いまだに二人 [サモンナイト・クラフトソード物語より]

久の字作



 彼は出来上がったばかりの両刃で幅広の剣(分類的にはブロードソードか)をかざして工房に差し込む朝日に照らす。 鈍い銀を湛えた剣身は傷一つ無く、切っ先鋭く朝日を照らしていた。血溝には祝福の意味を示す文字が浮かびあがる。 後はこれに相応しい鍔や柄頭を作り、柄と鞘をつければ完成だ。しかし、剣身ができれば7割出来たも同然。 このペースなら予定日までには完成できるだろう。 「ふふぁぁ。」  剣を持っていた少年は大きなあくびをした。この剣身を仕上げるのに一昼夜集中しているのだから、そろそろ疲れのピークが来るころである。 錬聖とはいえ、まだ歳若い彼には集中力を持続させるコツは身に付いてはいない。彼の父も錬聖だったのだが父にはいまだ及ばない事は知っていた。そして、自分の今の限界も知っていた。 「少し寝ようか、クッティ。」  ココまで付き合ってくれた相棒ともいえる召還獣に声をかける。ふわふわと飛ぶ獣のような姿の召還獣は寝ぼけ眼で頷く。召還獣は半ば夢うつつでベッドに向う。 彼も出来上がった剣を白い布に丁寧に包み、鍛錬用の服を一瞬で脱いで、クッティと呼ばれた相棒とともにベッドに倒れこむ。 数秒で一番若い錬聖のクリュウは夢すら忘れる深い眠りに入っていった。 そっと工房のドアを開けて人影が入ってくる。 「あ、やっぱり寝てる・・・・・・・・・・・・。」 小柄で日に焼けたように健康的な肌と大きな目は猫か犬の愛くるしい瞳を思い出させる。短い髪をバンダナに結んだ彼・・・・・・・ではない彼女の名前はラジィという。クリュウと同じ銀の匠合に所属する鍛冶師見習い 起こさないようにか、小さい声でつぶやく。勝手知ったるなんとやら。影は真新しい剣が包まれた布をとく。 「はぁ・・・・・・」  感嘆のため息がでた。鍛冶師であるが拳闘士用の武器を中心にしている自分ではココまで鍛える事は出来ない、その見事な出来には感嘆に価すると思った。 しばし、剣を眺めていたが、本来の目的を忘れるところだったラジィは剣を元のように包み、そっと置いた。 そして忍び足で眠り続けるクリュウの様子を見る。 一騎当千とは言わないがかなりの場数を踏んだ戦士でもある彼の無防備すぎる寝顔、普通では見せない表情。 しかし、今はずっと見ているわけには行かない。せっかく工房で使っている炉の定期検査の日を狙ってクリュウと遊びに行く約束をしたのだから。 「兄貴起きてよ、おきてってば!。」  クリュウの体を揺する。しかし、規則正しい寝息は破れずに続いていた。 「ア! ニ! キ!」  耳元で大声で呼ぶ。やはり起きない。体を揺すり、大声で呼ぶという事を数回続けたのだがやはり起きない。 ふと、ラジィは思い付いた。些細な事を。 そっと自分の口をクリュウの耳元に寄せる。 「クリュウ、起きて。」  まるで新婚か娼婦との朝のように甘く囁く。それはラジィ自身もこれほど甘い声が出せるのかと驚くほどであった。 「ん、ラジィ……………??」 「?!! ら、兄貴?!」  突如として起き上がるクリュウにラジィは心臓が暴発するかと思うほどに驚く。しかし、クリュウはいまだ夢の中にいた。 「キャ?!」  ラジィには驚く事がまだ続いていた。突然クリュウがラジィの腕を引いて自分の胸に抱いたのだ。 「あ、ち、ちょっと、あにき!?」 「ラジィ〜。」  クリュウが力を込めてラジィを抱く。胸に自分の顔をくっ付けられて、暴れることも忘れるラジィ。 そして、そのままベッドに引きずり込まれる。そしてなすがままに同衾状態となってしまう。 「・・・・・・・・・・・・・・・」  クリュウは安心しきった顔でまた寝ていた。 でもそんな事を知るまえにラジィは予期していない事態に思考が止まっていた。目の前には汗臭い男の胸板、 でも、嫌じゃないのは自分の汗臭さに慣れていたからだけじゃない。鼓動が早くなるもの息苦しいからだけじゃない。 自分の体にもじっとりと汗がにじみ出るのも暑いからだけじゃない。 不快じゃない、嫌いじゃない、心地よいのかもしれない。  兄貴の腕って太かったんだ・・・・・・・・・ ふと、そんな些細な事に気がつくラジィだったが自分自身の息に熱を持っていることには気が付いていなかった。  もっと・・・・・・・・・・・・ ズリズリと体を動かして胸板に顔を摺り寄せる。気持ちいいかも、そんな事を思っていた。 「アニキ、いいよ。」 ラジィは呟く。鼓動する心臓を必死で抑えてクリュウを見ようとした。 「あ〜コホン、そういうことは工房でやらないほうがいいと思うんだが?」  入り口からの突然の声にラジィは飛び上がる。続いてゆっくりとクリュウも起き上がる。やっと起きたらしい。 「ふぁぁ、おはようございます。サクロさん。」  入り口に立っていたのは青玉の錬聖であるサクロであった。彼は何かと若い錬聖の世話を焼きたがるので若い鍛冶師たちに人気があった。クリュウやラジィも世話になっていて、特にクリュウはサクロに錬聖のとしてのイロハを教えてもらったといっても過言ではない。 「あ、あ、あ、お、おはようございます」  思わぬ痴態を見られて居場所のないラジィは恥ずかしさで縮こまってしまう。 「ああ、おはよう。」  サクロはいつもと変わらずに挨拶をする。 「どうしたんですか? こんな朝早くから。」  すでに朝日は高いのだが、そこに突っ込むモノは誰もいなかった。 「うん、じつはね、錬聖に招集がかかったんだ。」 「錬聖の招集?! 何かあったんですか?」 クリュウは飛び跳ねる。錬聖が招集される事はめったに無い。 「いや、早急な事態ではないんだが、リンドウさまが少し相談したいことがあると言うんだ。」 錬聖最長老のである、金剛の錬聖リンドウ。その リンドウの召集となれば断るわけにもいかない。 「あ、あのボク用事思い出したから行くね。」  完全に蚊帳の外になっていたラジィはそう言うとぎこちない動きで部屋を後にした。そしてラジィは脇目も振らずにトイレの個室に駆け込んでいた。クリュウの呼び止める声に気付かずに。 「はぁはぁはぁはぁ…………」 鍵をかけたドアにもたれ、必死で息をする。 そして、ズボンを下ろして、下着をゆっくりと丁寧に脱ぐ。 ぬるっ……… ラジィの股間と下着の間に粘つく糸が橋を作った。 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 ラジィがここに急いで来た理由、クリュウの匂いだけで濡れてしまった自分に少しだけ嬉しくて少し悲しい。 「ん・・・」 そっと右手で自分の股間を触って見る。同年代の子より薄い羽毛はいまだ産毛といったモノを手のひらに包みながら透明の粘液を指に絡ませる。 こういう所を感じて、ああ、自分が女なんだなとラジィは自覚していた。 「ん、んぁ」 鼻にかかったため息が出てしまうことにはラジィは気が付かない。ゆっくりと柔らかくぬかるむ谷に指を進めて行く。 自分で慰める事を覚えたのはクリュウを意識した時から。それからはいつも彼の事を考えていた。彼の顔、彼の声、彼のしぐさ。 幼さの残る割れ目を中指でなぞる。それだけで甘く、火傷の痛みが甘くなったようにジンジンとした感覚が頭に響く。 「くぅぅ、んぅ」 中指を何度か前後させると本能のままに更に滑りが良くなっていく。ラジィは左手でシャツの裾をたくし上げ、滑らかな腰とお腹、そして、膨らみ始めようとしている乳房に左手をそろそろと持っていく。 「んんっふっ」 指が硬くなった乳首に擦れて痺れる。薄いとはいえ、女性の乳房である。おまけに今のラジィにはその痺れは麻薬であった。左手でまた乳首に触れる。 「んんん、んぁ!」  ハッキリと声が喘ぎが出る。薄い胸を今度は震える乳首に触れないように触れる。先ほどのような刺激はないが、鈍くやんわりとした感触が心地よい。右手の指に絡む蜜はその刺激も受けて、更に濡れ絡んでくる。  次第に濡れる割れ目は目を覚まし始め、ほころび始める。濡肉が口を開き、蹂躙者である指を待ち焦がれ、更に蜜を生み出す。 「はあぁぁぁ。」  ため息が出る。ラジィは天を仰ぐように上を向いて息をする。口を開き、戦慄く舌を衝き出している所はまるで何かを求めるようにも思えた。無論、ラジィが意識してしているわけでは無いが。  ぬかるみの中に指が届き、粘膜を指で掻く。そして、一番敏感な場所に指が到達する。 「あはぁ・・・あふぅぅん。」  包皮に触れるとそれだけで電流が走り、足に力が入らなくなりかけるのを潤む瞳を閉じて耐える。まだ絶頂を向えるのは勿体無い。  下半身を貫く電流に必死で耐えながら、秘蜜に塗れる包皮を剥く。 「んんんんんんぅぅぅぅぅぅっ!」  ガクンと腰が抜けて、洋式便器の上に座ってしまう。剥けて直接蜜に濡れた肉芽は凶暴な快感をラジィに与えようとしている。 「あ、あくぅぅぅっぅ、」  快楽の肉芽に少し触れるだけで今まで以上の快楽が全身を駆け巡る。ヌメる蜜を指に纏わせて肉芽に再び触れる。 「ひゃ……んんんんくぅぅ! んんはあぁぁぁぁ!!」  体が震え、肉芽からの快楽を全身で受け止める。もう少し、もう少しで………… 「しかし、今日やらんでもええと思わん??」  突然声が聞こえた。咄嗟にラジィはシャツの裾をかんで声を抑えた。肉芽は更なる蹂躙を望んでそれを疼きとしてラジィに強請る。瞳を見開いて疼きという甘美な誘惑に耐える。 「だけど、近々大きな動きがあるような気がするのよ。その準備も兼ねているんじゃないのかしら?」  話している二人の声では次第に遠くなっていく。ラジィは噛み切れるくらいにシャツを噛み耐えていた。ツッと開き潤んだ目から涙がこぼれた。限界に来ていた。外の声が遠くなるのを確認して、そして、肉芽の誘惑に身を任せる。 「ア、ああ、あああぁああ!!」  疼く肉芽を弾いて、官能のスイッチを入れる。流れた涙は止まらないほどに流れ始めていた。 「あくぅぅうぅ、ぅはぁぁぁぁ!」  ああ、彼の匂いがどこかでする。ラジィは白くにごり始めた頭でそんな事を思っていた。肉芽を潰し、華片を広げ弄り、褐色の肌から濃いピンク色の蜜肉を覗かせる秘部を気持ちよさに任せて、蹂躙していく。そして、クリュウの顔を思いだす。 「ああぁんん、ああああぁあぁ!」  ビクンと全身が電流が走り、喘ぎは絶頂を告げる。白い蜜がトロトロと流れてだしていた。 荒い息をしながらゆっくりと脱力していく。 「アニキの………………ばかぁ………」  


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