号泣 中学2年生の春 ドキドキのクラス発表が終わり 桜乃の新学期はもうウキウキ なんだか髪型を気にしだしたり ちょっとダイエットしようかなと思ってみたり よく鏡を見るようになったり これは恋の力 恋をすると女の子は可愛くなれる というのはまさにこのこと 桜乃はリョーマと同じ1組 でもどれだけ頑張っても 勉強のことはうまくいかないらしい 「この問題を・・・・・越前、解いてみろ」 「・・・・・・36π」 「次を・・竜崎」 なんで、わからないです。って顔してる自分を当てるのかと 先生を恨む 「・・・・ゎかりません・・」 「じゃぁ次・・・堀尾」 「24π!!」 「違う、じゃぁ後ろの・・」 堀尾も同じクラスみたい リョーマに少しでもいいところを見せようとしていた桜乃だったが しょっぱなから失敗に終わった その時 ポトっ え? 消しゴムのカス・・・?じゃなくて紙くずだ ノートの切れ端をグチャっと丸めてある そこには荒っぽいななめ書きの字でこうあった 『さっきの教科書のまんまじゃん ちゃんと授業聞いてんの?』 このイヤミっぽい文 これはまさか ・・・・ リョーマくん?!! チラリと彼の方を見ると 窓の外をぼーっと眺めていた けなされた内容だけど 桜乃にとっては宝物 リョーマくんからもらう最初で最後の(ラヴ)レターだよね?!/////// こんなチャンスもうないよね?//////////// 嬉しいかも///////////// でも桜乃の予想は大幅に外れていた 「泰子はごうなきして・・・」 「竜崎!!それは『ごうきゅう(号泣)』だ」 クラス中に笑われる もう桜乃は赤面でかなり落ち込んでいる そこにまたやってきた 『小学生レベルの漢字じゃないの?』 どんだけイヤミだろうが桜乃には十分すぎるくらいの元気を 与えてくれるのだが さっきの失態を見られていたかと思うと・・ 「ごうなきね」 うう・・ 「竜崎は天然ぽいとは思ってたけど そこまでとは思わなかったよ ごうなきごうなき」 喜んでいいのやら悲しめばいいのやら リョーマは桜乃がアクシデントを起こす度に 励ましの(?)手紙をくれた 『まっそこが竜崎の可愛いとこなんじゃないの?』 <おしまい> |