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 独リヒ



 ドイツは天の暗幕の下、静まりきった草むらを護衛兵を連れて歩いていた。
 手には小銃だけ。
 彼の立場と比較して、あまりに寂しい装備だ。
 いや、そもそも兵にまざって国境を見回るなど、それ自体が非常識なはずだった。
 軽率さをなにより忌避してきた彼が、国家そのものが、こうして無防備に夜歩く。
 しかしそれもまた、彼自身の立場のせいだった。
 ――独裁をしいた上司にとって、ドイツはなかなか厄介な存在であるらしかった。
 国のトップと国では、そのままでは国民の信頼を二分してしまうのだが、
 多くの国が最高権力者に仕えて権威の序列をはっきりさせることで、
その問題を回避してきた。
 しかし、ドイツはまだ『形式上の部下』の枠に収まっているものの、
いつそれを蹴ってもおかしくはなかった。
 上司は彼が胃薬を呑んでいることを知っているし、政策に前面賛成しているわけでも

なければ、その過激さを許容しているわけでないことにも気付いている。
 ドイツもまた口に出さないが隠しても居ない。自然と、上司とは摩擦が生まれていた。
「おかしな話だ」
 ドイツは隣を歩く兵に話しかける。

「『国だろうとなんだろうと他の兵と変わりない。部下なんだから見回りに行け』
 という命令は下すのに、国家がなくなって一番困るのは誰だか
 気付いていないんだろうか」
「えーっと……ぎりぎり、だと思います」
 そばかすの浮いた顔を困ったような笑顔で崩しながら、はるか年下の兵は言う。
「ぎりぎり?」
「ドイツさんだから聞かないふりもできますけど、普通の人が言ったら駄目でしょう」
 駄目の部分に含みを持たせてから、彼は口を左手でこすった。
 ドイツはまだまだ愚痴を言い足りなかったが、これ以上聞かせて
青年を追い詰めるのも気が引けて口を閉じた。
 彼はじゅうぶん、上司とドイツの板ばさみになっているようだったからだ。
 まだ夏なのに、風が冷たかった。嫌な悪寒を感じさせる。
 ドイツはふと歩みを止めた。
 国境をまたいだ林に、じっと目をむけて動かさない。
「どうしました?」
変化に気付いてか、青年兵が声を潜め、固い声音で聞く。
「人の声がした」
「風じゃなくてですか?」
 ドイツが首を振って、足音に気をつけながら林に近づいていった。
 徐々に小枝が多くなり岩が増え、忍び歩きが難しくなっていく。
 腐葉土の領域まで踏み込むと、小声でななにか諭しているような、
男の声が聞こえてきた。
 後ろに青年兵がついてきていることを確認し、ドイツは小声で囁く。
「俺が飛び込むから、後から来てくれ」
「逆のほうがよくないですか。あなたが怪我したら洒落にならない」
「それでも、お前より俺のほうが死なない」
 空のほうへ威嚇のための発砲をする。
 それから、相手が亡命者であった場合の警告をはっし、虚空の中へ――
声がしたほうへ、飛び込んだ。
 話していた男は発砲へ気をとられていたか、ドイツはたやすくその襟首をつかんだ。
 青年兵がフォローに周り、周囲へ銃口をむけんつつ、ドイツと背を合わせた。
 そばに人間が転がっていたのに気付いたのは、青年兵が先だ。
「ドイツさん、こいつら縛られてますよ!」
 耳になじんだ青年兵の声をかろうじて聞いた。
 意外な報告内容にすぐには頭が追いつかない。

 ドイツが戸惑った一瞬の間に、手の中で捕まえていた男が、
林の奥の誰かにむかって叫ぶ。
「逃げてください!」
 とたん、がさがさと植物をかきわけ、遠ざかっていく音を聞いた。
(まだ誰かいたのか)
 すぐに追おうと奥へ足を向けた。妨害しようと男がからみついてくる。
 それを力任せに引き剥がし、あとのことは青年にまかせて逃げた人物を追う。
 幸い、足が遅い。
 ドイツは距離を十分つめてから、逃げた人影に飛びつく。
「あっ――」
高い悲鳴があがった。
 抱きつき、地面に組み敷いた体は、男と思えないほど華奢だった。
 その上、柔らかい。
 ドイツは相手に馬乗りになると、軍服の胸ポケットからジッポを取り出し、
捕獲した相手の顔を照らした。
 最初に、緑の瞳が浮かんだ。
 それはすぐに光から逃げるよう細められ、金のまつげの下に隠れた。
 白い肌に、焔の光が朱色を落とす。
 ケープに包まれ、金の髪に縁取られた顔は、見忘れることのないものだ。

「リヒテンシュタイン?」
名を呼ぶと、彼女は観念したのかあらためてドイツを見上げる。
「ごきげんようドイツさん。おたがい、今夜は眠れなかったようですね」
「なぜここに居るんだ? スイスに守られているはずでは……」
「散歩……という選択肢があるなら」
 強がりなのか、彼女の表情からは怯えは見えない。
 布越しとはいえ、その上に乗っているのでもなければ、
少女の体が震えているのには気付かなかったかもしれない。
 見なかったふりをするべきか? 
 迷うドイツの後ろから、置いてきた青年兵の声が響いてきた。
 正確に位置を把握して近づいてくるのは、ジッポの光が見えるからだろう。
「ドイツさん、男は拘束しました。そちらの状況はどうですか」
 一つ息をつき、ドイツはリヒテンシュタインの腕を取った。
「ついてくるんだ」
 少女は一瞬小銃を見て、そして小さくうなずいた。

 少女のことはドイツも知っていた。
 一緒に暮らし始めたオーストリアのところに、彼女の兄が頻繁に
文句を言いに押しかけるからだ。
 彼女は兄についてやってくるので、挨拶程度の会話をしたことがある。
 それも、数年前まで。
 いま、この場で、リヒテンシュタインをどう扱うべきかが問題だった。
 よりによって今の戦況で、なぜこの場に中立国が居るのか。
 そのうえ、なぜ縛られている者達を連れていたか。彼らは何者なのか。
 問いただしたいことが山ほどある。
「そんなことをしなくても、一人で歩けます」
 拘束しようとしていた青年兵に向かって、リヒテンシュタインは平静な声でと言った。
 そこに、後ろめたさのようなものは何もない。
 兵に助けを求められるように見られ、ドイツは彼女の自由にさせるよう指示する。
「どうして女の子がここにいるんですかね?」
 隣に並んで、青年兵は小声でドイツにつぶやいた。
 彼はどうやら、相手が国とは思わなかったようだ。
 まあ、こんな夜更けの国境に国がうろついてるとは誰も思わないだろう。
 ドイツ自身だって思わない。

 自覚して、再び上司へふつふつと怒りが湧く。
 なぜ俺はここに居るんだろうと果てしなく哲学的な問いは、
上司のひげをむしればすっきり解決するんじゃないだろうか、とそこまで考えた。
「スパイですよきっと。報告します?」
「いや、少し待て。まず、俺達で尋問してからだろう」
上司への反発から、ドイツはきっぱり言い渡した。
ヒゲに関しては、明日の朝全部逆毛になってろと祈るにとどめる。
 ひとまず国境の見張り小屋まで全員を連れて行き、その一室を尋問のため借りた。

 ドイツが捕まえた男は青年兵が担当した。
 他の男達は食堂に集めた。
 ドイツはリヒテンシュタインに椅子をすすめ、出口を塞ぐようにして自分も座る。
 フードを外し、改めて明かりの下で見る彼女は最後の記憶よりは大人びて見えた。
 少女らしくない質素な服装のために、ぐっと落ち着いて見える。
 さらに、彼女は森であったときより余裕が出ていたようだった。
 同じ国家同士、と親近感が出てきたのかもしれない。
 控えめとはいえ安堵したようなほほ笑みがのぞいた。

「それで率直に聞くが、なぜ、あの森に居たんだ?」
「あの森で、私達の他に縛られていた方が居ましたね。
 あの方たちは、ナチス派なのです」
ドイツが質問すると、少女はさらりと言った。
「ラジオやTVを通して演説を聴くうちに、あの考えに感化された若者たちです」
「それは、あのイギリスやフランス国内にも居るんだから、
 同じようにリヒテンシュタインの国内にもいてもおかしくないが……。
 だがその場合、彼らは処刑されるのだろう?
 敵の味方になった者を許すはず無いからな」
少女は目を伏せた。
「私は中立国であり、連合にも枢軸にも属しません。
 敵国で無い以上、彼らを処罰する理由がありません」
「だが、中立国だからこそ国内にも残せないだろう」
「はい。それで、彼らを見つけるたびに国外に逃がしていたのです」
「つまり俺の領土にか」
それで合点がいった。
「……いつもなら、ただ国境兵に見ないふりをしてもらうだけですわ。
 ですが今回だけは事情がかわって」
「いや、そういう話はいい」
ドイツは手を振って、少女の話を止める。
「スイスが出てきて、やむを得ずリヒテンシュタイン自ら動いたのかもしれないし、
 あいつらが国外逃亡の前になにか揉め事を起こしたのかもしれん。
 だが今必要なことはそういった話ではなくて、
 お前が俺の国土を脅かしたのかどうかだ」
「そんな! 脅かすつもりなんてありません」
「証拠は出せるか? 非武装であればいいという話じゃない。
 国は一般人と違うのだからな。何の通達もなく夜に領土にはいったとなれば、
 不穏には違いない。今の世界情勢なら、スパイの疑いも免れないだろう」
 もちろん、通達などできるはずがない。彼女とは友好国でもないのだから。
 少女の細い指がほどけては組み合わさり、膝の上で形を変える。
 優美に動くさまに、ドイツはしばし気をとられた。
「私はこの身一つしかありません。ですが潔白であることは誰よりも知っています。
 疑いをはらすためでしたら、どんなことをされても構いません」
 そういって、なにか覚悟したように唇を閉ざした。これには男のほうが困った。
「どんなこともと言ってもな……」
 拷問だって、そう簡単にできるものではない。


 とりあえず、スイスが敵に廻るのははっきりしている。
 あの、連合枢軸区別なく打ち落とす男の恨みはできるなら買いたくない。
 参ったな、困った。どうしよう。
 スペインの空気を読まなさが急にうらやましくなった。
 彼なら、「そうなんや〜」ぐらいで済ませたかもしれない。
「えーっと……そうだ。スパイなら、記録するものを持っているはずだ」
 腕を組み、ようやく彼は口を開いた。いい思い付きに思えた。
 彼女が持っているわけは無いだろうし、一応調べたとあればドイツも言い訳が立つ。
 とりあえず持ち物は無いから――……
 ドイツは犬をしつけたときのように、手振りで示しながら彼女ン命じた。
「服を脱ぐんだ」
 少女はハッと顔をあげてドイツの目をじっと見つめた。
 冗談でもないとわかったのか、彼女はゆっくり椅子から立ち上がって、
ドレスの紐を解いた。一枚下は、ペチコートとコルセットだった。
 リヒテンシュタインはさっと顔を伏せる。
まだ色気もわかっていないような年頃だが、見られることは屈辱なのだろう。
 その頬がやや赤く染まっている。
 ドイツは機械的なほうがいいと考え、あえてなんの感情も混ぜないように注意して、
さらに指示をした。

「下着の裏に道具を隠すスパイもいる。全て脱ぐんだ」
「あの……ですが」
「一度に徹底的にやらないと、いつまでも疑われるだけだぞ」
 最後の言葉がきいたらしく、彼女はためらいながらも、さらに脱いだ。
 右手の平を足の間に残し、左腕全体を使って胸を隠す。
 凹凸の少ない白い肌を、天井から下がった電球が照らしている。
 鳥肌は立っていなかったが、震えていた。
 視線を固定し唇をかんで、せめて堂々と振舞おうとする少女を眺めていると、
ドイツはふと嗜虐的な欲求に駆られた。
 衣服を一つ一つ調べながら、自分の欲望と理性がぶつかるのをずっと意識していた。
 正直に言えば、少女の兄は怖い。
 武力ももちろんだが、金融に関してもスイスは恐ろしい。
 世界戦争の色が濃くなってきた現在、武器の材料を買いたくても、
どの国もドイツと取引しようとしない。ドイツの札は、ただの紙束なのだ。
 しかし、これを唯一別の国の札に両替してくれるのが、中立国のスイスだった。
 そのため、経済制裁されていても何とかしのげている。


(ばれれば死ぬな)
と、そこまで考えて
(いや、もう死んだも同じか)
と思いなおした。
 散乱した衣服に、裸の少女。
 そのうえ、いま手に持っているのは彼女が脱いだばかりの下着だ。
 まだほのかに体温さえ残っている。これは言い逃れのしようもない。
 一度客観的になってしまうと、かえって開き直ってしまった。
 ドイツが振り向くと、リヒテンシュタインはなにか期待をこめた目で彼を見た。
 終ったと思ったのかもしれない。
 だが、ドイツはそれを知らない振りしてさらに言い渡した。
「服は異常ない。次だ」
「え?」
「手をどけて、その場で回ってみせろ」
こくりと喉を鳴らして、少女は小声で言う。
「て、手は、無理……です」
恥ずかしさは隠れ、いまや怯えに青ざめている。
「もう少しだから我慢するんだ」
「でも……ここまでご覧になれば十分でしょう」
「スパイは情報を持ち出すためには、信じられない方法を考え出すものだ。
 刺青を彫り、その模様の中に地図を隠したりな。
 調べるときは可能性全てをあたらねばならん」
「私はそんなことはしません。本当に、もうお許しくださいまし」
「ここまで見せたんだ。これ以上何も変わらないだろう」
 しかし少女は嫌がり、体をかくしたまま、その場にしゃがみこんだ。
 近くに落ちたままの外套に手を伸ばしたが、彼女がそれをつかむ前に
ドイツが横から奪う。
「協力しないなら、多少荒っぽくなるが仕方が無いな」
 床に落ちている服を足で遠のけ、外套も部屋の隅に放り投げる。
 リヒテンシュタインがなにか言う前に、その手をつかんで引っ張った。
「あっ…いや、嫌です! 見ないで下さいまし」
 ドイツの腕力に促されて立ち上がった彼女は、首を振って、
必死にドイツから離れようと後ずさる。
 逃げられないように両手をつかむと、男は露出させた少女の胸を遠慮なく眺めた。
 まだ発達途上の幼い体に見えた。
 胸に谷間は無いが、そのぶん上から見下ろしたときに恥丘までまっすぐ見渡せる。
 性器には申し訳程度に陰毛が生えていて、それは当然ながら髪と同じ色をしていた。

「は、離して下さい……」
気丈でいようという気概はすっかり崩れさり、リヒテンシュタインは泣きそうな声で
嘆願した。
「まだだ、じっとしていろ」
 片手で彼女をしっかり捕まえたまま、ドイツは少女の肌に指を滑らせた。
きめ細かく吸い付くようで、自分の肉との違いにただ驚く。
 ただ撫でるだけでも面白く、ドイツはわざとゆっくり手を動かしていた。
 それに反応も楽しい。
 左胸のときは、ドクドクと速い心拍を手のひらに感じ、かすかに浮いたアバラを撫でる

と小さく飛び上がる。
 性器に触れると、大人しくなっていた彼女が、再び抵抗し始めた。
 持て余し、ドイツはネクタイを抜いて、それでリヒテンシュタインの両手首を
背中で縛った。
 ばたばたと暴れる彼女を抱きかかえ、ドイツは人差し指を舐めて湿らせる。
「これは、相手が女だった場合の常套だ。男でも、たまに尻をやるが」
「あうっ…あ、あ、あっ……」
 割れ目を指でたどり、あたりをつけて、濡らした指をもぐりこませていく。
浅く息をしていたリヒテンシュタインが、首を振って嫌がった。

「やあ、嫌、痛い…」
 中がきつくて、指が思うようにすすまない。突き刺すようにして力を込めると、
少女の体がびくりとはねる。
 軽く抜いてからまた奥へむかい、反復を繰り返すうちに出し入れがスムーズに
なってきた。
 熱い肉のひだがドイツの指を四方八方から締め付ける。
 いつの間にか、ドイツ自身呼吸が荒くなっていた。
 涙をため、体を強張らせているリヒテンシュタインの首にむしゃぶりつく。
 ズボンもきつくなってきた。ベルトを外すために指を抜くと、
処女だったことがわかる血がついていた。
 脱力し、床にぺたりと座り込んでいたリヒテンシュタインは、
取り出されたペニスを見て呆然としていた。
 これからなにをされるか、未経験のためにわからなかったのか、
あるいは理解したくなかったのかもしれない。
 ドイツが足を持ち上げて入り口にあてがうのを身をよじって逃げようとする。
「嫌、嫌です! また痛いのは嫌!」
 手を縛っているので、逃げるのもすぐに限界が来た。
少女の体を抑えドイツが腰を入れると、再びあの熱い拘束が訪れた。
足が指の先まで伸び、泣きじゃくるに覆いかぶさってドイツは根元まで入り込ませる。

 強い快感を感じながら、すぐには動かず少女に話しかける。
「リヒテンシュタイン、ほら、しっかりしろ」
「うっく、うっ…う、ぅ」
触れてから、少女は一度も視線を合わせない。
 涙を零しながら、唇をかんでいる絶えている。
最奥を突くたびに、少女の膣は根元まで入ったドイツのペニスを強く締め付けた。
 抵抗する術もなく、泣きじゃくる顔までじっくり観察され、
貴族らしい自尊心は、もはや彼女のどこにも残っていない。
 今男の体の下で、初めて肉棒に貫かれあえいでいるのは、ただのか弱い少女だ。
ドイツの理性は彼女を可哀相にも思っていたが、それがまた余計に本能を煽った。
 支配欲や嗜虐心、けなげに突き上げにこらえようとする反応への愛しさが
ないまぜになって、がむしゃらに腰を打ち付ける。
 足の間がくちゅくちゅと音をたて始め、だしいれがスムーズになった。
「……こんな、こんなの、違う」
ぐすぐすと舌をもつれさせながら、リヒテンシュタインがつぶやく。
「こんなの、尋問じゃ……わ、私は、お兄様と……初めてはお兄様が」
ドイツは動きを止めないまま、ふっと微笑んだ。
「さすがに子作りくらいは知っていたのか? だがもう遅いな」
ドイツは少女の腕の戒めを解き、顎に手をかけて目を合わせた。
「こっちを見るんだ。ほら、奥に当たっているのがわかるか?」
 体をゆすると、少女の体が大きく跳ねた。
「ああっ……い、いやっ、あ!」
「自分の下腹を触ってみろ。俺が動くのと同じに、肉が動いているだろう。
 口では嫌だといっても、もうお前の体は全部俺のを飲み込んでるんだぞ。
 いやらしいな。乳首もこんなに立ってる」
 体を曲げ、胸の先を口に含みしたでなぶる。
 少女の肌からはいい匂いがして、逃げようとよじる体を押さえつけて堪能した。
 さらに発見だったのが、耳だった。
 そこはひどく感じやすいのか、柔らかい髪をかきわけて耳朶に舌を這わすと、
体を跳ねて短く声を上げる。
 さきほどとうってかわった甘い声に夢中になって舐めまわすと、
リヒテンシュタインは体を小刻みに震えさせた。
 室内には破瓜の地の匂いともっと別の、いやらしい性臭がまじりだした。
 性器はゆっくり潤み始め、挿入していたドイツは、
そのまま自分の性器が溶けたような気がした。
 絶頂が近くなり、ひときわ深く突きこんだ。
 少女の体の一番奥に精液をぶちまけると、体を離して近くに落ちていた白い布で
性器を拭いた。
 白濁液を放心して見つめる少女に、ドイツは非情に言った。
「確かに体は隅々まで調べたが、怪しいものは持っていなかったな。
 自国に帰っていいぞ。
 もしまた兵に見つかったら、足の間を見せて調査済みだと言えばいい」
「あ……」
 絶望した少女の目がドイツを見上げた。
 それはすぐ涙でにじみ、彼女は乱暴な仕草で自分の服を身に着け始める。
 一刻も早くこの場から立ち去りたいという意思が現れていた。
 ふとドイツが手の中の布を広げると、今犯したばかりの少女が履いていた下着だった。
血や精液にすっかり汚れてしまっている。
「下着ははかずに帰れ。なに、冬じゃないから風邪は引かんだろう」
 リヒテンシュタインが最後に男をにらみ、ふらつく足取りで部屋の扉に手を掛ける。
 ばたんと荒っぽく扉が閉まった。天井からさがった電球がかすかに揺れる。

 しかし全てが終った後で、ドイツは今更ながら自分のミスを思い出していた。
「口の中を調べるのを忘れていたな」

 まあでもそれは、彼女の兄がやってくれるだろう。






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