小ネタ
「変態ですよ変態!」
「違ーよ、俺のどこが変態なんだよ!」
「変態ですよ!私がメリーさんごっこしようと、
電話して玄関のドア開けたら、裸だったじゃないですか!」
「ばかぁ、俺のとこでは電話するとき国民の三分の一は服を脱ぐんだよ!」
「でもそのくせ靴下は履いてたじゃないですか!」
「ロンドンの冬は寒いんだよ!冷えは末端から来るんだよ!」
「シルクハットかぶってたのは関係ないじゃないですか!」
「外から帰ってきたばっかりだったんだよ!」
「服を脱ぐとき一緒に外して、またかぶったってことじゃないですか!」
「癖なんだよ! 無いと落ちつかないんだよ!」
「本当に変態じゃないって言うんですか?」
「変態じゃねえよ、仮に入り口が変態でも出口は紳士だよ」
「じゃ、百歩、いえ赤道まで譲りますけど」
「おう。ったく、なんでこの状況で、朝のこと蒸し返して言うんだよ。ベッドに入ってじゃあいれるぞ、
っつった直後に『そういえば変態ですよね』なんて言えるんだよ」
「だって裸見てたら思い出しちゃって」
「あのなあ。そんなこと言ってたら、俺はトイレか風呂ぐらいしか服を脱げねえよ」
「……でも、裸にネクタイは変態ですよね?」
私は両手を赤いネクタイで縛られたまま言った。
眉毛は本当に良い笑顔になる。
「ん? 拘束系なら手錠のほうがよかったか?」
「やっぱ変態ですよう」