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 『クリスマス撃墜のお知らせ』普×洪



早朝に目が覚めてしまったのがいけないのか、気まぐれに一人で散歩なんかしたのがいけないのか。
 ハンガリーは雪の山道にぽつん、と佇んでいた。
 迷子になったわけではない。日本式遵守の履物、下駄の鼻緒が片方切れたのだ。
「寒い……」
 踏みしだかれて凍りついた雪は素足で歩くには根性がいる。下手すればしもやけや凍傷を起こす。
どうしたものかと考えて、だいたい20分したところで元来た道の彼方から歩んでくる人影が現れた。
「助かった!」
 と、安堵もつかの間、はっきり顔が分かる距離になるとがっくりと肩を落とす。
「なーんだ、プロイセンか……」
「うわ〜、ナチュラルにむかつくー。何こんなとこにつっ立ってんだよ」
 旅館の敷地内とはいえ、どこか薄暗く人気の無い道である。部屋からの距離もそこそこで、
見るものもなく足を運ぶ意味がないような場所である。
「なんとなく道なりにあるいてたら来てたのよ。動けないのは、これ」
「思いっきり切れてるな。それでカカシ状態なのか」
 二人して下駄の緊急処置法を探したが見つからず。
「……しょうがない、片方貸してやるから履いてけよ」
「嫌よ。あんたがしもやけになったら貸し作ったみたいで嫌だし」
「んじゃあどうしろと?」
 ハンガリーはプロイセンに向かって両手を伸ばし、
「おんぶして」
「………………」
 雪道で一番双方にダメージの無い選択を要求した。

「わあ」
 要求どおり背負われると、ハンガリーは嬉々としてあたりを見回す。
「視界が高い!面白ーい」
「こら、暴れんな。落ちるぞ」
「だって子供のころぶりなんだもん。親父思い出すなぁ」
 ハンガリーは幼い頃父親マジャールと共に暮らしていたから、背負われた想いでがあるのだろう。
「下駄壊したの、旅館に怒られるかな」
「大丈夫だろ。一緒に事情を話してやるよ」
 プロイセンはプロイセンで昔、幼いドイツを背負ったことなどを思い出して、自然と子供相手の
対応になっていた。
「ああ懐かしい」
 思いっきりしがみつくとプロイセンがたたらを踏んだ。
「うお! あんまひっつくな!」
「けち」
「けちじゃねー」
「ぬく〜い!」
 寒空の下、身を冷やした彼女には天国のようであった。
 一方のプロイセンにとってはちょっと厳しい体制である。
 密着する背中には着物越しに柔らかな二つの感触。抱きしめるように肩に回った白い両腕は湯を
出たばかりの石鹸の良い香りがする。
 温かさを越して体内の血液たぎりそうだった。
 そんな事情を知る由も無く、ハンガリーは郷愁混じりに体を寄せる。感じるな考えるなと自分に
言い聞かせても、本能は正直に手に触れる太ももの触感、背の柔らかさ、甘い香り、安心するような
体温を拾い上げて体に激昂しろ、とシグナルを送る。
 これはまずい。非常にまずい。プロイセンは体の異変を隠すように前かがみになっていく。
 ……しばらく進んだところでハンガリーは最初より視界が下に移動していることに気付いた。
なんというか、前傾姿勢になったというか。
「ねえ、もしかして私……重い?」
「重くはない。けど……マジ離れろ。オレの理性が青く冴え光っているいるうちに!」
 
 なんとなく事情を察したハンガリーはそっと体を離す。普段であれば「キモっ」の一言であらゆる
気力を一撃破壊して終わるのだが、今日は何故だか口ごもってしまう。助けてもらっているというのも
あるが、おそらくはこの背中が原因だろう。オーストリアとはまた違う父親に似た逞しく温かな背中。
もっと、寄り添っていたい。ハンガリーは再び体を密着させ、それと分かるよう頬を肩にこすり付けた。
「うお! ……おい」
「……いいよ」
「何が?」
「理性飛ばしていいよ」
「はぁッ!?」
「好き……」
「ふあっ、ちょっ」
 プロイセンの首筋にキスを落とす。 
 ハンガリーにも、旅館の魔力は確実に及んでいた……


 道から外れて草木に身を隠せる森に入るなり、背中から降りたハンガリーは濃厚なキスを与えた。
「ふう……んっ……」
 口付けを交わしながらプロイセンは適当な太さの木の幹にハンガリーの背を押し付ける。枝から
わずかながら粉雪がおちてきて二人にぱらぱらと注いだ。
「お前、坊ちゃんと何かあったの?」
「んっ、何もないけど」
「今日のお前おかしいぞ」
「おかしくない」
 ハンガリーは断言した。殴りたい反面、自分に成しえなかった下克上をかまして強国となった才を
うらやんでもいる。プロイセンに抱いているのは好きというには純粋じゃなく、嫌いと易く切り捨て
られない厄介な感情だ。
 だから今のこの想いは間違ってはいない。と思う。多分……。
 プロイセンは訝りつつもハンガリーの浴衣をはだけさせ、フロントホックを手際よく外した。
ぷるんと弾みをつけてあらわになった双丘に手をあてがい、強く時に弱く、力加減を調節して揉んでいく。
「んっ」
「いい乳してんな」
「馬鹿っ!」
 普段と異なる恥じらいまじりの声、ぞくぞくと背筋が粟立つ。彼もまた旅館の客人である。いろいろ
壊れ気味なのは確かだった。
 右手でピンクの胸先をいじりながら聞き手は体を滑らせてショーツを引きおろす。ハンガリーの協力
もあり片足を抜くとすぐさま割れ目を指でなぞった。
「あんっ」
 敏感な芽を見つけてそこを集中して責めると鳴き声はいっそう増した。興奮して唇を重ねる。
 ハンガリーも愛撫を受けるだけでなく自らプロイセンの下着を引き下ろしてそれに指を這わした。
根元は乱暴にしごき、先端は丹念に弄るように触れる。熱と硬さが増していく。
「ねえ、プロイセン、もう……」
 咥えさせられる指が二本に増えると、ハンガリーが瞳を潤ませて見上げた。雪景色を背に、太もも
まで愛液で濡らして物欲しそうに身を捩っている。プロイセンはたまらず彼女の片足を持ち上げ、
先走りに濡れた自身をあてがった。
「ゴム無いけどいいよな?」
「そんなのどうだっていい」
 身ごもることはないが確認すると一度おおきく息を吐き、ゆっくりと腰を進める。
「ふう、んっ」
 よく濡れていたせいか、抵抗無く、融けるように飲み込まれた。
「全部、入ったぞ」
「んっ。……うん。なんか、もう、たまらなくて」
「すまん。オレも余裕無い……」
 二人は抱き合い、腰を揺らし始める。卑猥な粘液の音が静寂を壊す。
「はっ……あん……あぁっ……あ……」 
 甘い声が長らく続き、そして
「は、ああああああ!」
 ハンガリーが仰け反って背中に爪を立てると、体内の強い痙攣に引き込まれるようにプロイセンも熱を放った。


 二人、しばらく荒い呼吸のまま抱き合っていたが、時間と共に冷静になると
「……寒い」
「……風引くよな、これ」
 共に鼻をすする。
 なんとなく気まずくなって二人、目をそらした。
「ていうか、中に出したわね!? これから道のり長いのに」
「いいんじゃね? よごれるのはオレの背中だし。ほら」
「うん」
 衣服を整えると元通り、ハンガリーは下駄片手に背負われて帰路についた。なんかまずいことした
気もするが、旅館に着くまでおんぶのなつかしい感覚をべったりくっついて堪能できたので、よしと
することにした。




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