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 『クリスマス撃墜のお知らせ』 エストニア×モブ(IT)


 早めに風呂から上がったエストニアは個室に戻り、ノートパソコンを広げた。
「僕ばかり楽しんでては国民に対して申し訳ないしね」
 絶景はもったいないが気が散ってはいけないので、しっかりと戸締りをし一ミリの隙間なく障子と
襖を閉める。
 なんと真面目な優等生!
 そんな彼がパソコンを立ち上げると、背筋にぞくりと悪寒が走った。湯冷めでもしたかな、と首を
かしげると。
「はーい、こんばんはエストニアさん!」
「うわああああああああ!!」
 振り返ると温泉着姿の少女が立っていた。金色の髪に青い瞳。どこの国かと戸惑っていると彼女は
エストニアの前にちょこんと正座した。
「はじめましてエストニアさん。私、ITの神です」
「……は?」
「ずっとお会いしたかったんですが、こういう機会をいただいて光栄です」
「いえ、こちらこそ……ってそうじゃない! ITって! 神って何!?」
「日本では大切にされているものには神が宿るんです」
 それは九十九神と呼ばれ、長い年月を経て古くなったもの魂や精霊などが宿るなどしたものの
総称だと彼女は言う。
「まあ、幽霊とか妖怪とか、その類だと思ってください」
「しかし、ITって形ないですよね? そういうものって意思が宿りようがないのでは?」
「き○ろうにもネットの妖怪出てたからいいんです」
「そういうものなの?」
「ものです」
 納得いかなかったが日本だとそうなるのだろう。日本の形式順守の言いつけを守って飲み込むことに
した。
「で、そのITの妖怪?さんが何故に僕の前に?」
「大変良い質問です。簡単なことですが、恩返しがしたかったのです」
「恩返しとな?」
「だって、貴方はとても私のこと愛してくれているでしょう?」

 浴衣姿の女の子にもじもじと伏目がちに言われ、一瞬ドキリとした。が相手はゴースト(っぽい何か)
だと思い、冷静になる。
「あなたのおかげで私、すごく発展できました。だから、どうしてもお礼がしたくて……」
と、手を握られた。エストニアは息を呑む。それが胸元に引き寄せられていく……
「ってダメダメ!」
 振り払う。話が上手すぎだ。きっと誰かの悪戯だろう。
「何これドッキリ? 誰の差し金!? ひっかからないよ」
「とか言いつつ、少しは期待したのでしょう?」
「してない! ていうか君みたいな子供は好みじゃないんだ。もっと大人っぽくて、グラマーで……
ってうわあああああ!」
 一瞬にして、目の前の少女はいくつか年を増し、いただき盛りのグラマラスボディへと様変わり
していた。
「な、ななななな何!?」
「エストニアさんの脳内の電気信号から、今想像した形を再現させていただきました」
 彼女はあどけなく微笑む。
 その笑顔をまじまじと見つめた。もはや疑う余地はない。
「さ、恩返しはじめますよ」
 と、彼女はエストニアに飛びついた。
「今からエストニアさんの脳内パルス読み込んで、理想の女性になりますね」
「って嫌だぁ! 物に手を出すなんてアスファルトでもOKのイギリスさんや二次元マスターの
日本さんみたいじゃないか! 僕はそこまで堕ちたくない!」
「ただの物とは違いますよ。アスファルトや二次元は向こうからの愛はありません(?)が、私には
あります。えいっ」
「わあ〜〜〜ッ!」
 たたみに押し倒され、見上げれば自分の腰に乗った彼女の顔がある。その容貌には初めて現れた時の
面影は全く無く、エストニアの理想の女となっていた。
 そんな女性が目の前で抱いてくれと迫っている。自然の反応で、エストニアの下腹に熱い血が滾り
始めた。
「あら……おっきくなりましたね」
「誰のせいだよっ! って脱ぐなぁ!」
 浴衣の帯をしゅるりと外した彼女はゆっくりとエストニアに顔を近づけた。袖を通しただけの浴衣の
間からは体白いレースの下着に包まれた飽満な胸と締まったた体が覗いている。全裸より……エロい。
「なんというか、ツボを理解してるね……」
「ふふっ、脳内パルス読んでいるので完璧ですよ。いつも愛してくれる分たっぷり愛します。
大好きです。貴方も、国民も、全部……」
 唇が重なる。彼女の舌が侵入して歯列をなぞり、口内の内壁をやわらかく刺激する。空いた手は
エストニアの浴衣をはだけさせて胸元をまさぐった。胸の突起を見つけると指先で捏ねたり焦らしたり
とエストニアの弱い場所を確実に責めてくる。
「んっ」
 思わず出てしまった声に彼女は微笑んだ。理想の微笑みだ。エストニアはたまらなくなり彼女を
抱きよせると転がって上側に代わる。
「本当にするよ? いい?」
 最終確認にまたまた彼女は笑う。そして上気した頬で囁いた。
「大好き」


 エストニアの夜は、長くなりそうだ。




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[エストニア][クリスマス企画]

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