褒賞

(1)

『20時、流水の間にて』
見知らぬアドレスから届いた一通のメール。
今日は若手の中でも双頭と呼ばれる片割れに白星をあげ、あの生意気な顔を歪ませることができた。
最近はリーグ入りを落としてばかりだが、今回はいけるかもしれないと意気込んだ矢先のメール。
知り合いの棋士達と幾つかの検討を終え、棋院近くで夕食をすませた後で、時計は19時半をさしていた。男は棋院と駅を交互に見る。
ただのイタズラか、それとも誰にも聞かれたくない何かがあるのか。
男は少し迷った後、棋院へと足を向けた。
このまま帰ってこのことが気になり集中力を欠くのは惜しい。
何もなければそのまま帰ればよいのだ。
エレベーターに乗り腕時計を見ると、20時より10分前を示している。
五階へと着き、流水の間の前に立つと、携帯が震える。確認すると、あのアドレスからメールが届いていた。
『中へどうぞ』
それ以外何も書かれてはいなかった。
何処かでこちらを見ているのだろうかと辺りを見回したが、人っ子一人いない。
男は口に溜まった唾を飲み、扉を開けた。
部屋は灯りがついており、何もないはずの部屋の中央には一人の少年が何も身を隠すものを身につけておらず、長いベルトのようなもので後ろ手に縛られた状態で床に寝転がされていた。
こちらに背を向けた状態の少年へとそっと近付くと、金色に光るものが見える。
忘れるはずもない、今日の対局相手だった少年だ。
特徴的な大きな瞳は今はアイマスクで塞がれており、口にはギャグボールが嵌められている。
もしかして、このメールの差出人は自分を犯罪者に仕立て上げようとしているのでないかと感じ、思わず後ずさる。
ただでさえ三十半ばの未婚者だ、少年に手を出したなどと事件になれば、結婚どころか親兄弟にも勘当されるだろう。
ここにいてはいけないと逃げ出そうとすると、再び携帯が鳴る。
その音に男と少年はびくりと肩を跳ねさせた。
男が慌てて届いたメールを確認すると、『勝者への褒賞です。どうぞ、お楽しみください』と書かれていた。
男の頭が言葉の意味を理解しようと働こうとするが、混乱した状態では難しかった。
不意に今まで寝転がされていた少年がうつ伏せのまま、腰だけを高く持ち上げる。
よく見れば、少年の尻から何かが出ていた。いや、何かを挿れられていたのだろう。
「ン、ふ、ンン」
少年が頭を左右に振ると、身体をびくびくと跳ねさせ、腰を高く上げた状態のまま、くたりと力が抜ける。
(もしかして、イったのか…?)
精液は出ていないように見えるのでそっと下を覗き込めば、少年のそれには薄いゴムが被せてあった。
ゴムにも精液が溜まっていなかったことから、どうやらドライでイってしまったようだ。
少年の腹の下にはタオルと開封済みのゴムの箱がある。
つまり、お楽しみくださいとは、そういう意味で楽しめということなのだろう。
そっと少年の腹の下から箱を取り、少年のなかに入り込んだそれをゆっくりと抜く。
少年のなかにはいっていたのは、前立腺マッサージに用いられるエネマグラだった。
イってしまったのもこれが原因だろう。
抜かれたそこはヒクヒクとまるで何かを待っているかのように蠢く。
同性相手だというのに下半身が熱くなるのを感じるのは、相手が成長途中の細い少年だからだろうか。
同性との性行為について知識はないが、女相手に本来使わないはずの後ろを用いたプレイをAVで見たことがある。
人差し指を挿入すれば、熱いなかが搾り取るようにギュッと絞まる。

(2)
男は興奮を抑えきれずにいきり立ったそれを取り出すと、ゴムをはめ一気に貫いた。
少年は一瞬苦しげに呻いたが、すぐになかはきゅっと絡みついてきた。
腰を動かせば、少年もそれに合わせて腰を揺らす。抜けるぎりぎりまで引き、根元まで貫くと、ギャグボール越しに高い鳴き声をあげる。
声変わりをしてもなお高いその声は、まるで少女を犯しているような気持ちにさせる。
腰を使いながら平らな胸へと手を伸ばすと、ぷくりと腫れあがった突起が指に触れる。
少年はそれだけできゅうと男のそれを締めあげた。男は口元をゆがませ、両手で少年の突起を弄り回す。
「ふ、ぅ、んっ、んん、ふぁ」
舌で舐めまわしてやったらこの少年はどんな反応をするのかと気にはなったものの、締め付けにそろそろ射精してしまいそうだった。
胸から手を離し、少年の細い腰を掴むと絶頂に向かうためだけに激しく腰を動かす。射精する間際に三度程奥を突くと、少年も達したようで、なかを締めあげながらびくびくと腰を跳ねさせていた。
「ハ、ハァ、ハァ」
「ん、ふぅ…」
引き抜き、ゴムを縛ると近くにあったゴミ箱にいれた。
貫かれていたものが抜け、少年の体が崩れ落ちる。
興味本位に少年の身体をひっくり返すと、アイマスクには涙の跡が見え、ギャグボールには涎が垂れ落ち、少年のそれは前を一切刺激しなかったため射精までは至らなかったようだった。
そして、男が一番気になったのは、少年の紅く腫れ上がり、膨れ上がった胸の突起だった。
これまでどれほど調教されてきたのか、試しに先程は試せなかった舌でくるりと突起の皮の薄いところを舐め上げれば、びくびくっと身体を痙攣させた。
扇情的な姿に、再び下半身が熱を持つのがわかる。
もう一度挿入しようかと脚を持ち上げるが、少年が後ろ手に縛られているため、体勢が取りにくい。
一度うつ伏せにさせ、ベルトから片方を抜くと、そのまま頭上まで上げもう一度縛り直す。
少年はそもそも抵抗しようとすらしなかった。
もう一度仰向けにすると、脚を肩に引っ掛ける状態にし、そのまま男のそれを突っ込んだ。
いれたあとでゴムをつけていないことに気づいたが、気にせず腰を振る。
先程と同じように突起を舐め上げれば、少年は歓喜わまったような声を出す。ギャグボール越しなのが残念だ。
本当はギャグボールを外し、叫ぶ程喘がせてやりたいところだが、もし声を聞きつけた誰かに発見されても困る。
突起と少年の勃ち上がったそれとなかを同時に責めあげると、少年はものの数分で射精を伴う絶頂を迎えた。
なかの搾り取るような動きに男も少年のなかへと熱を吐き出した。
最後の一滴まで注ぎ込むと、抜く際にこぼれてしまわないようにタオルで拭いながら自身を引き抜く。
身支度を整え、満足げな息を吐くと、携帯が震えた。またメールだ。
『お疲れ様でした。そのままお帰りください。今日あったことは他言無用にお願いします』
同時に添付されていたムービーを再生させると、男が縛られた少年を犯している姿が記録されていた。
ムービーだけを見れば、男が少年を襲っているようにしか見えない。
もし誰かに今日のことをバラせば、この映像もばら撒くぞ、との意味なのだろう。
男は名残惜しげに少年を見たが、そのまま部屋を立ち去る。
時刻は21時を迎えていた。

(3)
「進藤、お疲れ」
「ンンっ、ううう!」
「取ってあげるから、動かないで」
暴れる少年を上から黒髪の少年が押さえつける。
黒髪の少年はベルト、アイマスク、ギャグボールを順に外すと、少年の下半身につけられていたゴムを持参していた袋にいれ、ゴミ箱に捨てられていたそれも回収する。
自由になった少年は、慌ててなかに吐き出されたものを掻き出していた。
「あいつ、サイアク!なかに出しやがって」
「負けたキミが悪いんだよ」
悪態をつく少年は精液が付着したタオルをもう一人の少年に投げつけ、彼が持っていた服を身につける。

今までの行為は全て、罰ゲームだった。
もちろん人によってやるかやらないかは異なるが、対局で負けたらその相手に身体を差し出す。
やるかやらないかは全て黒髪の少年ーー塔矢アキラが決める。
誰彼構わず行い、もし棋院の方へ何かいわれたりしたら棋士としてはやっていけなくなる。
だから、頭の軽そうな、欲望に忠実に生きている連中を選ぶのだ。
もちろん、勝てばそれをすることはない。
事実、まだこの屈辱を味合わされているのは進藤ヒカルだけだった。
アキラが負けるのはヒカルから言わせれば頭の硬そうな連中ばかりで、先程のようなことをすればすぐに問題になるだろう。
「なんでオレばっか…」
「だから、キミが負けるのが悪いんだ。勝てばこんなことしなくていいんだよ?キミは快感に弱いから、体に覚えさせるのが一番だろ」
負けたといっても、罰ゲームを始めてまだ三回目だ。しかもそのうちの一度負けた相手はかなりの顔見知りである倉田だったこともあり、行為はなかった。
「文句言ってるけど、気持ち良さそうだったよね」
「んなわけねえだろ」
「でも射精してたじゃないか」
「あ、あんなことされたら誰だってイくに決まってんだろ」
「ふぅん。ボクが調教してあげたおかげかな」
慣れた動作でヒカルへと手を伸ばし、先程の男に舐められなかった方の突起を爪でひっかく。
びくっと跳ねたヒカルの身体を押し倒すと、押さえつけるように唇を重ねる。
「さっきのやつに中出しされてたよね。ボクので綺麗にしてあげるよ」
「ッバカ!」
ヒカルの秘部を指の腹で撫でるようになぞると、ヒクヒクっと動く。
アキラは舌舐めずりをすると、奥まで一気に貫いた。

<完>

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