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 ガラスの靴

フェチのバッシュ兄様、擬音、直接表現、淫語が駄目な方はスルーして下さい。


【メインCP】
スイス×リヒテンシュタイン
【傾向】
擬音、直接表現、淫語あり
スイスが重度のシスコンで足フェチ、リヒテンシュタインが兄様好きすぎて淫乱
【その他】
人名使用


 始まりは本当に唐突だった。
珍しく兄が部屋に籠もって、一人で何かしていた。兄にも日がな一日没頭して
しまう趣味があるのだと思うと、常日頃の真面目な兄を知るリヒテンシュタイン
としては微笑ましく、声をかけずにそっとしておいたのだ。
しかし夕食になっても一向に出てこない。いくらなんでも、と心配になりノッ
クをしたが、呼びかけても呼びかけても出てこない。そんなに夢中ならばと、こ
しらえた夕食を盆に乗せ、ドアのそばに置いて出て行くつもりで兄の部屋のドア
を開けた。
そこで、とんでもないものを見てしまった。
何箱かの真っ白な靴箱。ふわりとした包みやリボンも片付けず、散乱する色とりどりの靴。



 どうみても女性のためのそのぴんとしたつま先に、兄が恍惚とした表情で口付けしていた。
 ガシャン!と盆ごと夕食の料理を取り落としてしまった。はッ、と肩が震え、バッシュが物音に振り返り、青ざめた。「リ、ヒテン……!?」
「兄様……あの……」
「ちっ、違うのである! これは、その、違うのである……!」
「に、兄様……!」
バッシュは真っ青になって靴を放り出し、リヒテンシュタインのもとへ走る。
だが、あまりに突然の兄の狂態に理解ができないリヒテンシュタインは、いつものように受け入れることが思いつかずに、ドアを閉じたのも忘れて大きく後ずさってしまった。
 ガシャン!
 食器がけたたましく鳴り、湯気の立つ肉がリヒテンシュタインの足に踏みつけ
られて汁を飛ばす。
 兄のためにあたため直したばかりの料理はまだ大変な熱さで、リヒテンシュタ
インは思わず悲鳴を上げた。
「リヒテン!」
 恐怖の興奮さめやらぬバッシュはどうにか理性に鞭打って、慌てて妹へ駆け寄る。
しゃがむこともできず立ち尽くして耐えているリヒテンシュタインはその声で我に
返ったのか、足を肉をから退けると、どさりと横座りに倒れ込んだ。
「リヒテンシュタイン、大丈夫であるか……」
「に……兄様……、ごめんなさい! あ……足……、私…やけどしてしまったの
でしょうか……、あの、怖くて……」
「見せてみろ」
確認して重傷を負っているかも知れないという場面が恐ろしく、リヒテンシュ
タインはいやいやとかぶりを振るばかりで、業を煮やしたバッシュが足首まで覆
い被さったスカートの裾をまくりあげると、またしても小さな悲鳴が上がる。
よっぽど重傷なのかと改め、
茶色く油で汚れたタイツをひき裂くと、リヒテンシュタインに手を押さえられた。
そこで、バッシュは初めて思い出した。先ほどの自分の醜態を、
妹に目撃されてしまっていたことを。
「あ……」
「あ……っ!」
 兄妹の視線がかち合う。
(どうしましょう……! 私がここであからさまな拒否を見せては、お兄様を傷つけてしまう……)
 リヒテンシュタインは慌てて、止めるように強く掴んだ彼の手を包み込んだ。
「あ……足は……! 私の足は、どうなっておりますの?」
「だ、大丈夫……なのである……」
顔を背けたものの、あからさまにバッシュの視線はちらちらとリヒテンシュタ
インの足を追っていた。
 むき出しになった太ももと、兄によって破かれ、素足と白い繊維がまだらに
なっているリヒテンシュタインの足。ほっそりとしているだけにタイツの裂け目
からのぞく肌色は肉感的で、バッシュはゴクリと喉を鳴らした。
「傷を……た、確めるのである……」
「お兄……きゃっ、あ!」
ぐいっと足を引き寄せ、バッシュが油のついたくるぶしに唇を這わせた。
「……痛みは?」
「ひ、ヒリヒリ……します……」
「……まだ汁が残っているからであろう」
「や、あ――――!!」
 ぺちゅっ。と、押し当てられた唇から生暖かい舌が這いだしてくる。
ぺろっ。ぺろ……。
 バッシュはそのままくるぶしをしゃぶるようにして汚れを吸うと、息をこぼし
ながら、頭を動かしてまた別の箇所へ口づける。
「ここは?」
「やっ――! だ、いじょうぶ……で……」
「そうか……」
「は、んっ! く……や、あぁ……っ」
「どうした、リヒテン」
足の指を一本一本ねぶりながら、バッシュが上目遣いにリヒテンシュタインを
見る。普段はガラスのような瞳が、どろりとした興奮に濁っている。
言い知れぬ感覚に体をよじりながら、リヒテンシュタインは必死にその感覚が
おそらく快感という名まえであるということを考えないようにしていた。
 ちゅくっ……ちゅ、じゅるっ。
「は……っ、は……あ」
バッシュの舌は好きなように足を這いずり回り、リヒテンシュタインの理性を
すすって楽しむ。
「そんなに顔を赤らめて……どうしたと言うのだ」
「赤らめてなんか……あっ、んん……」
「先ほどの醜態に、さぞ我が輩を軽蔑しただろう」
「ん、し、してませ――――あんっ!」
 ぐちゅっ、ちゅるっ……!
唾液を絡ませるようにして、妹の足を吸うと、太ももを抱え、
自分の足の間に、唾液にてらてらするリヒテンシュタインの足を押し付ける。ズ
ボン越しに、兄の肉茎が勃起している、と瞬時に悟った彼女は、羞恥で顔を真っ
赤に染める。
「…………先ほど我が輩がなめていたものが何か分かるか、リヒテンシュタイン。
お前のために買った靴たちである」
ぐにぐにと妹の足で自分の性器を刺激しながら、震える声でバッシュは話し出す。
「我が輩は……我が輩の性癖はおかしいのであろう。妹に欲情するなど。まして
その足に、たまらぬ性的な魅力を感じるなど」
「い、や……っ……いや、あ」
「プレゼントした靴をはいてくれれば治まろう、と考えたが、浅はかだった」
ジィィ……、とジッパーを開けて前をくつろげる。やわらかな感触に、リヒテン
シュタインは嫌悪よりもたまらなく興奮している自分を恥じて顔を覆った。ゆっ
くりと、リヒテンシュタインの足裏でバッシュの性器がしごかれる。
足の裏がやわらかな肉茎をこすりあげるたび、たまらない快感が走った。足を逃がそうと体をひねったリヒテンシュタインを水音が引き止めた。
 身を動かすたびに鳴る、くちゅっ、という水音は、まごうことなく彼女の両脚の間から立てられていた。
(わ……たし……私、兄様の性器をこすって……濡れて……る……)
「リヒテンシュタイン、我が輩はお前が好きだ。雄として好きなのだ……!
許されぬと思えば思うほど……お前のことばかり……っ、……」
「あっ……あっ」
くにゅっ、くにゅっ!
「お前の体を傷つけることはしない、だから……頼む……! このまま……」
「あっ、……はっ、はっ……あ、あ」
にゅっ、にゅっ、ぬるっ、ぬるっ……!
どんどん水気を帯びていく性器のこすれる音に、リヒテンシュタインはもはや
バッシュの言葉など聞こえなかった。兄の告白が恐ろしく道ならぬものであり、
今まさに自分が冒そうとしている領分だということ、ただそれだけが理解できた。
「兄……様ぁ……」
そろり、とリヒテンシュタインの手が動く。赤茶のスカートを腰までたくし上
げ、床を汚すほど蜜の染み出した下着をさらけ出した。
「お、お前……」
「私も……! 私も、兄様をお慕い申し上げているのです……! 私の恋は明か
してはいけないと何度も言い聞かせ、かたく誓って……」
くちゅ……っ。
「それなのにっ、兄様……! ……かっ、叶っていたと……あっ、私に知らせる
なんて……あ、あんまり……です…」
「っ、く……! リヒテン……!」
「だめになってしまいます……! 私……っ! あんっ……!
あんっ、あ……!」
にゅぐっ、にゅぐっ、にゅぐっ……
ぐちゅくちゅっ、ちゅっ、ちゅくっ。 妹の痴態に再び理性をかなぐり捨てたバッシュは白い足をより強く自らの肉棒
へ押し当てた。先走りにぬめる性器は充血で膨れ上がり、柔足でしごかれる快感
で腰が砕けそうになる。
「兄様ぁっ、気持ちっ……いいですかっ……!?」
「きっ、気持ちいい……! あっ、たまらぬのである、リヒテンシュタイン……っ!
は、あっ……! あっ!」
「兄様のおちんぽ……っ! 大好きな兄様のおちんぽ……足でこすってる……っ!」
 リヒテンシュタインは夢中で自らを慰めながら、自分の足をいいように自慰に
使われる感触に悶える。
「あっう、い、イキそうだ、リヒテンシュタイン……!」
「ああっ……! くださいませ、兄様……っリヒテンシュタインの卑しい足に、
兄様のお恵みをくださいませ……っ!」
「くっ、あっ、あっ、あっイ、くっ――――う!」
「ああああっ、兄様ぁぁぁぁっ……! あっ、あんっ!」

ビュルルルルルッ!びゅくっ!ぴゅっ!
勢いよく白濁がはじけ、リヒテンシュタインの足に吐きかけられる。ほぼ同時
にリヒテンシュタインも自分の指で絶頂に達し、快感に顎をのけぞらると、びくびくと震えた。
「あ……っ、ぁ……あっ、……っ」
「はあ……っ、はあ……っ……り、リヒテン……」
余韻に浸る呼吸の中で、バッシュが体を起こした。
「ん、……」
「……ん……」
汗で張り付いたリヒテンシュタインの前髪を整えると、唇にそっとキスする。 絶頂に震えながら
も、リヒテンシュタインも応えるように、兄の頬に手を寄せる。
「リヒテンシュタイン……すまない。本当に……」
「兄様……」
唇を離して、心底悔いた表情で謝るバッシュに、リヒテンシュタインはかぶり
をふって、今度は自分からキスを贈る。
「恋が叶ったのに、そんな顔なさらないでくださいませ」
「リヒテンシュタイン……」
二人はしばらく、お互いの感動に酔いしれていたが、やがてどちらともなく笑
い出した。
「片付けましょう、兄様」
「ああ」







 遠い海のかなたの島国では、猛烈なペンの音が響いていた。



<終>



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[リヒテンシュタイン][スイス][スイス×リヒテンシュタイン]

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