おくりもの 「・・・コホ、コホ」 竜崎桜乃、ただいま風邪にやられてダウン中です。 「・・・あ〜ぁ、今日はリョーマ君に素振りを見てもらうの約束してたのになぁ・・・」 やっと勇気を出して、リョーマ君にお願いしたのに ―――「じゃあ、明日の部活の休憩時間なら・・・・・・」 無理な約束をお願いしたのに。 あたしが休んでどうするのよぉ・・・。 「・・・・・・楽しみにしてたのに」 しかし、風邪を引いている手前、無理に学校に行くわけにもいかない。 誰かに移しでもしたら大変だし 何より 大会が近いレギュラーのリョーマに移してしまったら・・・・・・。 ふてくされた桜乃はおとなしく寝てることにした。 「休み?竜崎が?」 「うん。風邪引いたんだって」 「・・・ふ〜ん」 いつも桜乃と一緒にいる朋香から桜乃の欠席を知ったリョーマ。 「リョーマ様、桜乃に何か用があったの?」 「・・・別に。休んでるんだったらいいや」 素っ気なく、桜乃の教室を後にするリョーマ。 ・・・ちぇ。 昨日珍しく、竜崎が ―――「り、リョーマ君・・・っ、あ、あの・・・素振り見てくれません・・・か・・・・・・・?」 なんて自分から言ってきたから俺結構楽しみにしてたんだけど。 休んじゃ意味ないじゃん。 「竜崎先生、今日来れないんだって」 一方、男子テニス部では、今日は来る予定だったはずの顧問の話で持ちきりだった。 「なんでも、お孫さんが風邪を引いているらしくて、お見舞いに行くそうだ」 大石がそう言うと 「え!?桜乃ちゃん、風邪にゃの!?」 「・・・お見舞いかぁ・・・」 男子テニス部の密かなマドンナ(死語・・・?)的存在の桜乃が風邪と聞いて、菊丸と 不二が珍しく真剣な顔をする。 「部活中に何を話している」 そこへ、厳しい一言が。 「私語は慎め。不二と菊丸グラウンド10週!!」 <<ピーンポーン>> 部活が終了したころ 竜崎宅で、インターホンが鳴り響いた。 「ちょっと待っておくれよ」 いそいそと、スミレは玄関の戸を開いた。 「おぉ、リョーマ」 「・・・チィース」 そこにいたのは、桜乃の今日コーチをするはずだったらしき人物、またスミレの教え 子、越前リョーマだった。 「部活はどうした?」 「・・・終わったス」 「・・・もうそんな時間か。桜乃ちゃんに用かい?中にお入り」 スミレはリョーマに中に入るよう促した。 「・・・お」 「「「「お邪魔しまーす」」」」 リョーマが言うが早いか、突然後ろから複数の声がした。 驚いたリョーマが振り向くと、そこには大石、菊丸、不二、桃城がいた。 「何だい、お前らも一緒なのかい」 「ちが・・・」 「そうなんですよ。竜崎さんが風引いたって聞いたので、心配で見舞いに来ました」 否定するリョーマを押しのけて、不二が説明する。 「熱は、どうなんですか?」 心配そうに大石が聞く。 「下がったよ。明日にはだいぶよくなっているだろう」 「おい、越前。抜け駆けはいけねーな、いけねーよ」 「そうにゃ、そうにゃ」 桃城にくしゃくしゃに頭をなでられ、菊丸にグリグリ頭を殴られるリョーマ。 「・・・痛いっス」 「大勢でよく来たね。わが孫ながら、皆に心配されて幸せ者だねぇ」 ――ったく、何で皆一緒に来たんスか ――竜崎さんが心配だからさ ――・・・だからって、こんな大人数で・・・。 ――僕一人で来ようと思ったんだけどね、皆がついてきて・・・ ――・・・別に不二先輩も来なくてよかったのに・・・・・・。 ――何か言った?越前・・・? ――・・・別に。 「二人で何コソコソ話してるんだい?気色悪いねぇ」 「「別に」なんでもないっス」 「スミマセン、竜崎先生。押しかけた上に、ご夕飯いただいちゃって・・・」 「・・・大石、お前だんだん手塚に似てきとるな」 気難しく言う大石に向かってスミレは笑った。 それからしばらく話した後、大石たちは帰っていった。 「越前は、帰らなくてよいのか?」 「・・・竜崎の様子見てから、帰ります」 「・・・そうか」 スミレはリョーマに桜乃の部屋の位置を教えた。 “コンコン” 「・・・はぃ・・・」 かすれた、いつもよりも少し小さな声が聞こえた。 「・・・誰・・・?」 ドアの向こうから、桜乃が近づいてくる気配がする。 がちゃとドアが開いて頬を紅潮させた桜乃が顔を出す。 「・・・ども」 「り、リョーマ君!?」 「・・・それだけ大きな声が出せるなら、元気だね」 何でと聞く前に、リョーマが口を開く。 「・・・コホ・・・。な、んで・・・?」 「お見舞いに来ちゃ、いけないわけ?」 「そ、そんなことないけど・・・///」 赤い顔をさらに赤くして、うつむく桜乃。 「・・・また熱上がるんじゃない?寝ときなよ」 「え・・・でも・・・・・・」 ぐいぐいと、桜乃を押しながら、どさくさにまぎれて部屋に入るリョーマ。 「ホラ、ちゃんとあったかくしなよ」 ふわっと布団をかける。 「・・・///あ、ありがとう、リョーマ君」 「明日は?」 「へ?」 「明日は、来れるの?」 「え・・・?あ、うん。おばあちゃんは大丈夫だって言ってたけど」 「・・・ふ〜ん」 しばし沈黙。 「あ、あの・・・リョーマ君・・・・・・」 静かに、リョーマの服のすそを引いて、桜乃が越前を呼んだ。 「・・・何?」 「あ、あの・・・もしよかったら・・・明日、素振り・・・・・・見てくれる?」 「・・・」 「・・・だ、ダメだったら別にい・・・」 「明日、来れるんだったらね」 クスッと笑ってリョーマが言う。 「〰〰〰〰リョーマ君の意地悪・・・」 「・・・早く、治してよ・・・?」 桜乃の耳元にそっとささやいた。 ――俺も、楽しみにしてるんだから。 それからリョーマは、真っ赤になる桜乃に、触れるだけのキスをした。 「・・・風邪、移っちゃうよ///」 「これくらい、大丈夫だよ」 そう言いながら越前は何度も、何度も―――。 翌日、越前は、風邪を引いた。 が、熱はなく、せきだけだったので、休みはしなかったらしい・・・・・・。 END ◆◇あとがき◆◇ 遅くなってしまって、ゴメンナサイ。 しかも、遅くなった上に、こんなヘボ作品・・・。 こんな駄作、差し上げてしまってもよろしいのでしょうか・・・・・・。 最後、終わりかたが微妙ですね・・・・・・。それに、ありきたりで・・・。 交換小説、してくれて本っっ当〰〰ぉに(しつこい・・・/汗)、ありがとうございましたっ FROM:楓 |