あ、見つかってしまいましたか
(わざとらし）
でも死ネタが無理な方はお戻りください
そのまま下にいけば見れます

涙を流し続ければ 帰ってくるのだろうか・・・？ 大声で呼び続ければ 届くのだろうか・・・・？この声は・・・。 写真 「桜乃？ご飯は？」 「食欲ないから。いってきます。」 「そう・・・お弁当はたべなさいね。」 「桜乃〜〜〜！！おっはよぉ！！」 「おはよう。」 「元気になって良かった。倒れたときはどうなるかと思った。」 「ごめんねぇ。」 「気にしない気にしない！！」 廊下を歩いていると１年２組の教室から数人のすすり泣く声が聞こえた。 その人達が囲む机には花瓶とその中の花と・・・・ そして 見覚えのある白い帽子。 「さッ桜乃！！早く行かなきゃ！！チャイムなっちゃう！！」 「うん。」 「今日・・クラブ・・・」 「今日はやめときなさいよ。まだ体調完全じゃないんでしょ？！」 「そだね・・。」 「先輩。今日クラブ休みたいんですけど・・。」 「竜崎さん！！・・・・今日はクラブ自体が休みよ。」 「そうなんですか。男テニも・・？」 「そっそうね。」 「ありがとうございました。」 「じゃぁー今日は誰も練習してないんだ。」 いつも練習を見ていた指定の場所。 「なーんか誰もいないと寂しいなぁ〜。」 「あれ？いつも誰が練習してたっけ？」 「竜崎さん？」 「不二先輩。」 「元気になったんだ。どうしたの？」 「はい。・・あの・・どうして練習ないのですか？」 「・・・。そうだね。今日はテニス部の創立記念日なんだ。」 「そんなのあるんですね〜。じゃーさようなら。」 夕日は西の空へと帰ろうとしていた。 空気が冷たい。 「あたし、いっつも一人で帰ってたっけ？」 「この辺にだれかいて・・・」 「いっつも遅いなぁぁ〜〜って・・・・」 「まだまだだね・・・・・・って・・・・」 リョーマ君だ。 そうだった。 リョーマ君を見てたんだ。 リョーマ君が待っててくれたんだ。 リョーマ君が・・・・。 なんであたしこんな大事なこと忘れようとしてたんだろ・・・・。 好きな人がもう笑いかけてはくれないこと。 愛していた人がもう抱きしめてはくれないこと。 大切な人がもう隣にはいないこと。 家に行くと家族の人が歓迎してくれた。 彼の部屋へ行った。 数回来たけれど いつ見ても殺風景な部屋で でも１つ違うことは この部屋の主がいないこと。 普通なら見ることのできない彼の引き出し。 整理整頓されている。 写真・・・・・・？ そういえば夏休みにディズニーランドに行った時のだっけ？ ２人で頑張って撮ろうとしていたけど 現像したみたら２人とも切れちゃって・・・ そうだっあの時ジュースが・・・ もう想い出にひたることしかできない。 新しい想い出を造ることはできない。 彼の香りのするこの部屋にいると ひょっこり彼が出てきて まだまだだね・・・って言って・・・・ そして・・・・・・。 ドアが開いた。 誰もいない？ カルピンだった。 あたしの近くに擦り寄って頬ずりをする。 「あなたも寂しいね。ご主人様いないんだもんね。」 「なぐさめてくれてるの？」 「ねぇー。あたしこれからどうしたらいいと思う？」 「カルピン・・・」 帰り道のことはあまりよく覚えていない。 ただ一人きりで歩くこの道がこんなに長いなんて・・・・ 思ったもみなかった。 ＜おしまい＞