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 クリスマス撃墜のお知らせ スイ×リヒ



 スイスはまず、泊まる部屋の安全を確認してまわった。
 一通り見て満足して、今度は廊下の非常口を見ておこうと部屋を出かける兄を、リヒテンシュタインが呼び止めた。
 彼女が差し出したのは部屋においてあった浴衣だ。
「お兄様、あの出歩くときはこれに着替えてください、と言われました」
「……これに?」
「はい。これだけです」
 布を広げて確認するが、薄い。ただのバスローブにしか見えない。どこぞのフランスでもあるまいし、
これを来て出歩けというのは破廉恥極まりないのではないのか。
 主人に文句を言おうと、部屋を出かけるスイスを妹が止める。
「さきほど、日本さんにも形式順守と言われたばかりですし」
「……しかし、これは銃をさげるベルトもないし、弾倉をいれるポケットもないではないか。これで命を狙われても反撃できんのである」
「皆様おなじ格好のようですし、危険はないと思いますが」
 そう言って、彼女は廊下を指差す。早くも着替え終えたアメリカがスリッパ飛ばしをしてイギリスにぶつけ、怒られている。
「リヒテンも、もう着替えているのだな」
「はい。仲居さんに着付けを教えていただきました。よければお兄様の着付けは私が手伝いたいのですが」
 スイスが渋い顔で自分のサイズの浴衣をつかんだ。
 ジャケットを脱いで渡せば、すかさずハンガーにかけて吊るす。かいがいしいのは、妹なりに異国嫌いの兄を気遣っているのかもしれない。
「リヒテン、我輩のことは気にせず遊びにいって構わんぞ。確か、ハンガリー達と露天風呂に入るのが楽しみだと言っていただろう」
「いいえ、お兄様が着替えるまで待っています」
 スイスはベルトを外そうとしていた手を止めて顔を上げた。リヒテンシュタインは特に気まずそうな様子もなく、待っている。
「では結ぶのだけやってもらおう。紐はこれか?」
「お兄様、浴衣は全部脱がないといけないのだそうです。ということで、ズボンもシャツも全部脱いでくださいまし」
「あ、いや、だが」
「形式順守です、お兄様」
 リヒテンシュタインは実行するとなったら迷わないタイプだった。髪を切ったときも、パジャマを贈ろうと決めたときも、
途中で止めておこうなどと思ったりしなかった。
 押しとどめようとするスイスの手をどかし、彼女は膝立ちになって兄のベルトを外した。
「ま、待て、リヒテン、冷静になるのだ!」
「どうしたのですか、お兄様。私も下は裸なのですから、気にすることはないです」
 絶句する兄に微笑みかけ、彼女はズボンのボタンをはずす。リヒテンシュタインは気付いていなかった。
 その位置まで顔を近づけて手を動かされたりすると、いやらしい連想が働くということを。
 下着越しとはいえはっきりわかるふくらみを見つけて、リヒテンシュタインは顔を真っ赤にして固まった。
 廊下からはフランスの楽しそうな声と、女子国の悲鳴が上がっている。
 それすら遠くかすかになり聞こえなくなると、妹の途切れ途切れの声が部屋に響いた。
「あ、あの、私……平気ですから、お兄様のでしたら全然…あの……」
 ここまでされて、スイスも吹っ切れた。吹っ切れたというか、ヤケになったというか。
「着付けたときの仲居は、このような状態でもいいと言ったのか?」
「い、言いません」
「着付けを手伝うといったな」
「はい」
「では、我輩が浴衣を着れる状態にするのである」
  リヒテンシュタインは真っ赤な顔をあげて兄の目に冗談がないことを知ると、固まっていた手をそっと動かし始めた。
 下着を少しずらしただけで中のものが勢いよく出て、少女は怯んだように目を伏せた。
 が、それも一瞬で、覚悟を決めたらしくぱくりと男根を咥える。
 熱い舌が肉を這い、全体の形を覚えようとするかのように動いた。
 唾液が唇の端からこぼれかけ、少女は口に含んだまま慌てて強く吸う。
 スイスが短く声を上げると、リヒテンシュタインは一度男根を口から出して上目遣いに聞く。
「ごめんなさいお兄様……私、歯があたってしまいましたか」
「いい、続けるのだ」
 彼女は小さくもう一度謝り、今度は根元から先までを舌と手を使ってしごく。
 先走りが彼女の白い頬を汚したが、気にしないどころか嬉しそうに指でぬぐって舐めとった。
 絶頂が近づき、背筋にぞくぞくした悪寒が走る。
 もう一度性器を妹の口の中に含ませて、スイスはリヒテンシュタインの髪をなでた。
 けなげに喉の奥まで押し込もうとするのが、かえっていやらしい。
 ティッシュの箱がTVの横においてあるのは知っていたが、そこまで取りにいく余裕はなかった。
 リヒテンシュタインの頭を軽く抑えて、その口の中に精液をぶちまけると、スイスは大きく息を吐いた。
「リヒテン、ちょっと待て」
 体を離して口元を抑えている妹にそう言うと、スイスはTVまで行った。
 箱ごと妹に渡すが、手を出さないのを不思議がっていると、彼女は顔を真っ赤にして口を手で隠したまま、
「あの……飲んで、しまったので……」
ティッシュはいりません、と彼女は恥ずかしそうにつぶやいた。




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