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 クリスマス撃墜のお知らせ アメリカ×ベトナム



ベトナムの背中には、大きく醜いあざがある。前の戦争の傷跡だ。
勝ったけれど、消耗しきった戦争。まだそのあとを引きずってる。
温泉には入りたいけれど、やはりこんな背中であっては、いくら見知った仲と行っても、見せるのははばかれる。
いかに実の姉妹のように接している台湾にさえも。
みんなが寝静まった頃にでも、ゆっくり入ろう。
そう結論づけて、彼女は自分の部屋へと戻っていった。

夜のとばりも降りた頃、ベトナムは静かに部屋を出た。目指すは無論温泉。
脱衣所を見る。服はない。どうやら誰もいないようだった。
「これなら入れそうね」
安堵の息を漏らして、彼女は温泉へ入るべく服を脱ぎ始めた。

「あ〜……気持ちいい……」
全身乳白色の露天風呂のお湯につかって、彼女は息を漏らした。
みんなと入れないのは寂しかったが、一人風呂もなかなかいいものである。
のんびりできて。
ふと思い立って視線を奥にやれば、高い茂みの向こうにも温泉が広がっているのが見えた。
なんだかおもしろそうで、彼女の好奇心が刺激される。
「何か日本が言っていた気がするけど……何だったかしら?」
何か大事なことを忘れている気がする。ベトナムはそう思いながらも、好奇心に突き動かされるままに奥へと進んでいった。

奥には岩の囲いと、小さな休憩スペースがあった。
秋にはきれいに色づいた茂みが美しそうな場所である。
「これはぜひ秋に来てみたかったわ……」
赤道直下に比較的近い国であるベトナムにとって、紅葉というのは物珍しいものである。
初めてそれを見たとき、とても感動したのをよく覚えている。
もう一度、湯につかる。湯につかると、ついつい息を漏らしてしまうのは何故なのだろう。
気もゆるむ。このまま寝てしまいそうだとも、ベトナムは思った。
「あれ!ベトナム、ベトナムじゃないか!」

ぼんやりしていると、声を掛けられた。大変聞き覚えのある、底抜けに明るい声。
ぎょっとして声をした方を見ると、金髪と蒼い瞳が見えた。
アメリカだ。もちろん温泉に入っているから、眼鏡はしてない。
「な、な、なんでここに!ここ、女湯じゃ……っ」
「聞いてなかったのかい、ベトナム!温泉の奥は、混浴になってるんだよ!」
そう言えば日本がそう言っていた気がする。
今更ながらに思い出して、ベトナムはさらにどうしていいかわからなくなった。
「じゃあ、何でこんな時間に……っ」
とりあえず近づいてくるアメリカから静かに遠ざかりながら、ベトナムは再び問いかけた。
「イギリスが2時ぐらいにセーシェルとなんかやろうだの何だの言ってたから、それを邪魔してからかってやろうかと思ってね!」
遠ざかるベトナムに、アメリカはいつものように笑いながら近づいてくる。
ベトナムは内心で小さく悲鳴を上げた。たまったもんじゃない。
「こっち来ないでよ!」
「いいじゃないか、へるもんじゃないし!」
「そう言う問題じゃなくて!」
いつの間にか、ベトナムとアメリカの距離はわずかになっていた。隠れる場所などなく、逃げ場もなかった。
そして、すっぽりとアメリカの腕の中に捕まってしまった。距離はゼロ。
「ちょ、ちょっと……っ」
アメリカの手が、ベトナムのささやかな胸のふくらみをもんでいた。
頭は混乱していて、その手を払わなければと思うほど、何故かその気力がなくなっていく。
おかしい。おかしすぎる。そう思うのに、頭がぼーっとする。
アメリカが、ベトナムの胸をも見ながら、小さく声を漏らした。
「う〜ん……」
「な、なにっ?」
漏れ出す声を必死に抑えながら、ベトナムはアメリカに問い返した。
「やっぱり、小さい……」
「小さい言うな!スレンダーって……ひゃあっ!」
言い返そうとしたベトナムの体中を、アメリカの手が縦横無尽に撫でる。ベトナムの口から、声が漏れた。
いつもなら絶対抵抗するのに、抵抗できない。抵抗したいと思うのに、もっとしてほしいと思ってしまう。
「可愛い声だよ、ベトナム。もっと、聞かせてよ……」
「やっ!ああっ、だめ、だめ……っ」
絶対に自分もアメリカもおかしいとベトナムはそう思った。けれど、体は素直に反応していく。
「でもベトナム。乳首すごくたってるし、ここだって……」
「ひゃあっ!あ、ああっ!」
乳首を甘噛みされ、大事なところをぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。頭の中が、どんどんかすんでいく。
そんなとき、アメリカの手が止まった。
「そんなに嫌なら、やめるけど……どうする、ベトナム?」
アメリカの口の端は、小さくあがっていた。
ベトナムには、アメリカは楽しんでいるのがよくわかった。ずるい。卑怯だ。
ベトナムは熱い吐息を吐くと、今日はどうかしていると、頭の隅でそう思いながら、その言葉を口にした。
「ちゃんと気持ちよくしてよ、アメリカ」
アメリカが楽しそうに、嬉しそうに笑うのが見えた。
ベトナムは、足はお湯につかったままで上半身を休憩スペースに押し倒され、四つんばいにさせられた。
大切な場所が、アメリカに向けてさらけ出される。
背中の痣が見えるなとベトナムは思ったが、今更だと割り切る。
アメリカは誰よりもこの痣のことを知っている。この痣を付けたのは、アメリカだ。
ベトナムの大切な場所に、アメリカの熱く堅いそれがあたる。
「ひゃっ!」
思わず声が漏れた。ベトナムからはアメリカの表情は見えないが、笑っているのは容易に想像できた。
「言い声だよ、ベトナム。……いくよっ」
アメリカのかけ声と共に、アメリカのそれがベトナムの中に入っていく。
「ああっ!ふぁ……っ!」
アメリカのそれが前後する度に、ベトナムは甘い声を漏らした。抑えることなど、もう忘れていた。
ここが露天風呂だと言うことも。
「……ベトナム、気持ちいい?」
「ひゃっ、ああっ!!きもち……っ、気持ちいいよ、アメリカっ!前よりずっと……あ、ひゃああああんっ!」
「前よりずっと、何?」
「ずっと……っ、じょう、ず……っ!!」
「それは光栄だよ、ベトナム!」
ぐちゃぐちゃという水音や、体がぶつかる音が互いの耳に届く。
でも、それすら気持ちよく感じてしまう。すべてが、快楽の要因であった。
中をめちゃくちゃにかき混ぜられ、胸をもまれ、耳を甘噛みされる。
アメリカの舌がベトナムの首筋を嘗め、指が存在を主張する小さな突起をはじく。
「ああんっ!アメリカっ、アメリカぁっ!!」
ベトナムは必死にアメリカを呼んだ。体のあちこちから与えられる快楽に、もう意識はショート寸前だった。限界に達しようとしている。
「なにっ、どうしたんだい、ベトナムっ!」
アメリカはそれを察しているだろうに、気が付かないふりをしてベトナムに問いかける。
いつもなら怒るそれも、限界に達しようとしているベトナムには、もう関係ないことだった。
「もっ、もうだめ……っ!!イっちゃ、イっちゃうっ!」
「だからっ?」
アメリカの問いかけに、ベトナムは今までで一番甘い声で答えた。
「一緒に、イかせて……っ!!」
「ああ、わかったよ、ベトナムっ!」

アメリカの動きが、一層激しくなる。激しく何度も、何度もたたき込まれる。
ベトナムの頭の中が真っ白になって、彼女は今までで一番大きな声を上げた。
「やっ、あっ、アメリカっ!アメリカっ!!イくっ、イくっ!!あああああああああああぁっ!!」
ベトナムが達したと同時に、彼女の中でアメリカの熱が暴れ回る。
ベトナムは、奥の奥までアメリカの熱で満たされていった。
「気持ちよかったよ、ベトナム……」
アメリカが、ベトナムの中から自分のものを引き抜きながらそう言った。
ベトナムはアメリカの方に振りかえって、小さく苦笑をした。
「……何で苦笑なんだい?」
それを見たアメリカが、少しばかり不機嫌な顔で聞き返した。まるで子供がすねているようにベトナムには見えた。
そう、アメリカは図体ばかりがでかい、ただの子供なのだ。ベトナムの生きてきた半分も、まだ生きてはいない。
「流されちゃうのも、たまにはありかと思って。仕方がないから、満足いくまで相手してあげるわ」
本当に今日はどうかしていると思いながら、これから与えられるさらなる快楽に少しばかり期待しながら、ベトナムはアメリカに微笑んでそう言った。




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