ヒカルたん開発〜松茸狩り篇〜

(6)

初めての感覚と嫌悪感に鳥肌がたつ。
「ゃ、やめ、うっ」
「ああ、少し萎えちゃったね」
男が上下に腰を動かすと、熱い肉壁にヒカルのそれが擦られ、否が応でも身体が高ぶる。
「ぅ、う、うごかな、で、うっ」
初めてを小太りの男に奪われるだなんて、ヒカルはショックで涙をポロポロと零す。
それに興奮したのか、男は腰を振りながら自分の勃ちあがったそれを扱きあげる。
男が喘ぎ熱を放つと、中が搾り取るような動きをし、ヒカルは屈辱的にもゴムの中に射精した。
男はヒカルの上から退くと、ヒカルが射精するのを確認し、嬉しそうにゴムを外す。
「夢のようだよ、進藤君…」
「ひっく、うう…」
ヒカルは目を腕で覆い隠すと、肩を震わせながら泣く。
「そんな泣き顔見たらまたやりたくなってきたじゃないか…」
「ッも、やだ…」
「一人一回ずつの挿入の約束だからなあ」
「やく、そく……?」
「僕達はちゃんと棋院にお金を払っているんだよ」
つまり、ヒカルは棋院に売られたということだ。
絶望感が身を包み、ヒカルは今すぐにでもアキラに会いたくなった。
もしかしたらまた除名をちらつかせて、こういうことを要求されるかもしれない。
そこまでしてこの世界に身を置くべきなのだろうか。
「ゆっくりしていくといいよ。じゃあね、進藤君」
楽しかったよと一人ずつに声をかけられたが、ヒカルは頭を抱えたまま反応はしなかった。
パタンと扉の閉まる音が聞こえ、広い部屋に一人になる。
ビデオも撮られているのだ。
例え逃げたとして、もしそれをばら撒かれたら?
「うぅ、塔矢ぁ…」
のろのろと起き上がり、床に落ちていた鞄を拾う。
携帯を取り出すと、アキラから終わったら連絡するようにとメールが入っていた。
戸惑うことなくアキラに電話をかけると、2コールも鳴らないうちに電子音が途切れる。
「もしもし」
「……塔矢」
縋るようなヒカルの声にアキラも異質さを感じたのか、すぐに今どこにいると尋ねる。
ヒカルはボソボソとホテルと部屋番号を言うと、アキラはすぐにやってきた。
「進藤!」
裸でベッドの横に座り込んでるヒカルに慌てて駆け寄ると、精液独特の臭いとヒカルの肌にこびりついたそれに眉間に皺を寄せる。
何があったか一目瞭然の姿に、アキラはとりあえずシャワーを浴びさせようと、腕を回して立ち上がらせる。
「進藤、気持ち悪いだろう?綺麗にしよう、ボクも手伝うから」
「……うん」
返事をしたヒカルにホッと息を吐きつつ、シャワールームへと連れ込む。
濡れてはいけないのでアキラも服を脱ぐと、温度を調節しヒカルに湯を浴びせる。
秘部から垂れる白濁に、アキラは指を挿れると掻き回すように動かす。
「ヒッ、塔矢ぁ」
「ボクに掴まってて」
シャワーを押し当てながら掻き出し、色が透明になったところで離す。
ボディソープをタオルで泡立たせると、ヒカルの身体を洗っていく。
その間もヒカルはアキラにしがみついたままだった。
自分の身体を軽く拭いた後で、綺麗なタオルでヒカルの身を包むと、シャワールームから出る。
家具がベッドしかなかったので、床に座らせることにした。
「進藤、何があったか話せるかい?」
「ぁ…」
ヒカルは唇を震わせながら、ポツリと言葉を吐き出して行く。
アキラは手をギュッと握りしめ、ヒカルの言葉を聞き逃さないように目を逸らすことなく聞いた。

(7)
「棋院が…そうか、わかった」
「どうしよう、塔矢。ビデオも、撮られて」
「大丈夫だよ、進藤。ボクに任せて」
ヒカルを落ち着かせるためか、にっこりと笑うアキラに、ヒカルは逆に不信感を持つ。
「……塔矢、オレを捨てるの?」
「ッ何を言ってるんだ」
「だって、オレ汚いだろ。もしかしたら性病にかかったかもしれないし」
あれだけヒカルに行為を求めてきたアキラだ、抱けないとなれば、冷めてしまうのではないか。
ヒカルは瞳に涙を滲ませる。
だが、アキラは肩を震わせると、激情のままヒカルの肩を掴む。
「ボクは別に、キミとセックスができるからキミと付き合っているわけじゃない!
確かにそれも愛情表現の一つだけど、それだけをキミに求めたつもりはない」
「塔矢…」
「ボクは、ボクはキミを愛しているんだ。
キミが傍にいてくれるだけでいい、それだけで幸せなんだ。
寧ろ、キミが罪悪感でボクから離れようと言うのなら、ボクはキミを監禁してでも離さない。
……わかった?」
「……うん」
ギュッと抱きしめれば、同じだけ返してくれる。
ヒカルはアキラの匂いに包まれると、そのまま目を閉じた。

HIVの検査には一ヶ月経過してからの方がいいと言われ、ヒカルはその期間を過ぎた後で病院に向かった。
3日後に結果が出ると言われ、今日がその日だ。
今日までアキラとは行為どころかキスすらしていない。
アキラは気にしないと言ったが、ヒカルが拒絶していたのだ。
病院帰りにアキラの家に来るように言われていたので、ヒカルは結果の書かれた紙とともにアキラ宅へと向かう。
庭から煙が出ているのを見、ヒカルは鈴を鳴らさずに庭へと向かった。
「塔矢、何してるの……?」
「やあ、進藤。結果はどうだった?」
「陰性だった」
「そう、よかった」
アキラは何かを燃やしているようだった。
ヒカルが近づいてよく見ると、ビデオのテープのようだ。
ヒカルは何も言わずに縁側に腰掛け、燃え盛る火をじっと見つめる。
あれから、ヒカルを凌辱した男達が、何かしらの罪で摘発されたり事故にあったりしたのをニュースや新聞で見た。
きっと、アキラが何かをしたのだろう。
だが、ヒカルは何も言わない。
アキラも何も言わないのだから、ヒカルもそうすべきなのだろうと悟ったのだ。
大方燃えると、アキラはバケツにためておいた水をかけ、トングで黒い塊となったそれを拾って行き、ゴミ袋に詰める。
口を縛ると放り投げ、ヒカルの横へと座る。
「進藤、キスしてもいい?」
「え?」
「だめ、かな?」
困ったように笑うアキラが愛おしくなり、ヒカルはアキラの肩にもたれかかる。
耳元で「いいよ」と小声で囁けば、アキラは嬉しそうに笑った。

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