合体

(1)
「進藤」
目の前に現われたオカッパにヒカルは先ほど食べた年越しソバをはきそうに
なった。遠くでは、除夜の鐘の音、紅白も終わり、ゆく年来る年が始ま
っている。
年越しそばを食べる前に、お風呂に入ったので、いまださらさらの髪の毛は
しっとり、湯上り35分、ホッペタがほのかに桜色の最高においしそうな進
藤ヒカルを目の前にして、塔矢アキラは目を細める。
しかし突然、自部屋に現われたオカッパ頭に、ヒカルは焦りを隠せない。
 「な、な、なんなんだよ、突然」
 焦るヒカルをに、塔矢アキラは常と変わらぬぎらぎらした目で、言い放った。
「今年はいい年だった」
ゴーンと、テレビの除夜の鐘が鳴った。
「そ、そうなのか?」
焦りつつも返事をするヒカル、いいヤツである。
「そうだ!!キミがボクの碁会所に来るようになったし!!一緒に北斗杯に
出れたし!!すごくいい年だった!!」
 ものすごい勢いで言い放つアキラにヒカルはひきひきである。
「そ、そうだな、で」
「で?」
「なんでお前は突然、コノ部屋に現われたんだ」
ゴーンと再び除夜の鐘がなる。

(2)
つまり、ヒカルはこう聞きたいのである。現在は大晦日、ここはヒカルの部屋。
そこに突然、玄関のベルを鳴らしもせずに、現われた塔矢アキラの真意は
何かと。
…………もっともな疑問である。
質問された塔矢アキラはゴホンと喉を鳴らした。
「今年は、年末も年始も父も母もいないんだ、台湾で年を越すんだそうだ」
「そ、それは気の毒だな…………」
ヒカルは本当に同情した。それはたしかにかわいそうだ。塔矢は友達も
少なそうだし、それならば、元旦に遊びに行ってもよかったかも。
そう思ったのだが、しかし、それにしても、突然、塔矢が部屋にいる理由
にはならない。
「大掃除に、ついさっきまでかかった」
………ひょっとして、アノ広い家を一人で掃除したのだろうか、そういえば
目はギラギラしているけど、顔は疲れているような気がする。つやつやの
オカッパにも少し乱れが見える。
「 そ、そうか大変だったな、で」
「準備は全て整った。進藤、だからボクはキミの部屋にやってきた。」
 だから、がどう繋がっているがよくわからないとヒカルは思ったが、
…………よくみると、部屋の窓の鍵は開いているし、塔矢のズボンの膝はすり
むけている、本当に窓から入ったらしい。
………サンタクロースか、お前は。
ツっこみつつも、塔矢をねぎらおうとしたが。塔矢は、ヒカルの言葉なん
かきいちゃあいない。
続けて、ものすごい勢いでいいつのった。
「今年はいい年だった。来年もいい年にしたい。進藤、ボクはキミとガッタ
イして、年を越したい!!!」
 ゴーンと、除夜の鐘が鳴った。
 
(3)
「キミの中で、煩悩の108発を放出して、キミの中で、あけましておめ
でとうをしたい!!!進藤!!!」
 握り拳をかかげて叫ぶように言うアキラを見て、ヒカルは思った。
(…………逃げよう)
 とりあえず、下ろしていた腰を、そろそろと浮かして、部屋から出ようとする。
 が、
 ガシっと後ろから捕まえられ、ベッドにのせられてしまった。
 大掃除後にもかかわらず、すごい力である。
 「キミもそう思うだろ、な、進藤」
血走った目で覗きこまれて、ヒカルはふるふると首を振った。
 だが、アキラは、ヒカルの動作のイミなど、考える余裕はないようだった。
 「進藤!!!」
 ジャージのファスナーがざっと下ろされ、シャツがたくし上げられた。
 外気で冷たくなった手が乳首に触れ、ヒカルは声をあげる。
 「進藤!!進藤!!」
 そこまで来ると、ヒカルは抵抗できなかった。あっというまに下も下げ
 れ、お風呂上りの、柔らかい蕾に、アキラの指が入って来る。
「あんっ」
 ため息のように息をついてあげたヒカルにアキラが感極まった声をあげる。
「進藤、なんてかわいいんだ、進藤!!」
大掃除の疲れのせいであろうか、アキラのテンションは無闇に高かった。
 「進藤!!」
 「あーっ!」
 除夜の鐘の音とともにつきあげてきたアキラに、ヒカルは声をあげていた。

(4)
「進藤!!」
「あっん、あっうっん」
アキラは何の冗談か、除夜の鐘の音にあわせて、ひときわ大きくつきあげて
来る。ヒカルは驚異的な持続力のアキラに翻弄され、下で家族がまだおきて
と思うと、さほど大きな声をあげるわけにもいかず。大きな瞳に涙をあふれ
させつつ、鐘の音にあわせて、かわいく声をあげながら、体を振るわせる。
「はっあん、うっん、あっぁん、あん!」
一度放出したアキラに裏返されてまた、深く衝かれて、枕に顔をおしつけて耐
える。再び衝かれまくり、前をいじられて、同時にイき、全身をしびれさせて
いると、再び、ひっくり返された。
「あっん」
 目の前にはアキラの、満足そうな顔がある。
「あけましておめでとう、進藤」
 クイっと動かれてヒカルは再び、声をあげた。
「残念だ、108発は無理だった」

(5)
「あ、あたりまえだよ、108発もやったら死ぬよ!!オレもお前も!」
やっとの思いで言うヒカルに向かって、塔矢はひとさし指を口につけて
シーっと言う。
「進藤、あまり大きな声を出すと美津子さんと、こないだテレビに顎と手だ
け登場した正夫さんが起きてしまうじゃないか」
「…………ダレのせいだと思ってんだよ!」
できるだけ、声をひそめて叫ぶが、108発は無理だったもののヒカルの中で年を
越すという本懐を遂げたアキラは満足そうな顔で、ヒカルの頬を撫でる。
「進藤、怒っててもキミはかわいいな…………ほっぺだがつきたてのモチみ
たいだ」
「ヒトの話をきけっっつーの!!」
ぷりぷりするヒカルを一向に意に介さずアキラは満足そうな顔で、ヒカルの
頬に頬をよせすりすりする。
「大掃除を終えてほっとしたら、キミの顔が浮かんで、キミを抱きしめたくて
抱きしめたくて仕方なかった。なんでそんなにかわいいんだ?進藤」
「………お前、全然ヒトの話聞いてねーな?」
全くもって話を聞いてないアキラはかわいいかわいいといいながらふたたび、
ヒカルの下腹部に手を伸ばして来た。
 「あ…………うん、塔矢……っやっもっ」
 たちまち赤くなって反応し始めたヒカルをアキラはうっとりと見つつ
とんでもないことを言い出した。
  
(6)
「108発は無理だったから、ここ108つ碁石入れるのはどう」
 そういいながら少し緩んだヒカルのそこに指を入れる。
 「………やっ…………そんな………の」
 涙ぐみながら頭を振るかわいらしいヒカルをうっとりと見つめながら、アキラは
 そこでぐりぐりと容赦なく指を動かした。
 「あぁっ」のけぞるヒカルの乳首をつまむ、声を出さないように唇をかみしめるヒカルが
殺人的にかわいくて、塔矢は再び欲望が再燃するのを感じた。
「でも、もう年明けちゃったしね。とりあえずは姫はじめだね」
「………っ!!」
 真っ赤になって震えるヒカルの中に、杵よりも激しく塔矢は、それを打ち
込んだ。

……………。
本筋とは関係ないが。
その日、妙に天井が揺れるなと思いながら寝ていた。美津子と正夫は、何故か
ウエディングドレス姿で塔矢アキラにだっこされている息子の夢を見たという。

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