表門









始業式から数日たったある日のコト。




「ごめんなさい。あの、1年1組の教室の教室がある
校舎ってどこですかぁ?!」



なんかみつあみの・・・可愛らしい女の子。 ん?




「あぁ。えっと、ここからまっすぐ行って渡り廊下の右行って・・・・・・・・・・・。」



「ありがとうございましたぁ。」







まだ覚えてないんだ。なんかあいつ天然っぽい。















しばらくして・・。

















「えっ?またここ?!」








あっ。またアイツ・・・・。








「ねぇ・・・。一緒に行ってあげようか?
オレもそろそろ戻るし・・・。」





「本当ですかぁ?!助かります!!」



「あとね、多分タメだからタメ口でいい。」



「え?あっごめんなさ・・・・ごめんね。」






なんだコイツ。この2、3日どうしてたんだろ?








「ここ。」



「すっごい!!」





何が・・・。




「いやっ。普通だから・・・。竜崎さん?!」



「えっ?なんであたしの名前・・?」



「さーてなんででしょー?!・・・・って名札名札。」



「あっそっかぁ。」










ボケボケじゃん。











「じゃーね。」



「待って!!・・・お名前は?」



「うーーん?簡単には教えられないねぇ・・・・。んじゃ!!」



「ちょっとぉ・・・。」

























テニス部に入部。
まぁどんなもんか見せてもらおうじゃん。



















「越後くーーん!!」




はぁ?




「へ?」



「わかったよん★1年2組でしょー?!」



「うーん?!でも違うんだよね〜。」



「越後リョーマくんでしょ?!」



「リョーマは正解。」



「じゃぁ・・・リョーマくんでいいや!!」









そなの?!










「この間はどうもありがとう!最近大丈夫だから。
じゃーね!!」




アイツもテニスウェアー着てる・・・。
走り去って行く姿にドキッとしてしまった。


竜崎・・・だっけ?

ドキッってなんだよぉ!!






その後もアイツは知っては知らぬかよく話しかけてくる。

ボケボケぶりを発揮して・・・。




「ねぇ、膝伸ばせばいいの?髪の毛長いの好きだから
切りたくないんだけど。短くしたらリョーマくんみたいに強くなる?!」













なるかぁぁ!!!!!













心の底から思って言ってるんだろーな・・。
可愛・・・へ?こんな天然やろうが?!




「冗談だよ。大丈夫。髪の長さは関係ナシ。」



「本当?!よかったぁ。」




いや、本気で喜ばないでよ。
ホントに単純・・・・・・////////


























あっという間に時は過ぎ
春から夏へ、ツクツクボウシも鳴り止んで秋。
そろそろこたつにミカンの季節の冬。




時間の流れとともに
オレの竜崎への気持ちは認めたくないけど上昇中・・・。
なんであんな奴・・。
















「ねぇ、竜崎。クリスマスイヴ空いてる?」


こんなことが言えるなんて自分でも驚いた。




「イヴの日?!うん。暇だよ!!」



「映画・・・。見に行かない?!これなんだけど・・・。」





前売り券を見せる。
リョーマはもちろん今話題の『ホリーペッター』が見たかったが
ここは竜崎が好きそうなのを必死で探した。




「これぇ!!見たかったの!!
『ドラへもん。のび男の宇宙ひとッ飛び★』」







こんなののどこがいいんだよ・・。
そんなに喜んじゃって子供みたい。(いや、子供だけど







「で、行かない?!」



「行く行く!!もちろんッ。」



「じゃッ3時に駅前ね。」



「わかったぁ☆楽しみぃ!!」




















オレも楽しみだっつーの。






































イヴの日。
サンタクロス♪ウィズカミング〜〜トゥタウン☆




3時15分。いまだ竜崎現れず・・・。





















3時32分。やっと来た。



「ゴッメーーーン!!!!」


よく頑張りました・・・って・・・・/////////////







竜崎は長いフワウワな髪、そしてダッフルコートに身を包んでいる。

恥ずかしくて目が合わせられない。

「ごめんねぇ。」



「・・いいよ。まだ時間は大丈夫だし。
でもオレ、風邪ひいたかも。あぁしんど・・・。」



「うそ?!ホントにごめんねーー。」





ウソに決まってるじゃん。
こんな時に風邪ひいてられるかっつーの。



「大丈夫。早くいこっ。」








映画が始まると・・・まぁ思ってたよりは面白かったけど、
隣の竜崎の目がキラキラと輝いていた。
その顔がまたかわ・・・・・。////////










「面白かったねぇvvわぁもう真っ暗!!」








ジングルベール♪ジングルベール♪鈴が鳴る〜〜








イルミネーションが二人を包む。


















ねぇ。竜崎・・。気づいてるの?!




















「竜崎・・。今日、オレ誕生日なんだ。」



「そうなの?!あたしってば知らなかったぁ。ゴメン!!
今度、何かあげるね。」



「ううん。今日竜崎と過ごせただけでよかったから。」














今のは告白したつもり。
気づけよ?!














「そんなぁ、ダメだって!!明日のクラブまではなんとかするから!!」















チーーーーーーーーーーーーン


















「今日はありがとう☆ばいばい!!」















チーーーーーーーーーーーーーン

















こうなることが予想できたことが余計悲しい・・・・。
















あの天然やろうめ。































その夜、少し雪が降ったけど
次に日積もるほどではなくて、残念ながら
ホワイトクリスマスにはならなかった。
































「リョーマくん!」


振り返るとみつあみのアイツ。



「はい。これ。昨日頑張って焼いたんだよ。」



えっへんといわんばかりに胸を張っている。




「竜崎が?」



「うん!!お母さんの手伝いナシで!!でも・・。
焦げてるけど・・。」












ホントだ・・。焦げてる・・。


・・・・////////////


















今日はクリスマス☆奇跡は起きるかも・・・・。
























「竜崎!!なんでオレが映画誘ったのかわかってる?!」



「ドラへもんが見たかったからでしょ?!」
















こりゃダメだ。

















「オレは・・・・・・。竜崎が好きなの!!だから誕生日・・・
クリスマスっていうのもあるけど・・、
一緒にいたかったの!!わかる?!」



だんだん腹が立ってきた。



「なんで竜崎ってそんなに天然なの?!なんで・・。
好きになったオレもオレだけどさぁ!!」






桜乃は混乱している。
好きって言われたのに怒られてる?!なんで?







「ごめんなさい。」


「あっあたし、リョーマくんが誘ってくれたのが嬉しくて・・・。
でも誕生日ってこと知らなくて・・・焦げたクッキープレゼントしちゃって・・。
ごめんなさい〜・・・。」




う〜〜〜〜ん?!





「まっ待ち合わせにも遅れたし・・。」





まだその話なんすか?!






「ねぇ。竜崎はオレのことどう思ってんの?!」













ここは直球だ!!


















「す・・・・・す・・・・・・・・す・・き/////。」























「やたッ!!」

リョーマ、ガッツポーズ☆☆





















「クッキーいただきまぁす★」

「待ってぇ〜〜!!」

「にがッ。」

「やっぱり・・。」

「うそうそ。おいしい。」

「本当?!」

「いや、ちょいにが・・。」

「どっちよぉ?!」






















なにがともあれめでたしめでたし。









<おしまい>


                             





























































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