルシスの耳には入らなかった。
「あ…ん……んあぁ……!」
やっと動いてくれたシャーレンの先端が、奥に当たってすれる。
それをきゅっと締め付けると脈打って、膨らんでいく。
「ん…っく……ふぁ……っ!」
後ろだけでなく、口にも舌を挿入される。
舌で内部をくまなくまさぐられながら、後孔を突かれる。
股間に手を伸ばされて、拘束具が外されると、すぐに手の中で達してしまった。
「あ……っもう…抜いて……ッ」
射精直後の敏感な体を、突かれ続けるのは耐えられなかった。
だが、シャーレンはフィルシスを抱き締めたまま微笑んだ。
「人にあれだけ色々頼んでおいて、自分が満足すれば、もう終わりなんですか?」
「そ…んな……ッや……」
一つ一つ頼ませるように、わざと何もしなかったくせに。
それ以上の言葉は、唇を重ねられて口を塞がれ、かき消えていった。
「う…っう………」
たった一度で解放される事はなく、あの後も何度もイかされた。
嬌声を上げすぎた喉がひりひりする。
抜かれないまま中に幾度も吐き出された後孔の、内部からあふれる精液が、革張りのソファに白い溜まりを作っていた。
フィルシスは泣きじゃくって、ソファの上でぐったりしていると、後始末される。
太股を伝っていた精液や、口からあふれていた涎などの体液をきれいに拭われて、部屋着を着せられた。
「朝食にしましょうね」
そう言って、シャーレンは台所に向かっていった。
そのままソファの上で寝転がっていると、スープを作ってくれて戻ってくる。
しゅんと拗ねていると、もう一度膝の上に抱き上げられた。
「………っ!んー…っ!」
不意討ちでキスされたと思ったら、口移しでスープを飲まされる。
「美味しい?」
抱き締められたまま、耳をなでられる。
「うん…」
シャーレンの胸元にもたれかかりながら頷いた。
「自分で飲む……」
恥ずかしくなって、まだスプーンを持ったままのシャーレンに呟いた。
「もう一回ぐらい、いいじゃないですか」
「…わかったよ……」
抱き寄せられて、もう一度スープを与えられる。
「ん……っ」
だが、その一口を飲み終えても、抱きつかれたままだった。
結局、最後まで口移しで飲まされる事になった。

