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 バレンタイン・フレグランス

【メインCP】 オーストリア×ハンガリー 
【傾向】 純愛。甘エロ
【その他】
 ・すっかり出遅れましたがバレンタインネタ。
 ・ですが、チョコレートのチの字も出てきません。


「こんにちは、オーストリアさん!」
玄関を開けると、明るく弾んだ声が響いた。
目の前には笑顔を浮かべたハンガリー。
「ええ、いらっしゃい。寒かったでしょう、早く中へお入りなさい」
オーストリアはハンガリーを招き入れ……とそこで気づく。
彼女の頭や肩に、うっすら白い輝きが乗っていた。
「外は雪ですか?」
「あっ、ええっと、木から落ちてきた雪に当たっちゃったんです。
 これをずっと手に持ってたので、かばったら避けられなくって…」
ハンガリーの手の中には両手の平くらいのサイズの箱があった。
綺麗にリボンでラッピングされているそれは、
「それは……プレゼントですか?」
「はいっ! バレンタインプレゼントです、どうぞ!」
満面の笑みで可愛らしい箱を差し出されるオーストリア。
一呼吸の小さな間があって、
「……ありがとうございます」
受け取った彼の頬は、少し赤らんでいた。


暖房のよく効いたリビングに、淹れたてのコ−ヒーが二人分。
ハンガリーがコートを脱ごうとしたので、オーストリアはそれを手伝い
ポールハンガーにかける……と、ハンガリーがオーストリアに寄り添い
問いかけた。
「あの……わかります? 私……」
「? 何ですか?」
「あ、あれ、ミドルノート失敗したかな……。
 あのですね、この香り……」
うろたえる様子のハンガリーからは、いつもとは違ったフローラルの香りがただよっていた。
「え、ああ、わかります。贈った香水、早速使ってくださってるんですね」
「は……はい、そうです! プレゼントありがとうございました!
 とっても嬉しいです!!」
再び満面の笑顔が戻る。
「……匿名で贈ったものですし、お礼を言う必要はありませんよ」
こちらには、頬の赤らみが戻っていた。


ソファに並んで座り、コーヒーで一息。
そして視線をそらしながらオーストリアは呟いた。
「……しかし、いつものことながら、すぐバレるものですね……」
「ふふっ、だってバレンタインの前にショッピングに誘ってもらった相手と
 一緒に眺めてた物が届くんですよ? それはもう」
「……偶然の可能性とかは、考えないんですか?」
「相手の欲しい物を直接調べてプレゼントする人なんて、
 私の周りではオーストリアさんくらいですから。
 そういえば、この前のクリスマスもイタちゃんにそんなプレゼントして
 喜ばれてましたね」
その時の光景を思い出したのか、ハンガリーはにこにこと楽しそうに続ける。
「あっ、でも、匿名でくださるのが無意味だとは思わないですよ?
 名乗らなくても贈り主がわかる相手だと思ってもらえるなんて……
 すごく光栄です」
「……」
いや、恥ずかしいからなのですが……と言おうとした言葉を寸前で飲み込む。
言われてみれば、そういう部分もなきにしもあらずかもしれない。
見返りを求めない愛情表現であるということも含んでいるだろう。
全くの否定はできないし、何より当の彼女が喜んでいるのだ。
そこに水を差す道理もない。
「喜んでいただけて、こちらこそ嬉しいですよ」
そう一言だけ返して、コーヒーを一口すすった。

「ところで、オーストリアさん……」
落ち着いた頃、ハンガリーがおずおずと切り出した。
「私からのも、開けてみてほしいです……」
そう言って、オーストリアがテーブルに置いたままのプレゼントに視線を送る。
「あ、そうでしたね」
「……すみません、期待を持たせられるようなプレゼントじゃなくて……」
少ししょげるハンガリーに、オーストリアはごほん、と咳払い一つ。
「そういう言い方はおよしなさい。
 我が国では男性が女性にプレゼントするだけというのが習慣なのですから、
 つい、そのように意識が行ってしまうだけですよ」
「あっ、そうですよね。うちの国だとお互いに贈り合うのが習慣ですから、
 つい、そういう考え方になっちゃって……」
「……お互い様、ですかね」
「ふふ、そうですね。変なこと言ってすみませんでした」
オーストリアはやれやれと心の中で独り言ち、プレゼントのリボンを解いた。
箱を開けると、中には見覚えあるブランド物の万年筆。
どこで見たものか。
答えは簡単、先日のショッピングで見かけたショーウィンドウの中にあったもので、
隣の彼女とその日にした話題に出てきたそれだ。
リサーチするところを、し返されたというわけか。
こんなところもお互い様。
「……気に入ってもらえました?」
「ええ、ありがとうございます」
「良かった! それと、あと……」
くい、とオーストリアの袖を引っ張るハンガリー。
何ですか?と言おうとした矢先、頬に一瞬の柔らかい吸いつくような感触と
ちゅっ、という可愛らしい音が届いた。
「えへへ、女の子からちゃんとしたプレゼントを贈る習慣はなくても、
 キスをあげる習慣はあるんですよね?」
「あげる習慣というか……そのくらいあってもおかしくない慣習というか……」
「あれ? 私、何か間違ってました?」
「いえ、間違っているわけではありませんが……。
 というか、もうちゃんとプレゼントはいただきましたし……」
「それはそれ、これはこれです!」
「……。
 わかりました。とりあえず、もうきちんとお座りなさい」
わからなくなってきたところでわかったと返しつつ、
ソファにひざ立ち状態のハンガリーをたしなめる。
脈絡などなくていいのだ。
要は気持ちの問題だ。
話の前後が繋がるより、心が繋がる方が大事だろう。
お互い嬉しい、それでいい。
だってほら、こんなに幸せそうな彼女が見られるのだから。

それから、最近買った本の話などでしばらく盛り上がり、
日も暮れたところで今年は外で、とオーストリアが誘って
予約していたレストランでディナー。
それからホテルにエスコート。
オーストリアが開けてくれたドアの向こうには、
「……わぁっ」
広い部屋。広いベッド。そしてベッドの上に……
「すごい、綺麗ですっ! ……わざわざ用意してくださったんですか?
 このお花……」
花束が広げられており、その甘い香りと色彩で二人を出迎えた。
「ええ、全て差し上げます。
 ……と言っても、持ち帰るのも大変でしょうし、お好きなものを……」
「そんな、選ぶなんてもったいない! っていうか、選べないです!
 大丈夫です、全部持ち帰ってみせますから!」
男らしく返されてしまった。
「ま、まぁ、その辺りは明日にでもまた相談しましょうか。
 とりあえず……ええと、これはベッドに人のスペースを作らないと……」
「わかりました! それじゃ、そっちのテーブルの方に
 置かせてもらいますねっ」
いそいそと花を抱えてベッドとテーブルの間を往復するハンガリーを見て、
プレゼントの相手がプレゼントを片付ける光景は少々滑稽ですかね……
と一抹の疑問を抱いたオーストリアだったが、彼女の嬉しそうな表情に
そんなことは瑣末な問題だと結論づけた。


「お花、全部片付け終わりました!」
「ご苦労様です。でも、あと1つ残っていますね」
「ええっ!? ど、どこですか?」
「これ、ですよ」
そう言って、オーストリアはハンガリーの髪に手を伸ばし
彼女のバラトン湖を手の中に収めた。
髪飾りをはずす、その手つきは慣れたものだ。
慣れる程繰り返してきた行為だから。
「あ……ありがとうございます」
「さぁ、どうぞベッドへお座りなさい」
バラトン湖をはずしてもらい、ベッドへ誘導される。
その一連の動作に、ハンガリーの胸が高鳴る。
「ベッドから……お花の香りがしますね」
「ええ、どうですか?」
「いい香りです、とっても!」
「強すぎたりはしてませんか?」
「そんなことないですよ!」
「今すぐ寝ても問題ないですか?」
「はい! 問題な……えっ?」
寝る。
その単語の意味するところを理解するのがワンテンポ遅れ、
ハンガリーは返事の途中でおかしな声を出してしまった。
「あ、はい……。問題、ないです……」
「それは結構。さて、どうしますか。夜景も綺麗ですし
 ベランダの方へ行ってみますか?」
「……へ?」
おかしな声、二度目。
彼の発する言葉の意味を、一瞬考える。
今すぐ寝ても問題ない。すなわち、今すぐでもそうでなくても問題ない。
さてどうするか。すなわち、どうしたいかを問われている。
そう、選択肢を提示した上で、その決定権をこちらに渡しているのだ。
彼らしい、一見わかりにくいがわかる人間にはわかる露骨な優しさだ。
そこを理解してしまうと、ハンガリーの中のオーストリアへの感情が
急にあふれ出してくる。
愛したい。愛されたい。繋がりたい、心も体も。
勢いで飛びつきたい気持ちを抑えながら返答をする。
「夜景は後で……一緒に見たいです。
 今は……この部屋に夜のとばりを落として……」
そう言いながら、オーストリアの眼鏡をはずす。
潤んだ瞳からこちらに向けられる熱っぽい視線と共に
彼女の選択を受け取ったオーストリアは、
無言で頷いて部屋の電気を落とした。


「あ……っ」
服の上から愛撫を開始する。最初は最大限の優しさから、少しずつ、少しずつ。
「は……んぅ、ん……っ」
時折、唇を合わせて咥内にも愛撫をほどこす。最初は短く、段々長く。
時間をかけて焦らすように。
「あ……あの……」
汗を浮かべ始めたハンガリーが我慢できなくなってきたところで
襟のリボンを解き、そのまま彼女を生まれたままの姿へ返す。
その途中でハンガリーがうつろに手を伸ばし、
オーストリアのタイをはずしてきたので、流れに任せて
身にまとっていたものを取り払い、お互いの素肌を重ね合う。
しばし体温を交換し合いながら、おもむろにハンガリーの髪をなでる。
上から下へ手櫛ですく動作を繰り返し、段々とその手の動く範囲を変えて、
髪の次は頬、そして首、肩、腕と順番に愛でていく。

「ふ、あ、はぁ……っ」
体勢を変えながら、お腹や足などを丹念になでまわしていき、
やがて愛撫の手がハンガリーの上半身の双丘に辿りついた。
「あっ……んく、う……」
彼の大きな手の動きに合わせて、豊かな胸が形を変えていく。
中央の突起には、あえてまだ触れない。
ふくらみ全体をむにむにと動かしながら、時折ピンク色の周りに指をすべらせる。
「はぅ……あっ、や、も……触って、くださ……」
しびれを切らした彼女がねだっても、少し指の動きを変える程度だ。
「んん……お、おねが……」
待ち切れなくなって、ハンガリーの手が動く。
その自分の手で彼の手を誘導しようとしたところで、
「ふぁんっ! あっ、ひぁ……っ」
きゅっ、と両突起を攻め立てた。
手の平で胸全体を動かしつつ、指先はつまんだり転がしたり。
「あっ……はぁっ……は……」
しばらく経って上半身に与える刺激に段々順応してきたところで
オーストリアの右手が下腹部へ移動する。
お腹をなでながら、へそのさらにその下へ手を潜り込ませる。
くちゅっ。
そして指を1本だけ秘所に垂直に立てて水音を響かせた。
愛撫ではない。聴覚に訴える方法での、体の状態の確認だ。
こちらも、最初は直接的な刺激は加えず、周りから攻めていく。
あふれる愛液を塗りつけるように、足の付け根に指を這わせていく。
「や、あ、ああ……っ」
耳と肌で自分が感じていることを実感させられ、上半身には快感が直接与えられ、
かと思えば下半身では焦らされて、羞恥と興奮がないまぜになって
ハンガリーを襲う。
たまらず無意識にシーツをつかんで引き寄せると、甘い香りが鼻腔に流れ込んだ。
肉体的にも精神的にも、オーストリアに与えられるよろこびで一杯になっていく。
「オ、オーストリアさ……!」
嬉しさを伝えたいのか、不満を訴えたいのか、彼女の口から彼の名がこぼれ、
腰が何かを求めるように自然と動き始めた。
「……ハンガリー……」
応えるように呼び返し、下の唇をなぞる動作をずっと繰り返していた指が
別の部分をターゲットにし、そこを集中して刺激し始めた。
「ひぁっ! あっ! そ、そこは、や……っ!」
秘裂の入り口の、少し上にある肉芽。すっかり充血した敏感な部分を
指の腹でくりくりと転がし、時折ぎゅっと押しつける。
「だ、だめ、ですっ! そんな、しちゃ、い……いっちゃ……!」
「いいですよ、我慢せず……」
ちゅっ、ぐちゅっ。
水音は止まない。刺激も止まらない。
「も、うぁ、ん……っ! あんっ、あっ、は、あああっ!!」
ハンガリーの体がびくっと強張り、何も侵入していない穴の肉壁が収縮を始めた。
「ああ、あ……っ、はぁ……っは……」
肺が酸素を求めて中から胸を上下させる。
呼吸の乱れを整えるための小休止。だが、すぐにそんなことは終わってしまい、
次の瞬間にはまだまだ満たされていない欲求が頭をもたげてきた。

「オーストリアさん……」
愛しい相手の名を呼び、ゆっくりと腕を伸ばす。
そのまま頭を抱え込んで抱き寄せた。
「……んむ、ちゅ、んんん……」
深く唇を重ね、舌を絡めあい、唾液を交換して、酸欠直前に名残惜しそうに
離れては、また同じように求め合う。
抱きしめ合って互いの肌を密着させ、ぬくもりを分け合い、二人の汗が混ざる。
飽きる程そんな行為を繰り返し、そしていつしかまた濃厚な愛撫が始まっていた。
「ふっ、んあ、ああ……っ」
両手と口を使って3つの突起を同時に攻める。
先程の絶頂の波はとっくに去っていたようで、少しそれを続けただけで
また新たなスイッチが入ったようだ。
「あぅ、は、んぁ……っ! あ、の……あのっ!」
強すぎず弱すぎずの刺激では物足りない。
「はっ、あ……も、もっと……ほし……っ、あっ」
涙を浮かべながら、絞り出すような声で懇願する。
欲望を口に出すことの羞恥心が性的興奮をさらに助長させ、より一層ほしくなる。
スパイラル状態で、もう限界だ。
理性のとびかけた頭が、無意識に彼女の手を彼にむかってうろうろと動かす。
オーストリアは伸ばされた手を取って軽く口づけ、それからようやく
自身の先端を秘部にあてがって、
「……いきます、よ」
小さく囁いた。
「んっ、はい……きて……きて、ください……っ!」
切なく求めて、オーストリアの体を力一杯抱きしめる。
じゅぷっ、ずぶずぶっ。
「ふぁっ! あ、あぅ、は……ああ、あっ!」
待ち望んでいた瞬間が到来する。
熱を帯びた硬い逸物が肉壁をこすりながら侵入する、その快感は
先程まで与えられていたものとは比較にならない。
それは、散々焦らされた結果だ。そう、別に意地悪で挿入を先延ばしに
されていた訳じゃない。より気持ちよくなれるようにと、
そんなオーストリアの思いと行為の成果だ。
愛されている実感が湧いてくる。この一瞬がたまらない。
気持ちよさと幸福感で全身が満たされていく。
オーストリアも同様だ。この瞬間、敷いてきた布石が繋がり、彼女にできうる限りの
最高の満足を与えることの充足感と、自分のコントロールが
成功したことによる征服感と、そしてたっぷりと蜜があふれる壷の中に自身が
うずもれることによる肉体的快楽とが合わさり、言い知れぬ感覚に襲われる。
体を繋げることで、心もシンクロする。
「はふ……ん……」
完全に挿入してしまうと、お互いがお互いを抱きしめあい、口づけを交わし、
頬を寄せ合ってそのままの状態でしばしの時を過ごした。
この至福を噛みしめるように。
互いの匂いと花の香りの混ざった甘い香気の中で。

だが、高ぶる興奮に収まりがつくわけではない。
「あ、んぁ、はぁ……っ」
十分に互いの愛情を確認し合った頃、どちらからともなく腰を律動させ始める。
最初は弱く小刻みに、それから段々と強く大きく。
「ああっ、ひぁっ! は、ううん……っ!」
ずっ、ずぷっ、ぐちゅ、ずちゅぅっ。
打ち付けるような大きな動きの次は、またこすりつけるような小さな動き。
そんな流れをリズミカルに何度も繰り返す。
攻めるところはただ一点、よく心得ている彼女の弱点だ。
「ふあぁっ! んくぁ、あっ! あんっ、あ、あああん!」
ハンガリーの声が、悲鳴のようなものに変わっていく。
涙を流しながら体をくねらせ、力強くシーツを握り締める様子を見て
オーストリアはグラインドのスピードをさらにあげた。
「い、あふ、あぁんっ! だめ、だめぇっ! 出ちゃうぅ……っ!」
じゅぷ、じゅぶ、じゅぶっ。
結合部から漏れ出る水音が大きくなり、下腹部の圧迫感が上昇する。
「大丈夫ですよ。好きなだけ……出してしまいなさい」
オーストリアが耳元で囁いた瞬間、
「や、あっ、ああっ! で……でちゃいます……うぁ、あ、だめええぇ!」
下腹部の猛烈な締めつけと共に、熱い潮が肉洞の奥から飛び出て
剛直に吹きつけながら中を満たし、出口を求めて結合部の隙間から
あふれ出る。
その生理現象が彼に与える快感たるや、並大抵のものではない。
オーストリアのスイッチが切り替わる。
ここまで来たら、後はもうひたすら高みに登りつめるだけだ。
一点集中の動きから、性器全体をこすり合わせるピストン運動へとシフトする。
「ひぁんっ! あ、あんっ、んくぁっ、ああっ!」
入り口付近の往復が続いたかと思うと、今度は中深くへ強い一突き。
リズムよく緩急のついた動きにハンガリーは翻弄されていく。
「はあぁんっ! うぁ、あ、奥ぅ……当たって、あっ、んあぁん!!」
ぐちゅっ、ずぷっ、じゅ、ずしゅっ。
激しく突き上げるたびに、愛液と潮の混ざり合った透明な液体が飛び散る。
腰から伝わる衝撃は、ハンガリーの肢体全体を揺り動かす。
その動きにワンテンポ遅れてゆさゆさと大きく揺れる豊かな二つのふくらみが
オーストリアの情動をさらに煽っていった。
「あんっ! あふ、あ、あ、あぅ……っ、オ、オーストリアさぁんっ!!」
段々と、下腹部に叩き込まれる刺激以外の感覚が薄れていき、
頭の中が白くとろけていく。崩壊していく平衡感覚による不安から逃れるように
オーストリアの名を叫び、求める。
拒む理由なんてない。オーストリアは渾身の力で彼女をかき抱き、
零距離からより深く、強く、ハンガリーの中に自身を押し込んでいく。

「うああぁっ! ひぁ、あぐ、うぁん! そ……っなに、暴れ……あああぁ!」
ぐりゅぐりゅと肉壁をえぐり、かきまわし、思う存分蹂躙していく。
爆発の限界が近い。熱い欲望が、これ以上ないぐらいにふくれ上がる。
「んあああぁっ! ん、んんっ! いっ、あっ、あ、も……ああっ!
 いやあ! もっと、もっと……くださいぃ! も、あ、つよ、く、してぇ!!」
理性が決壊し、快楽の波にのまれて情欲がそのまま口からこぼれた。
お互い最終地点がすぐそこまで来ている。
言われるまでもないといった風に、オーストリアが腰の動きを速めた。
「あ、ふあぁっ! んっ、いい、あ、あんっ! あ、オースト……リア、さ、
 そん、な……あっ! ぐりぐり、された、らぁっ! いっ、ちゃ……あんっ!」
声を聴いているのかいないのか、オーストリアはグラインドしながら
さらに大きく抽送の動きを加えはじめた。
「ひゃんっ! あ、や……ら、やぁっ! は、あんっ、あ、あぅん!
 い、あ、あっ、あっ、いっ……い、あ、いっちゃ……う! あ、あ、んぁっ!」
ぐじゅっ、じゅぶ、じゅぷっ、ずりゅ、ぐちゅんっ。
硬く大きな熱が、蜜でいっぱいの肉洞で暴れまわる。
臨界点はすぐに訪れた。
「あん、ああぁんっ! んくっ! あ、あ、あ……ふぁ、ああっ!
 んっ! あ、あ、い……く、あっ! あ、ああああぁぁーーーーっ!!!」
ハンガリーの体が一瞬痙攣し、直後に急激な締め付けと絶叫が
オーストリアを襲った。
その瞬間、彼女の体内の最奥にぶつけた怒張がどくんっ、と一際大きく跳ねる。
全身に痺れるような感覚が走り抜けると同時に、体が弛緩して
留める力を失った途端、白濁液が放出された。
「あ、あつっ、ああ……うぁ、あ……っ」
びゅくびゅくと精を吐き出しながら、オーストリアは自身を引き抜いていく。
肉襞の天井をこするように移動する肉棒は、入り口付近で
ふくらみっぱなしの弱点を刺激しながらハンガリーを開放した。
「ふあああっっ!? あ、いや、いやぁ! そんなことっ、したら……あっ!」
ぷしゃあああああっ。
塞ぐものが何もなくなった、外への出口が開かれた蜜壷から透明な液体が
勢いよく飛び出し、宙にアーチを描いて、オーストリアの体と
その下のシーツを濡らした。

「は、あ、あ……。〜〜〜っ!」
羞恥の余り、ぎゅっと目をつぶるハンガリー。
目の端から雫がぽろっとこぼれ落ちた。
「……ハンガリー」
なだめるように優しく名を呼んで、抱きしめながらよしよしと頭をなでる。
再び肌を密着させると同時に、半萎えの自身をゆっくりと差し込んだ。
「ん……っ」
敏感になっている部分はほんの少しの刺激にも反応する。
だが、挿入し終わって動かなくなってしまうと、ただ彼のぬくもりと
つながっている実感がハンガリーに与えられるだけとなった。
オーストリアは断続的に収縮を続ける体内を味わいながら、行為の余韻にひたる。
繋がったまま抱き合う二人は、甘い香りに包まれたけだるい満足感の中で
幸福を共有させて、そのまま穏やかな時を過ごした。


「……オーストリアさん」
「ん、何ですか?」
ベッドに背中を預けるオーストリアの、その胸にさらに背中を預けている
ハンガリーが、手の中のバラの花束に視線を落としながら口を開いた。
「何だか私、このお花見たことあるような……気がするんですけど」
花びらの形をなぞるように指をすべらせながら、ハンガリーは考える。
ラッピングしてあるので、すっかり店売りのものかと思っていたが、
よくよく見ると若干不ぞろいな形のものも混ざっている。
「ああ、それはうちで育てたものですから……庭に植わっていた時の
 ものを覚えているんじゃないでしょうか」
「えっ、オーストリアさんが育てたんですか?」
「ええ」
「他のお花も……?」
「他は、私のものも、花屋のものもありますね」
「そうだったんですか」
はー、と感嘆のため息をもらし、お手製だというそれをじっと見つめる。
「……花は」
ぽつり、とオーストリアがもらした。
「花なら、繰り返し咲きます。うつろいやすそうでいてその存在感は大きい」
「……」
「花を見るたびに思い出される……ですから、贈り物に花が選ばれるのですよ」
「……ふふっ、じゃあ私、頑張ってこのお花全部覚えなきゃですね」
嬉しそうに、それでいた少しだけいたずら心の混じった微笑みで、
ハンガリーは言った。
「えっ、あー……いえ、というか、もともと全部差し上げる予定では
 なかったのですが……」
「はい、でも……できれば全部覚えたいって、そう思うんです」
少し切実さを含んだハンガリーの声。
オーストリアは一息ついて、
「……まぁ、いいでしょう。お好きなようになさい。
 ハンガリー、あの香水はどこですか?」
「え? えっと、バッグに入ってるはずですけど……」
花束を置いてベッド脇のチェストの上のバッグに手を伸ばし、
そこから小さな瓶を取り出す。

「つけ直してみてください。点でつける程度でいいですよ」
「あ、はい」
言われた通りに……と言っても液体のパルファムではないので
1滴正確にというのは無理だが、そのくらいを意識して手首に吹きつける。
「……いい匂いです……」
うっとりと目を細め、香りを堪能する。
オーストリアはハンガリーの手の中に自分の手を潜り込ませ、
そこから小瓶を受け取るとチェストに置いた。

そしてそれを眺めながら、語り始める。
「香りというものが……感情に与える影響というのは、
 単純でありながら、その分大きいものです。
 記憶に挟まれる付箋のように」
「……あ」
そこで、一連のプレゼントが繋がったことをハンガリーは理解した。
花の香りの香水。花の香りのベッド。
今日この日というものを思い出に刻みこむための装置。
「……大事にしていただけると、嬉しいです」
「はいっ……。絶対大事にします、ずっと……ずっと」
嬉しさで胸がいっぱいになったハンガリーは、オーストリアに向き直って
そう告げると、そのまま体重の全てを彼に委ねた。
「っと……」
バランスを崩したオーストリアの体が、上になったハンガリーの体と共に
やわらかくベッドに沈む。
重なった二人を甘い香りが包み込んだ。
優しく頭をなでてくれるオーストリアに身を任せ、
シーツからただようほのかな香りと手首の香りを胸いっぱい吸い込む。
反芻するように目を閉じて幸福感をかみしめたまま、
二人はゆっくりとまどろみに落ちていった。



カテゴリー
[ハンガリー][オーストリア][オーストリア×ハンガリー]

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