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1_128-132


 無題

  にょたりあ注意

90 :名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 09:31:47 ID:L1nlf+HI
    普通にお兄様×リヒでいいだろ
    お兄様のあずかり知らぬところで男の国と仲良くなるリヒテンシュタイン
    嫉妬にかられたお兄様はその夜リヒテンの寝室に入ると他の男にとられるくらいならと 

120 :名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 23:48:50 ID:aFzp85Qt
    リヒ×リヒが見たい 128 :1/5くらい?:2008/08/12(火) 06:38:53 ID:/7/jSBlH
    >>90と>>120を混ぜてみた
    男の子の呼び方はシュタイン
    書いてから全くエロくないことに気づいたがもったいないので投下
    病み注意


「ねぇリヒ、脅すようで悪いけどね、リヒが悪いんだよ。 リヒがオーストリアさんの宿敵なんかに世話になってるから悪いんだよ」
「シュタイン、…離して」
「嫌だと言ったら?」
「………」

音楽の都ウィーンから遥々、山奥のファドゥーツにまでやってきたのは、単にここに住むリヒを訪れただけにすぎない。
リヒはこの地を気に入っている、僕には単なる田舎にしか見えないし、領主であるはずの侯爵さまだって、めったなことがなければ尋ねてこない、が、まぁ、リヒが気にいっているのならよしとしようではないか。
弦楽器の軽やかな音色のかわりに聞こえるのは鳥の声。
質素な部屋の中には僕とリヒがいるのみ。
甘いぶどうジュースの入ったグラス。 刺繍を施されたクロス。 簡素な応接テーブル。
そして、品の良い長椅子。…良い趣味をしている。 けしてふしだらな用途に用いるべきものではない。
例えば、女の子を押し倒すとか。



「・・・っ・・・離して、シュタイン・・・離して?」
「どうしてさ?」
「貴方に殺されたくは、ありませんもの」
「ころ、す? ・・・っ・・・は、はっ!」

 つい笑ってしまった。 きょとん、と、リヒは脅えた表情のまま首を傾げて眉を下げる。
森林色の大きな瞳に僕が映っている。意味が分かっていないのか。
世間知らずにも程がある。リヒ、僕の可愛い、何も知らないリヒ。
リヒが首を横に振るたび、三つ編みにした金髪もふるふると揺れる。

「リヒ、叫んだって良いんだよ。 あいつを呼べばいいだろう」
「・・・何か、交渉をなさるの? 私は人質ということ?」

違うよリヒほらほら僕はリヒと一緒で絶対に他人と喧嘩なんかしない
でもねどうしてあいつがリヒを助けたと思うのさオーストリアさんとあいつはナカタガイしてるんだよ
お互いがお互いを苦々しく思ってるんだよ知ってるだろう
オーストリアさんのところにいたリヒを歓迎してくれるわけがないだろう

なのになぜあいつがリヒを助けたと思うのさ決まってるどうせお金が目当てなんだ
リヒを助けて侯爵さまに恩を着せてリヒを自分の中に取り込んでしまうつもりなんだよ小さな小さなリヒでもいないよりはマシだと考えてるに違いないんだよ
リヒ何も知らない非力なリヒ、お前は誰より賢いはずなのにどうしてそれに気づかないんだ?侯爵さまのご命令?
ああそう、侯爵さまの言う事ならあいつに従っちゃうんだね可哀想な僕のリヒ侯爵さまが何を考えているのかなんて憤ったりせずに従うんだね
愚直なまでに素直なリヒ、疑う事を知らないんだね僕がいまから何をするかも分かっていない可哀想な僕のリヒ。
賢いリヒが選んだ道なのだから間違っているはずが無いのだ。
それが僕には悔しい。


「ああ、いつでもどこでも、自分の可愛いお人形さんが助けを求めてるとなれば、すぐに駆けつけてくるだろうさ」
「…シュタイン、私には貴方の目的がわからない。 もし貴方がお兄さまに「それが気に入らないんだよ」

レーダーホーゼンの裾に仕込んでおいたナイフをリヒの目の前に晒す。
ナイフといったって護身用の小さなものだが、リヒの眉が僅かに痙攣したのが分かる。
ひくりと息を呑む音が聞こえて、怯んだのだとわかる。
唇をきつく噛んで、ああ、血が滲んできてる。
いつもあいつがライフルを撃つのを間近で見ているんじゃないのかそれともあいつはリヒの前ではライフルを撃たないのか?
「ねぇリヒ僕らは二人で一人だろう家族みたいなものだろう、なのにどうして僕を兄さんって読んでくれないのさどうしてあいつがお前の兄なのさ? 助けてくれるから? オーストリアさんみたいに戦争をしないから? ねぇリヒ答えてくれよ」
「シュタイン? ・・・何を言っているのシュタイン?シュタインは私にとって、家族より近しいものでは、ありませんの」
「ああそういってくれるんだ嬉しいねいい子だ、すぐ終わらせるから目を瞑ってなさい」


細い首を左手で固定して右手でナイフを構えるとリヒは目を閉じて体を強張らせた。
大丈夫リヒを傷つけたりなんかしないで三つ編みだけを上手く断ち切る。
リヒの髪を編むのは僕の役目だったろう?
もう一方も断ち切る。
ざくりと不吉な音がする、長椅子にナイフが突き刺さる、絹のような髪が床に落ちていく。

「・・・・・・・・・ばいばい、僕の可愛いリヒ」

僕のリヒは死んだ、僕が僕のリヒを殺した、これは僕のリヒの遺髪だ。

目の前の少女がおどおどと瞼を開ける。 可愛らしいが知らない子だ。
がくがくがくがくと少女が震える瞳を僕に向けていたので、怖がることはないと頭をなでて唇の血をなめとってやった。
彼女の目から大粒の涙が零れる。 零れゆく。 どうしてこの子は泣いているんだろう?





カテゴリー
[リヒテンシュタイン][男リヒテンシュタイン][にょたりあ]

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